ダンテの森    
04 Apr 2016   05:57:29 pm
連立少数党のあり方
戦後ドイツ政治の歴史を大きく動かした少数政党FDPの党首
故ハンス=ディートリッヒ・ゲンシャー

ブログ管理人

 故ハンス=ディートリッヒ・ゲンシャー(Hans-Dietrich Genscher)氏が去る3月31日に逝去した。彼の生前の功績を讃えご冥福をお祈りいたします。享年89歳であった。ドイツでは国葬を執り行うとしている。

 ゲンシャー氏と言えば長年ドイツの副首相兼外相として東西冷戦の前線であったドイツの欧州内での地位の向上と東西冷戦の終結に政治生命を賭け東西ドイツ統合の悲願を達した立役者であった。

 1969年ドイツ自民党(FDP)は議会第一党であったドイツ国民に絶大的な人気があったウィリー・ブラント率いるドイツ社民党(SPD)と連立政権を樹立し、ゲンシャーは内務大臣として入閣した。1972年のミュンヘン・オリンピック事件の収拾で手腕を発揮し、結果は死者を多数出す結果となったが、その責任感と指導力は国民の評価を得た。

 1974年にシュミット率いるSPDとの連立で自らは副首相兼外相としさらに3人の閣僚をFDPから出している。1980年の連立政権で予算編成において、ばらまき型のSPD予算に反対し、4閣僚は辞任、国会では野党第一党のヘルムート・コール率いるCDU/CSUの内閣不信任に賛成票を投じ、シュミットを辞任に追い込みすぐさまCDU/CSUとFDPは連立内閣を作りコールを首相にFDPはゲンシャーを副首相兼外相他3閣僚を入閣させた。これはFDPの支持者の一部には不評で次の1983年の選挙では議席を大幅に減らしている。

 1984年に欧米の閣僚としては初めて革命後のイランを訪問し、いち早くイランと欧州の関係の改善につとめた。1991年にはEU内の合意が無いままクロアチアとスロベニアの独立を認めドイツ独自の外交を進めている。

 東西冷戦に終止符を打つ外交を欧州のリーダーシップをとって積極的に進め、ポーランドのワレサ議長の後ろ盾となって応援をした。悲願であった東西ドイツの統合後、旧東ドイツ国民の受け入れのための数々の困難にいや気がさしたドイツ国民から、東西統一を推進したFDPへの風当たりは強く党勢は著しく後退した。

 1997年に健康上の理由で引退したが、18年間と言う長期にわたる外相は先進国中最長である。長年連立政権で組んだCDUのコールは引退後も自伝やインタビューでゲンシャーを褒めているが、ゲンシャーがコールについて触れる事は無かった。

 連立政権にあっては少数党といえどもその力は大きい。1998年にはFDPに代わって緑の党が連立少数党としてSPDと連立を組んでいるが、やはり党首の
ヨシュカ・フィッシャーは副首相兼外相のポストと他に2人の閣僚を入閣させている。

 ドイツ議会は議席数650程度で、第一党は常に過半数に少し満たない300前後で、連立少数党は40議席前後である。キャスティング・ボートを握っているのでその立場は強いので、重要閣僚のポストを取っている。また、連立協約は数千ページにも及ぶために選挙が終わった後も連立交渉に数カ月かかることは珍しくない。日本の連立協約はわずか数ページだと言われており少数党は多数党の言うなりになっているとの感を持つ。

 日本の公明党は途中民主党政権時代の3年を除いて13年間自民党と連立を組んでいるが、閣僚は一人しか出せていないし発言権を持っているとは言えない。民主党政権と連立を組んでいたなら公明党の地位は相当に上がったと思う。まだまだ日本の議会制民主主義は熟成が足りない感じを持つのはブログ管理人だけだろうか。

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02 Apr 2016   03:21:49 pm
文の力を見せつけられた
保育園落ちた日本死ね!はマスコミが取り上げ、政治も動かした。
ブログ管理人

