新聞の見出しに惑わされない事が肝要。
ブログ管理人
今日のメディアはトヨタの営業利益が2兆2921億円になり、東芝が3300億円の営業利益で過去最高とある。一方、電力会社は化石燃料の輸入コストが上昇して10社合計で1兆3540億円の損益を計上している。この両方の原因は円安にある。欧米の景気の持ち直しでドルとユーロに人気が戻り、その上日本銀行の円安誘導の為の超低金利政策で円安が続いているからである。
つまり、円安の効果の両面である。電力会社が損をした分は自動車メーカーと電気会社が儲けている。為替による損益の方向が変わっただけの話である。電力会社が言っているように原発が止まっているので、赤字が増えていると言うのは真っ赤なウソである。電力会社の赤字については小ブログの5月1日に詳しく書いたので、説明は略す。
要するにアベノミクスなどと言うたわごとは無かったのである。第一の矢も第二の矢も世そらごとに過ぎないので、もちろん第三の矢などあるわけもない。今日の新聞は、G7が脱ロシアのエネルギー政策で一致したとあるが、これもウソで、ドイツのメルケル首相はアメリカがシェールガスを欧州に供給できるようになるのは2020年以降で、それまではロシアから天然ガスの供給を受け続けなければならないと言っており、何も一致などしていない。
最近のメディアの出鱈目さ加減にはほとほと厭になる。海外支局や特派員を出して海外取材をしているメディアは少なく、ほとんどは通信社から外信を買っているが、その大手は共同通信と時事通信である。ロイター、AFPなどの外信もあるが、新聞社はこの2社を好んでニュースソースにしている。この2社のルーツはいずれも元は「日本電報通信社」現在の電通で、第二次大戦中まで、日本のスパイ機関「里見機関」として、中国にヘロインを密売して関東軍の資金調達や日本の傀儡政権であった満州国の汪兆銘(汪精衛)政権のバックをしていた里見甫が社長をしていた。新聞の外電は、電通のフィルターがかかっていると思った方が良い。
今は、インターネットと言う便利なものがあり、そこにはありとあらゆる情報がそれこそ玉石混合である。どれが正しく、どれが間違っているかを判断する事は簡単では無いが、情報は可能な限り川上まで遡って、できることならソースと言える情報源を自分の目で見て確かめることである。小ブログはその努力を続けているつもりである。もちろん、言語の壁は厚くブログ管理人の場合はソースが日英独以外だとお手上げとなる。しかし、その作業を積み重ねて行くことで、情報がどのように伝えられて行くものなのか、その構造が見えてきて、そのうち直観で解るようになってくる。そうする事で、自分が間違った情報に踊らされる事が少なくなると思う。NHK BSの国際ニュースも時には、思わぬ情報が漏れてくることが有り役に立つ。米国PBSも有用な情報を流している。
ドイツの環境学者エルンスト・ウルリッヒ・フォン・ワイツゼッカー博士のローマクラブ・レポート「ファクター5」の中で、彼はリーマンショックがエネルギー問題であったと言う仮説を立てて説いているが、なるほどと思わせる説得力である。「ファクター5」は明石書店から4,200円+税で絶賛発売中である。 |