海洋の88%がプラスティック破片で覆われている――スペイン調査結果
All Voices.com 7月1日、Anne Sewellの記事から、
6月30日(月)スペイン国立研究評議会は、マラスピーナ遠征周航2010の調査結果を発表した中で、地球の全海洋面積の88%がプラスティックの破片で覆われており、生態系に深刻な影響を与えていると報告した。
この調査結果は調査船が全世界の141地点で網によって採取した海洋浮遊物を分析してまとめられたものである。研究者の試算によると、海洋に浮遊するプラスティックの総量は7,000〜35,000トンであるとしている。
今回の調査は、海面に浮遊しているプラスティックに限られ、水面下や海底に沈んでいるものは調査対象外となっている。
これらのプラスティック破片は、レジ袋、食品容器、家庭用品、玩具、その他の廃棄されたプラスティック製品が、波による摩擦と太陽光により破砕された結果であるとしている。
今回発表された結果は、2010年のものでありその後も対策が取られていないので、現状はもっと悪化しているものと思われる。
細かく砕かれたマイクロプラスティックと呼ばれる断片は、何らかの対策が取られないかぎり、今後数百年に渡って浮遊を続け、現在の88%は増加の一方を辿ることになる。
調査船の研究者でカディス大のアンドレス・コサール(Andres Cozar)氏によると、一見美しいと見える海でも網を引いてみるとマイクロプラスティックが掛かる。肉眼では全く判断できないとの事である。
ただし、今回の調査でマイクロプラスティックの総量が7,000〜35,000トンと推測されたが、これは前回1970年に行われた調査での推測値100万トンとはかけ離れているが、今回のサンプル数は3,000と多く、データの信頼性は格段に上がっており推測値の確度も高いとしている。
今回採取されたマイクロプラスティックの大きさは数ミクロンから数ミリまでであり、これらが生態系のに与えている影響についての研究が待たれるところである。
以上が、
原文(英文) URL: http://www.allvoices.com/contributed-news/17389058-study-plastic-debris-covers-88-of-ocean-surface
産業界では研磨剤に、化粧品のファンデーションとして、また美白洗顔剤として、ペイントなどの顔料として大量のマイクロプラスティックが製造されている。これらは使用後は排水として流されるが、浄水場の生物学的処理ではこれらのマイクロプラスティックは捕捉されない場合が多く、フィルターでも濾過されずに海洋まで流されているものと推測される。また新興工業国では全く処理されずに河川に工業廃水が垂れ流されている例は後を絶たない為に、プラスティック性研磨剤が投棄されていることが考えられる。
研磨剤や顔料に使用するプラスティックは生分解性のものに限定するなどの法的措置が必要と考えられる。早めに手を打たなければ取り返しのない事になる可能性がある。 |