話題となり実際に政治が動き、保育士の待遇改善や保育所の待機児童削減への動きをはじめている。この全文をまずお読みいただきたい。

2016-02-15
■保育園落ちた日本死ね!!!
何なんだよ日本。
一億総活躍社会じゃねーのかよ。
昨日見事に保育園落ちたわ。
どうすんだよ私活躍出来ねーじゃねーか。
子供を産んで子育てして社会に出て働いて税金納めてやるって言ってるのに日本は何が不満なんだ?
何が少子化だよクソ。
子供産んだはいいけど希望通りに保育園に預けるのほぼ無理だからwって言ってて子供産むやつなんかいねーよ。
不倫してもいいし賄賂受け取るのもどうでもいいから保育園増やせよ。
オリンピックで何百億円無駄に使ってんだよ。
エンブレムとかどうでもいいから保育園作れよ。
有名なデザイナーに払う金あるなら保育園作れよ。
どうすんだよ会社やめなくちゃならねーだろ。
ふざけんな日本。
保育園増やせないなら児童手当20万にしろよ。
保育園も増やせないし児童手当も数千円しか払えないけど少子化なんとかしたいんだよねーってそんなムシのいい話あるかよボケ。
国が子供産ませないでどうすんだよ。
金があれば子供産むってやつがゴマンといるんだから取り敢えず金出すか子供にかかる費用全てを無償にしろよ。
不倫したり賄賂受け取ったりウチワ作ってるやつ見繕って国会議員を半分位クビにすりゃ財源作れるだろ。
まじいい加減にしろ日本。

 3月4日付けの朝日新聞によると、これを書いてツイッターに投稿したのは30歳半ばの女性でご主人と1歳の坊やの三人暮らしだと言う。正社員で一年間の育児休暇ののち職場復帰をしようと思ったが保育園に落ちたためにそれができなくなりこのツイッターとなった。このツイートは3000回以上リツイートされたと言うから、同じ思いの人が多くいたと言うことだろう。

 それにつけてもブログ管理人が思うことは、いまさらながら文の底知れぬ力である。この文を読むと確かに書き手の憤懣やり方ない憤りがダイレクトに伝わってくる。今風の言葉遣いとリズム感は正にヒップホップである。現代アメリカを代表する音楽と言えばヒップホップであり、日本のポップスにも多大な影響を与えている。ヒップホップは元来アメリカの下層階級に渦巻く怒りをリズム感のある言葉で紡いだもので、この内容にぴったりと合う。

 もし、このツイートが普通の文章で書かれていたとしたらまず見向きもされず、マスコミにも取り上げられることもなかっただろう。恐らく同様の意味の書き込みはそれこそゴマンとあるはずである。また、厚労省や地方自治体の窓口には同様の苦情は山と積みあがっているはずである。国会議員や有識者の先生方はこの文のハシタナサを非難するが、それゆえに取り上げられていることに気付いていない。

 地球環境を破壊してきたのは人類が始めた消費経済に他ならない。産業革命以降150年間徐々に上昇をし続けてきた大気中のCO2濃度は1950年を境に急角度にその上昇の度合いを増す。消費経済が台頭したからである。消費経済を大きくけん引したものは広告である。広告は、短いキャッチコピーと周到に考えられた文章とビジュアルで構成されている。広告は消費者に本来必要がないと思っていたものを買わせることを目的に作られている。短い言葉で消費者をその気にさせる力を持っている。広告は言葉で人の心をうごかす。

 環境保護の広告やコピーも数多くある。国連・政府・公共団体や環境保護団体がポスターやTVスポットなどを作って流している。しかしそのどれもが教育的であり、受け取り手から見ると「上から目線」に見えて心に訴えるものが少ないのではないか。一人の母親が子供を育てながら社会で活躍しようとしていたものがぶち壊された思いをストレートに表現した「保育園落ちた日本死ね!」と同じように、地球を破壊し続ける経済社会に対して抱く憤懣やり方ない思いと地球環境を母親のように慈しむ気持ちをダイレクトに表現できるような文が書けない自分が情けない。

 文章には底知れない力がある。地球環境を壊すほどの消費経済をけん引してきたことがそれを証明している。地球環境を守る為には文章の力は欠かせない。いまこそ文学の出番である。
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01 Apr 2016   08:47:48 pm
原発の安全対策のウソ
何がなんでも再稼働させる気の自公政権――経済第一・安全第二
ブログ管理人

 昨日のニュースに浜岡原発の防波堤の両端の部分の盛り土工事が完成したとあった。中部電力浜岡原発(静岡県御前崎市)は2014年2月に4号機、2015年6月に3号機の再稼働申請を原子力規制委員会に出している。

 まず皆様には2011年3月11日の東日本大震災の時の釜石港の写真を見てもらいたい。

 一番目の写真は、当時世界最強と言われギネスブックにも登録された釜石港防潮堤の写真である。全長1960m水深63m海抜5.6mで、1896年の明治三陸沖地震、1933年の昭和三陸地震、1960年チリ地震による津波被害から釜石市のマイナス4m地帯を守る目的で1500億円を掛けて建設された。写真で分かるように幅は平均で20mもある堂々たるものであった。

