ダンテの森    
31 Mar 2012   07:18:31 am
環境問題は厄介
人類が犯した大きな間違い。

 環境問題と言うのは厄介な問題であるとの認識が世の中にはびこっている。技術革新を全て止めて中世の生活に戻すのかとかいうレトリックは40年も使われているが、これは間違いである。

 我々人類は過去に狩猟中心の生活から農耕に移った事で土地利用を100倍にした。つまり同じ面積の土地で100倍の人口を養えるようになった。100倍の食糧を土地から得られるようになったが、そこで人類が起こした間違いは自然には何も返す事をしなかったことである。

 森を焼きはらって耕地を作り作物が取れなくなるほど土地が痩せると、次の森を焼き払うだけで森をもとに戻すことをしなかった事から間違いが始まった。

 そして産業革命が起きた。William Stanley Jevonsは150年前に、その時から70年前を振り返ってJames Wattの蒸気機関は石炭の効率を4倍にした素晴らしい発明であったと褒め称えた。しかしその時、この発明により石炭の消費は減るどころか10倍以上に跳ね上がっていた。James Wattの発明は効率アップと言うより消費社会への招待であったのである。そしてこの考えが今日まで続いている。

 環境問題と言うと、進歩にブレーキをかける障害に他ならないとの考えがぬぐい去れないが、消費の増大がそもそも進歩と言えるものだろうか。

 ところで、再生可能エネルギーを推進する人達にもこの考えから抜け出せない人達が多くいる事は大変残念なことである。

 もし、我々がエネルギー効率を上げる努力をしてもその効率が上がった分は別の消費が増えると言うこれまでのパターンを続けるのであれば今後も人類は自然環境には何もお返しをしないと言う事になってしまう。

 かつてロナルド・レーガンがやったように環境問題には目をつむって消費は拡大させることは市場には歓迎されるかもしれないが、これは絶対に繰り返してはならない。彼の政権の環境大臣James Watt氏は環境を守るどころか自然から最大限取り出せるものは取り出すべきであるとの考えで市場から歓迎された。

 だから環境問題は火急の最重要課題なのだ。

カテゴリー : Factor Five | Posted By : dantesforest |
30 Mar 2012   05:41:34 am
研究所の省エネ
紺屋の白袴―意外に遅れている研究所の省エネ

 今日の研究施設、特に自然科学分野の研究施設のエネルギー消費は高く一般の事務所棟に較べて時には100倍もの消費をするものも有る。その上、研究施設の省エネは遅れており僅かに2%程度である。

 アメリカ、カリフォルニア州のローレンス・バークレイ国立研究所(LBNL, Lawrence Berkeley National Laboraory)の省エネ・プロジェクトチームによると、自然科学分野の研究施設の省エネは、現在の快適性と安全性を損なうことなくファクター5(80%)が達成可能であるとしている。

 LBNLが2006年に完成した6層8800平方メートル、建設費75億円の鉄骨とガラス構造で熱反射性屋根の分子工学研究棟はLEEDゴールド認定を受けている。(LEED認定については2011/11/25を参照) 同棟は同等の研究を行う他の施設に較べ85%の省エネを達成した上で、再生可能エネルギー電力と契約した事でゼロエミッション(排出ガスゼロ)を達成した。

 LBNL全体としては自らが開発した省エネ技術を実際に自ら応用する事で省エネを進めるプロジェクトを推進している。2009年からはオバマ政権が国営施設が率先して省エネを図るべきとの方針を出したのを受け、省エネ、廃棄物の減少、水資源の節約が徹底して行われた結果、年間5%の省エネが推進された。その結果として2010年には6万トンのGHG(地球温暖化ガス)の排出を低減した。

 LBNLは4200人の研究者を擁し過去に12人のノーベル賞受賞者を出している。

 LBNLのホームページのURL(英語のみ)は次の通り。
http://www.lbl.gov/

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29 Mar 2012   05:39:44 am
HVACの省エネ
建物の省エネはまずデザインと構造から

 世界のGHG(地球温暖化ガス)排出の40%は建築物からである。

 HVAC(Heat Ventilation and Air Conditioning暖冷房と換気)装置が消費する電力はアメリカでは30%、欧州では56%、中国では61%となっている。

