CO2濃度が北半球のほぼ全地域で400ppm以上を記録
WMOのプレスリリースNo.991ジュネーブ2014-05-26
人類史上始まって以来はじめて北半球のほとんどの地点で大気中のCO2濃度が400ppmを突破した。
この400ppmと言う値は、地球温暖化の原因とされる温室効果ガス濃度が上昇した原因が、産業革命以来人類が燃やし続けてきた化石燃料によるものであるとする因果関係を科学的に証明する象徴的な値としてこれまで語られてきた。それが今回あっけなくそれも北半球のほとんどの地点で観測された。
北半球のほとんどの気象観測点はWMOのネットワークにオンラインされており、シーズン中の最高値がモニターされている。今回の最高濃度は、北半球の植物が光合成を活発化してCO2を吸収するシーズンの前に観測された値である。
世界のCO2濃度が400ppmを超えるのは、2015〜2016年と予測されていたがそれより約1年早く超えた。
「これはもしわれわれが、孫の世代に地球環境を少なくとも今の状態で引き継ぎたいと望んでいるのであるなら、これまで人類が受け取ってきた数々の警告を更に強調する目覚まし時計のアラームのようなものと受け止めるべきである。」とWMO事務局長のマイケル・ジャロウ(Michael Jarraud)氏は「時間はもうない」と語る。
WMOによると産業革命以前のCO2濃度の世界平均は278ppmで数万年を推移してきていたが、2012年には393ppmとなり産業革命以前と比べて141%となった。過去10年間は年に2%づつ上昇を続けている。
原文(英文)URL:http://www.wmo.int/pages/mediacentre/press_releases/pr_991_en.html
ドイツの環境学者で」ローマクラブの共同会長であるエルンスト・ウルリッヒ・フォン・ワイツゼッカー博士が33番目のローマクラブ・レポートとして著した「ファクター5」(明石書店刊、4,200円+税)は、我々の孫の為に気候と地球環境を守ろうとするのに、人は現在の豊かさを犠牲にする必要はないと言うことが書かれている。人類は繁栄を続けながら地球環境負荷は増やさない方法をすでに手に入れている事をこの本は説いている。 |