オバマ政権が第三次米国気候変動評価報告書を発表。
2014-05-06 ワシントン発各紙より、
全米のメディアは、ホワイトハウスが第三次米国気候変動評価報告書を発表したことを伝えている。
この報告書によれば、現在のまま手をこまねいて何もせずにいると、2100年には米国の平均気温は6℃上昇し、海面は1.2m上昇し、すべての国民は多大な影響を受けることになると警告している。そして、記録を塗り替えている高温と干ばつ、集中豪雨、熱帯低気圧とハリケーン、海面上昇などで国民は既にそれを感じはじめていると、している。
ホワイトハウスの科学技術政策部長のジョン・ホルドレン博士(Dr. John Holdren)は「気候変動は、決してどこか遠いところで起きていることではない。すでにこの国の経済を大きく脅かしている。今回の評価報告書は全米各州別に、産業分野別に気候変動から受ける影響を網羅したこれまでには無かった報告書だ。」と記者発表で語った。
この870ページの報告書は60人かなる専門委員会の下で300人の科学者が執筆し、一般の研究機関、大学、国の研究機関により幅広い監修を受けながら作られた。
オバマ大統領は記者発表の際に「アメリカ人は世界の2%であるが、世界の資源の25%を消費している。これは変えて行かねばならない。」と語っている。
この日ホワイトハウスは、全米のTVに出演している有名な「お天気キャスター」を全員集めて、オバマ大統領とのディスカッションを演出した。
全米各紙の論調は、全体的に低いトーンで冷たい。今、ワシントンでのもっぱらの話題は2012年のベンガジ事件でオバマ政権がゆすぶられており、思うように進まない国民皆保険制度からはじまり、若者の雇用問題、女性の地位向上問題、弱い外交など問題山積みで、第二次オバマの人気が地に落ちているのから、国民の目をそらすためにこの発表を賑々しく行って、11月に迫った中間選挙に備えていると言うような論調が目につく。
オバマ大統領によれば、現在彼はどのようにこの地球を次の世代に受け渡すかと言うことで頭がいっぱいで、家族と話しても、海外のリーダーと個人的に話すときももっぱら話題は地球温暖化だと言うが、もしそうだとすれば、先日の安倍首相との寿司屋での会見の話題にも出たはずであるが、まったく漏れ伝わってこないところを見ると、安倍首相には何の話か全く分からなかったのかも知れない。つまり、二人の間には対話など無かったという事か。 |