 しかし、二番目の写真はその巨大なコンクリートの塊は津波の前には難なく根こそぎ流されてしまっているところである。この時の衝撃はジャンボジェット機250機が時速1000kmで突っ込んできたのと同じであったと言う。人類が築ける最大限のコンクリート建築物もなんなく砕く自然災害の力は、科学者と技術者がスーパーコンピュータを駆使しても想像できなかったとすれば、我々の知力の限界であったのであろう。

 三枚目の写真は浜岡原発の防波堤の写真である。まるでふすまを立てたような薄っぺらな防波堤である。厚さは2mしかない。ジャンボジェットで無くとも小さなセスナ機でも突破できそうな壁である。さらにエイプリールフールなみのジョークは、昨年8月に出された新基準に合わせるためにもともと18mだった高さを4mかさ上げしている。このかさ上げ部分たるやまるでブロック塀である。大きなハンマーでなら壊せそうだ。これで津波の巨大なエネルギーをどうやって防ぐと言うのだろうか。これを、設計し構造計算しシミュレーションした技術者はきちんと説明ができるのであろうか。大手の建設業者が行ったものであろうが、中部電力の予算に合わせて作ったもののように見える。浜岡原発は津波対策に1500億円掛けたので万全だと言っているらしい。

 この素人目にも薄っぺらで頼りなさそうに見える防波堤で22mの津波に対処できると原子力規制委員会が判断を下し、再稼働に許可を出すことになるのが安倍政権におけるこれまでの前例である。そして事がいったん起きると想定外であったと逃げる。経済第一・安全第二がこの政権のモットーである。安倍氏は何度も「経済成長、これしかない!」と叫んでいる。これしかない!と言う人は危ない。

 御前崎市の市民の皆さまには誠にお気の毒であるが、東海沖大地震が来たらこの原発はまず無事には終わらないことを知るべきだ。直ちに廃炉処分を始めるべきである。廃炉工事は4〜50年間は掛かる巨大なプロジェクトになるので十分地元への経済効果も見込める。その間に、別の原発以外の産業を見つけることも可能になろう。
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29 Mar 2016   02:58:35 pm
エネルギー革命
信念と希望、そしてエネルギー革命 (オリジナルは英文)
自然エネルギー財団のホームページからの転載

2016年3月28日 
スティーブ・ソーヤー 世界風力エネルギー会議(GWEC)事務局長
(2016年2月10日付ハフィントンポストGreen Energyから)

 この30年間、地球温暖化防止のために自然エネルギー革命をめざす闘いを続けてきた。それが人類の究極の利益につながるという信念と、自分たち自身を解放する手段になるという望みに突き動かされてきたのだ。2004年の秋にロシア下院が京都議定書批准法案を可決し、京都議定書が発効したときには、希望の光が差したと感じ、仲間とウォッカで何杯も祝杯をあげた。そのときは、結局期待どおりにはならなかったが、しかし、今回のパリ協定の締結を迎え、自然エネルギー産業による最新の統計でもいい数字が出てきている。もう技術は準備万端のようだ。今、問われているのは私たちの意志なのだ。

 化石燃料価格が急落したにもかかわらず、2015年の自然エネルギーへの投資は史上最高の3,290億ドルに達した。米国、中国(3年連続)、EU (9年連続)の各国で、自然エネルギーの新規導入量は、従来型エネルギー源の導入量を上回った。なかでも新規導入が最も多かったのは風力だ。

 2015年、世界の風力発電の新規導入量は、中国の30,500 MW(3,050万kW)という驚異的な導入量に後押しされて、総計63,013 MW(6,301.3万kW)となった。市場は年間で22%成長したことになる。米国市場は第4四半期の力強い急成長を背景に8.6 GW(8.6百万kW)に達した。ドイツ、欧州市場の予想を上回る成長を牽引した。ドイツでは、2.3 GW(2.3百万kW)の洋上風力発電を含む6 GW(6百万kW)が導入され、史上最高となった。

 2015年末時点の世界の風力発電の累積導入量は、432,412 MW(4億3,241.2万kW)に達し、成長率17%となった。

  2015年の並外れた市場の成長で、中国の総導入量は145.1 GW(1億4,510万kW)となり、EUの141.6 GW(1億4,160万kW)をわずかに上回った。中国政府は、クリーンエネルギー推進のために政策の改善を重ねているが、その背景には、主要都市が殺人的なスモッグで苦しみ、石炭への依存を軽減する必要性と気候変動への懸念が高まったことがある。アジアでは、インドも2,623 MW(262.3万kW)という素晴らしい新規導入量を記録し、累積導入量ベースでスペインを抜いて4位となった。

