京都祇園祭がリユース食器を採用してゴミの減量
東京新聞2014年7月21日朝刊、環境と暮らしのページでおよそ次のような報告をしている。
環境団体、露天商組合、京都市などが本年実行委員会を組織して、短時間に大量に消費される使い捨て容器を減量することを目的に「祇園祭ごみゼロ大作戦」をはじめた。夜店や屋台約200店で、約20万食分の容器をリユース容器に切り替えた。32ヶ所のエコステーションで、ボランティアが食器回収とゴミ分別の案内をした。
祇園祭では昨年、3日間で71万人が訪れ約60トンのごみが発生した。京都大学環境科学センターの浅利美鈴助教らが行った調査によれば、紙、プラスチック製の容器が総重量の37%と最大であった。
全国44団体が加盟する「リユース食器ネットワーク」によると、リユースカップの場合、2.7回以上使えば、生産から廃棄までの水使用量、CO2排出などの環境負荷が紙コップを下回る。同事務局によると、野外の音楽イベントや学園祭などで貸出件数は増加していると言う。名古屋市は無料でカップや食器を貸し出しており、夏祭りや大学祭に昨年度15件の利用が有ったと言う。横浜市資源循環公社も実費で貸し出しており、同市神奈川区ではイベント使用時には貸出費用の助成を行っている。
以上が、東京新聞の記事からであるが、環境先進国ドイツでは、イベントでの食器類は全てリターナル容器である。陶器やガラス製の本格的な食器がリファンド方式で貸し出される。イベント会場でビールを注文すると、ビール代5ユーロにガラスビアジョッキ代金20ユーロの合計25ユーロを支払う。飲み終わったらジョッキを返すことで20ユーロが戻ってくる。
ドイツのスーパーの棚には、紙パックの牛乳は無い。リターナルのガラス瓶である。ビールは当然ガラス瓶である。ドイツではガラス容器は、茶色、透明、緑色の3色をそれぞれ別のコンテナで回収しており、その回収率は90%以上である。ドイツには資源リサイクル法が1972年に施行されて以来、毎年のように同法に改正が加えられ、よりシステマチックに資源回収が行われるように法整備が行われた結果、資源回収再生を行う企業が次々と生まれ企業競争が起きている。製品を容器に入れて販売するメーカーは、販売時点で回収コストを価格に上乗せすることになっており、その一部は資源回収企業に支払われるようなシステムになっている。ドイツで紙コップや発泡スチロールコップを見かける事はまず無いと言っても良いほどの徹底ぶりである。
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