クリーン・エネルギー・プロジェクトの記事――球体ガラスによる太陽光発電
ジョセフィン・レナート(Josephin Lehnert)のインタビュー
ドイツの建築家アンドレ・ブレーセル(Andre Brosel)氏は、球体形状をした太陽光発電ユニットで従来の平面形状の倍以上の発電効率を達成した。ブレーセル氏が特許を申請した「マイクロ・トラッキング・プロセス」は、同一光源から電力と熱エネルギーの両方を得る事が可能である。氏の経営するローレモン社は近日中にこの装置を使ったゼロエネルギー建築を発表する予定である。
ブレーセルさん、あなたの太陽光発電ユニットは大変に変わった形をしていますが、どのような特徴があるのでしょうか？
私たちは、住宅用の集光型太陽光発電装置を作ったのです。この装置は、太陽光を集める事でエネルギー密度を上げて発電効率を上げる事に成功しました。次の段階として、２軸の太陽追跡装置を球体形状レンズを使う事で実現しました。
もう少し説明してもらえませんか？
発電モジュールを球体レンズで作ったのです。プロトタイプは直径50mmのガラス玉を使いました。このシステムはスケールアップが可能ですので、今私たちは直径1.8mの球体レンズを開発中です。理論的には4.3mまで製造が可能です。その場合は、球体の中は水か、透明な液体で充填されます。この仕掛けはムシメガネと同じです。太陽光が集められたところに太陽光パネルが来るように２つの軸で支えられた仕掛けで動かすのです。これを動かすことで太陽の動きを追跡するのです。
どうしてこのアイデアが湧いたのですか？
ある時、ゆで卵が入れられたかごに一個のガラス球が入れられていたのです。そこに太陽光が当たっていた。かごの底にあたっている太陽光は集光されて強くなっていて、かごを動かすと集められた光の位置は変わりますが、光が集められているガラス球からの距離、つまり焦点は変わらないことに気が付いたのです。そのころ、建築設計で太陽光パネルの使用を考えていた私は、これを応用する事ができないかと考えたのです。住宅に設置する固定式の太陽光パネルでは、どうしても太陽の移動で効率が落ちてくるのです。パネル面を太陽にまっすぐ向けるのが最も発電量が大きくなります。ですから太陽が簡単に追跡できる方法を探していたのです。パネルが太陽に正対している時間は短く、その事で最大70%は効率が落ちています。
どのように太陽を追跡させるのですか？
先ほども言ったように、太陽光パネルは太陽に対して正対しているときに最大の出力(電圧)を発生します。小さなコンピュータが２つのモーターを回転させて太陽光パネルの出力が最大になるところを探します。
どの位効率が良いのでしょうか？
直径50mmのガラス玉は1�屬北�300個並べる事が出来ます。太陽光パネルは3層のものを使っています。この場合変換効率は43%に達し、これは従来の太陽光パネルの2倍に相当します。もちろん追跡装置が若干電力を消費しますが、それでも最終的に同一面積で倍以上の発電量が得られます。その上、この装置は透明ですので、天井のスカイライトに埋め込めば光は100%室内に入れることで昼間の照明電力を省エネできます。これまでの不透明な太陽光パネルではできなかったことです。
あなたの太陽光発電モジュールは天窓として使えるのですか？
その通りです。外観は球型をしているので、少し変わっていますが光は100%透過する窓として使えますし、透過する赤外線でお湯を沸かすことも可能です。このシステムを使う事で、ゼロエネルギー建築をつくることが可能です。現在私たちは、直径の大きな球体レンズに太陽光パネルと温水装置の両方を付けたハイブリッド型を開発中です。これを使えば、太陽エネルギーからの変換効率は50%まで向上します。
今後の開発の方向は？
今は携帯電話用充電器「ベータ・アイ」を製造販売しています。会社が有るスペインのバルセロナでは、電動バイクの数が増加しており、電動バイク用のチャージステーションが不足しています。1mのガラス球はこの用途にぴったりです。今後は太陽光発電事業にも進出して行く予定です。1.8m球型の開発も行っています。私の最終目標は建築用の発電装置ですが、これにはまだ少し事案が必要です。
有難うございました。
ビデオ(英語)URL:https://www.indiegogo.com/projects/rawlemon-solar-devices
原文(ドイツ語)URL:[url] http://www.cleanenergy-project.de/erneuerbare-energien/item/6218-solarstrom-aus-der-glaskugel[/url] |
ガラス球太陽光発電