 風力は価格、効率および信頼性の競争で圧倒的な勝利を収め、化石燃料からのエネルギー転換で中心的な役割を果たしている。風力はほとんどの主要電力市場で既に優位を占めているが、アフリカ、アジア、中南米の全域でも新たな市場が次々とできつつある。これらの地域が、今後10年間、市場を牽引する新たなリーダーになるだろう。風力タービンの形状を調整することで、風力発電が競争力を持てる地域が劇的に拡大したのだ。

 2015年の投資額の増加が比較的穏やかだったのには、風力・太陽光発電コストの急激な低下が、実はその一因にある。太陽光の価格の劇的な低下は周知のとおりだが、風力発電のコストも大幅に低下している。例えば米国では、この6年間で三分の二も低下している。現在、オーストラリア、ブラジル、南アフリカ、トルコ、米国の大半、中国の一部およびアフリカのほぼ全域など多くの市場で、風力は新規導入ベースで最もコストの低い発電方法となっている。モロッコの850 MW(85万kW)のプロジェクトをめぐる最近の取引では、平均価格が0.03ドル/kWh(0.028ユーロ/kWh)となり、モロッコ政府高官は「石炭の価格をゼロと仮定しても、新設の石炭火力発電所より風力の方がコストが安い」と指摘している。

 昨年、発展途上国や新興国の風力導入量はOECD諸国を60%近く上回り、2010年以降顕著になっているトレンドをさらに継続させ、加速させることになった。この牽引役が、中国、インド、ブラジルであることは言うまでもないが、それ以外にも、たとえばウルグアイのような国も一役買っている。ウルグアイでは風力発電がすでに25%以上に達しており、今後2、3年のうちに自然エネルギー100%という目標を達成できる可能性が高い。

 太陽光発電も急激に伸びている。最終的な数字はこれから出るが、導入量は世界全体で初めて50 GW(50百万kW)を超える可能性が高い。世界中の主だったシナリオは、今後、電力部門の新規導入量では風力と太陽光が優位を占めるだろうと一致している。風力と太陽光は、二酸化炭素を排出しないだけでなく、運転時に水を消費せず、エネルギー安全保障と経済の安定に貢献し、新たな産業と数百万の雇用を生み、発展途上国の巨大都市で数百万という命を奪っている息が詰まるスモッグを減らすからである。

 こうして電力部門における「炭素戦争」に勝利を収めつつある今、エネルギー効率にさらに注目する必要がある。「消費されない」エネルギーが最も低コストだからだ。また、熱や運輸部門にもさらに注目するべきだ。将来、電力が風力と太陽光で賄われるようになれば、熱供給や輸送も、電力への依存をますます高めると予想されるからだ。

 エネルギー革命、万歳!

原文URL: http://jref.or.jp/column/column_20160328.php
カテゴリー : 他メディアより | Posted By : dantesforest |
16 Mar 2016   10:31:55 pm
次期戦闘機の不思議
次期戦闘機F35Aは稀代の“クズ戦闘機”のようです。
ブログ管理人

 当ブログは主に環境問題を中心に扱っているが、戦争は環境破壊の最たるものと言う考え方から戦争には反対の立場で、軍備の拡張についても一人でも多くの人に知ってもらいたいと思い取り上げている。


 最近のニュースで自衛隊に次期戦闘機F35と言うのが導入されると知り、少しネットで調べて見たらマスコミでは騒がれていない事がいろいろあるので報告する。

 このF35Aは米国ロッキードマーティン社製で、米国統合打撃戦闘機計画(JSF)に基づいて作られた第五世代ステルス戦闘機で、プロトタイプのX-35は2000年に初飛行、F35Aは2006年に検証機が飛んだ。2015年から米国海兵隊に実戦配備され日本には4機が納入された。一機96億円で384億円で購入されている。航空自衛隊では後38機を配備する予定で、今後はFMS(Foreign Military Salesこれがなぜか有償援助調達と訳されている)と呼ばれる現地組み立て方式で三菱重工が最終組み立てを行い、エンジンはIHIが組み立て、三菱電機がレーダーを作ることになっており防衛省によるとこれを行うことで今後の日本の防衛産業の為になるとのことであるが、実際には部品は全てブラックボックスで送られてきて中身は分からないので、日本の産業はプラモデルを組み立てるように作業をするだけで、どれだけ技術移転が行われるかは不明である。日本で組み立てる事で一機当たりのコストは181億円に跳ね上がり、38機で6,878億円の血税が使われる。それ以外に防衛省から上記の三社に対し、F35用の設備投資費として1,480億円が支払われている。