 HVACが消費する電力は建築物の設計時に太陽光の入射角度と方角、建築物の大気との接触面積の最小化が図られたデザイン、室内の空気の流れを考慮した設計、外断熱工法等、いわゆるパッシブハウスの設計をする事でファクター5、80%の省エネが可能である。

 窓ガラスに赤外線のみを反射するフィルムを貼る事で70%の太陽光熱をカットできる。(2011年8月16日参照)

 暑い地域では屋根を白くペイントする事で10℃の温度差が確認されている。

 昼間は気温が高くても夜間には大気の温度が下がる地域では、夜間に大気を取り入れて建築物全体を冷やすことで翌日の日中に備える事ができ、日中の冷房の運転時間を短縮できる。

 第一には省エネする事を考え、どうしても足りない分を暖冷房に頼ると言う考え方が重要である。建築物の構造には手を下さずに、太陽光パネルやヒートポンプで再生可能エネルギーを作り出す事を先に考えるのは本末転倒である。
カテゴリー : Factor Five | Posted By : dantesforest |
28 Mar 2012   10:44:50 am
車を使わない都市
徒歩と自転車で市民はより健康に

 車を使わない都市づくりが都市における持続可能性社会のキーとなる。

 カナダの人口62万人のバンクーバー市は2009年に世界で最もグリーンな都市に選ばれた。

 Greenwayと名付けられた道路網が整備され、市民は殆どの用事を徒歩で片づけられるように計画されている。歩道はサイクルパス(自転車道)とは植樹で分離され歩きやすく、沿道には市民の美術作品が展示され歩く人の目を楽しませる。ロータリーには小公園がしつらえられ休息もとれる。信号は歩行者優先で制御されている。行き先案内版が整備され道に迷うことも無い。

 市の調査によると、30分の歩行で殆どの用が足せる都市計画が効を奏し、市民の移動の17%が徒歩で行われ、これは一日30万回である。市の中心部では移動手段の27%が徒歩で有る。

 市は徒歩では遠い距離には自転車を使う事を勧めている。その為市はサイクルパスの整備を進めている。サイクルパスは車道と歩道からは植樹やプランターで分離されている。2009年現在で総延長400kmのサイクルパスが整備された。2010年に市内中心部で行われた調査によると市内での移動手段の内訳は、徒歩44%、公共交通機関27%、自動車22%、自転車7%となっている。因みにサイクルパスは道路面積の1%でしか無い。

 徒歩と自転車の使用率の増加と共に市民の疾病率は下がっていると報告されている。

 是非とも東北の沿岸都市部の復興計画に当ってはグリーンな都市計画が実施できる最大の機会と受け止めて政策立案者は車を使わない持続可能性都市を計画してもらいたい。

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27 Mar 2012   07:32:41 pm
代エネより省エネを
東京ガスのプロジェクトは太陽光利用のアクティブハウスだ

環境ビジネス 2012/03/15 より

 東京ガスは、経済産業省が推進する「次世代エネルギー・社会システム実証事業」の一つである「横浜市スマートシティプロジェクト」の一環として、集合住宅版スマートハウス実証試験を4月から開始すると発表した。

 本実証試験では、東京ガスの社宅として、横浜市磯子区に新たに地下1階・地上4階建ての集合住宅(24戸)を建設。この集合住宅に、家庭用燃料電池「エネファーム」、太陽熱利用ガス温水システム「SOLAMO(ソラモ)」、太陽光発電装置等の分散型エネルギーシステムを最大限に導入し、かつ住棟全体で熱・電気を融通することで、低炭素化と可能な限りのゼロ・エネルギー化を目指す。初年度は、同等の標準的な集合住宅と比較して約4割の一次エネルギー削減と約3割のCO2削減を見込む。(以下略)

 以上は環境ビジネス(kankyo-business.jp)からの引用(図も)であるが、この記事を読む限り住宅そのものの断熱や構造がパッシブハウスになっているかどうかは分からないが、その設備と期待される効果の値を見る限りパッシブハウスでは無い。エネルギー消費をいかに減らすかの観点に欠けるプロジェクトでファクター5が目指すものとは異なる。なぜエネルギーの消費量を下げる事は考えずに、再生可能エネルギーへの置き換えしか考えないのか、やはりこの業界も経産省も消費の縮小には消極的だと感じる。
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