2014年グリーンテック賞を「ローマクラブ」が受賞。
IFATプレスリリース2014-05-04より、
5月5日から9日までドイツ・ミュンヘンの新国際展示場で開催される、上下水道・廃棄物処理・リサイクリングなどの環境関連産業を網羅する世界最大級の専門見本市IFAT 2014の開催に先駆けて、5月4日ミュンヘン国際会議場で、グリーンテック賞(Greentec Awards)、IFAT環境リーダーシップ賞の授賞式が開催された。IFATは世界54か国から3,000社が21万平米(ちなみに東京ビッグサイトは8万2千平米)の会場に展示する。2013年の入場者数は12万5千人でそのうち7万5千人が国外からの参加者であった。
この賞は2008年から毎年、環境保護の為に貢献のあった、企業、団体、学校、研究所、芸術家、マスコミなど幅広く贈られている。2014年度の各賞の発表は5月5日に行われるが、それに先立っての前夜祭における発表で「ローマクラブ」が受賞することが発表された。受賞理由として、ローマクラブの主たる活動は人類の未来への可能性の複数のシナリオを作ったうえで、それらを解析し、実行すべき道筋を示すことを行ってきたとしている。受賞した共同会長のエルンスト・ウルリッヒ・フォン・ワイツゼッカー博士は、受賞理由を理解したうえで「ローマクラブは受賞の栄誉に感謝いたします。この世界の環境技術をリードする先端技術が集まったIFATが毎年盛況になって行くのを見て、我々が行ってきたことが実りつつあると実感します。」と謝辞を述べた。
原文(ドイツ語)URL:http://www.ifat.de/link/de/27708451#27708451
会場には、アルトマイヤー環境大臣をはじめとするセレブリティーが居並び、レッドカーペットならぬグリーンカーペットを歩く、政治家、学者、環境運動家、俳優、スポーツ選手などのセレブリティーの姿は、このグリーンテック賞をアメリカのアカデミー賞に代わるような賞にして行こうとする意気込みと、ドイツがグリーン技術で世界をリードして行こうとする意欲が感じられる。セレブの人々は、ポルシェのハイブリッド車で送迎された。
原文(ドイツ語)URL:http://www.greentec-awards.com/greentec-awards.html
数日前までベルリンを訪れていた日本の安倍首相のことは小さくしか扱わなかったドイツのメディアは、このイベントは大きく取り上げている。ちなみに、安倍首相のドイツ訪問に対し、日本の首相には初めてデモが組織され、ベルリンの首相府前で「原発再稼働反対」が叫ばれた。それに対し、安倍首相はドイツの新聞の質問に書面で「日本は島国なので、足りないエネルギーを外国から買うことができないので、安全性が見極められ次第、再稼働してゆく」(フランクフルター・アルゲマイネ2014-04-28)と述べている。
グリーン経済への転換、エネルギー転換を積極的に進めることが、国益と考えるドイツ政府と、いまだにエネルギー依存の旧態依然とした産業構造を守ることが国益と考える日本政府のコントラストを感じる。 |