 F35Aの売りの一番はそのステルス(まるで忍者のように敵のレーダーなどに発見されにくい)性能である。自衛隊は本来専守防衛であったので、敵陣深く入り込む必要は無くそんな性能は必要なかったが、集団的自衛権を実行するにあたり自国の制空権の及ばない敵地深く入りこむ為にステルス性能が必要と言うことなのか、これは政府の説明していた自衛権行使の枠をはみ出すことを予測してのことと考えるべきであろう。F35Aの導入そのものが野党もマスコミも騒がないまま正に“粛々”と進められたことに強い違和感を覚える。

 英国の軍事評論家で米英合同の次期戦闘機開発プロジェクトに加わっていたピエール・スプレイ(Pierre Sprey)氏によると、F35は空軍、海兵隊、海軍全てのニーズを叶えた上、戦闘機、戦略攻撃機、爆撃機と言う三つの異なった用途を全て実行できるものとした為に全く役に立たない複合用途の“クズ戦闘機”になったと言い放っている。ステルス性能を上げるためにこれまで外に有った、予備燃料タンク、ミサイルランチャー、爆弾を全て機内に格納した為に胴体が異常に太くなってしまった。そのために速度を上げるには翼の面積を小さくする必要が出てきて機の安定が悪く、回転性能が悪いので、ドッグファイトには不向きである。翼が小さいために低空を低速で飛ぶことはできないので、味方の地上軍の援護には使えない。その上、爆弾ランチャーを露出する為にゲートを開ける時には速度をマッハ1以下にしなければならず、ゲートを開いている間はステルス性能が落ち敵機の的になりやすい。つまり、戦闘機として敵機と闘うドッグファイトには向いておらず、味方の地上軍の援護には適さず、爆撃任務には援護機の支援が必要となる。ピエール・スプレイ氏によるとF35は実戦配備されるとほどなくその無能さが判明し、さほど時間をかけることなく生産中止に追い込まれるだろうとのことである。

 それではなぜそんな“クズ戦闘機”が米国、英国、イタリア、イスラエル、オーストラリア、オランダ、トルコ、日本が次期戦闘機として購入を決定したのか。カナダはトルードー政権が2010年に65機を発注し2016年からFMS生産に入る予定であったが、議会の反対でキャンセルされている。早々と131機を購入することを決めたベルルスコーニ政権時のイタリアは、不調で有ったフィアットを中心とするイタリア航空機産業をFMSによりテコ入れするのが目的であったと思われます。

 カナダのトルードー首相も2010年の議会の夏休み中に電撃発表を行った時に、この史上最大の金額のF35プロジェクトに参加することはカナダ航空機産業にとってひいてはカナダ産業界にとって大きなチャンスであると強調していました。当時のカナダの野党議員は、カナダは広い国土を守る戦闘機は必要だが、敵陣に侵入するステルス爆撃機など必要ないと言っていました。

 F35にはF35Aと言う基本形の他に、F35Bと言うSTOL(短距離離陸、垂直着陸機)と、F35Cと言う空母艦載機があります。これらが全て一つの機体で達成される正にマルチパーパス機なのですが、その為全ての性能が劣っておりおよそ実戦には向ておらず、ただただ高いだけの“クズ戦闘機”なのです。

つまり、F35を導入するのはその巨額な金額が魅力なようです。つまり国家予算をつぎ込んで、米国と同時に自国の産業にも国家予算をばら撒くシステムがF35のようです。こんごカナダのようにキャンセルをしてくる国が増えるとロッキード・マーチン社と米国政府は開発費を回収するために価格をさらに吊り上げることが予想されますが、日本が米国追従を続ける限り1機が300億円になっても買い続けることでしょう。それが米国と三菱重工、IHI、三菱電機を助けることになるからです。

 このように産軍複合体により国際的に仕組まれた金集めの仕掛けを暴くのが本来のマスコミの仕事であり、野党の国会議員の仕事であるべきであると思います。また自民と連立を組んでいる公明党が今でも「平和の党」を任じるのであれば、専守防衛には不必要なF35Aの導入に反対をするべきであると思います。

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