2013年度版世界エネルギー効率ランキング――ACEEE発表
2014年7月17日、ACEEE
ACEEE(American Council for an Energy-Efficiency Economy)によると、2013年度は、ドイツのトップに続き、イタリア、EU、中国、フランスがトップ5となり、エネルギー効率のワールドカップもドイツの手に渡った。今回が第二回目となる世界経済先進国16のエネルギー効率ランキングが31のカテゴリーで採点され総合得点を比較して順位を決められた。今回新たにランクインした国々は、インド、メキシコ、韓国、スペインであった。日本は6位、米国は13位であったが、新たに導入されたEPAによる既存の石炭発電所に課せられたCO2排出量の上限が来年のランキングには大きく効いてくると予想されている。
16の経済先進国とはABC順でオーストラリア、ブラジル、カナダ、中国、フランス、ドイツ、インド、イタリア、日本、メキシコ、ロシア、韓国、スペイン、英国、米国を指すが、これらの国で世界のGDPの81%を占め、エネルギーの71%を消費している。
今回の順位は(1)ドイツ、(2)イタリア、(3)EU、(4)中国、(4)フランス、(6)日本、(6)英国、(8)スペイン、(9)カナダ、(10)オーストラリア、(11)インド、(12)韓国、(13)米国、(14)ロシア、(15)ブラジル、(16)メキシコとなっている。
ACEEEの調査は4グループ、31のカテゴリー別に評価が環境負荷がもっとも大きいとされる建築、重工業、交通の三分野において行われた。分野別では3分野総合ではEU、フランス、イタリアがタイでトップとなり、建築分野では中国、重工業ではドイツ、交通ではイタリアがトップであった。
ACEEE理事のスティーブン・ナーデル(Steven Nadel)氏によると、ドイツは国策としてエネルギー効率を最優先に取り扱っている。米国は対策の検討に時間が掛かり過ぎた為にその効果の表れが遅い。ドイツ総領事のフィリップ・アッカーマン(Philipp Ackermann)博士は「今回ドイツが1位に選ばれた事は、ドイツが低炭素社会への変革を目指して行ってきた結果が表れたものと喜んでいる。これを機にさらに努力を続けて行きたい。エネルギー効率はドイツの変革の再生可能エネルギーと同様に重要な2つ目の柱であり、使われなかったすべてのキロワットは化石燃料の使用が減った事になる。」とドイツが今後も省エネに力を入れて行くとしている。
米国がエネルギー効率の向上にかなりの実績を上げているのに関わらず、国全体としてスコアが振るわなかった理由は、同じ売り上げを上げるのに使われる資源とエネルギーの量が他の国に比較して多いことにある。米国のエネルギー効率スコアは42であったが、これはトップに較べると23ポイント引き離されている。カナダ、オーストラリア、インド、韓国にも抜かれているのは、これらの国がより少ない資源とエネルギーの消費で米国より売り上げを上げていることにある。<以下略>
安倍政権になってからというもの、売り上げの増加の為にはCO2の排出が増えるのには構っていられないとばかりに、CO2排出目標も白紙にして経済成長を目指している日本が来年は6位から転落する事はまず間違いない。エネルギーと資源の削減と経済発展が両立できることをドイツが示していることは、安倍政権には目に入らないらしい。
原文URL: http://www.aceee.org/press/2014/07/germany-italy-eu-china-and-france-to |