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06 Jan 2012 06:04:40 am |
小売業の省エネ |
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ウォールマートの省エネ目標のその後
昨日書いたウォールマートがコミットした目標が現在どのように進んでいるのか同社の最新のホームページからその一部を紹介する。
カナダに2010年11月にオープンしたバルザック魚介類処理センターでは、水素を使った燃料電池で稼働するフォークリフトの採用、太陽電池発電により、40万平方フィート(約3万7千平米)の施設で従来方式に較べ60%の省エネを達成した。これにより年間500万ドル(約3億5千万円)の電力料金を節約する。
ウォールマート傘下の英国の小売りチェーンASDAは電気機器への供給電圧を下げたり、効率の良い機器に交換するなどの技術的アプローチに加え、従業員への徹底した省エネ教育により2005年に較べ42%の省エネを達成した。
中央アメリカでは2010年に域内350ストアの駐車場照明をLEDに交換する事で50%の省エネを達成、これはGHG(地球温暖化ガス)CO2換算で540トンに匹敵し、年間41万ドル(2900万円)の電力料金を節約した。
2011年中にアリゾナ、カリフォルニア、プエルトリコで合計35の太陽電池発電プロジェクトが完成した。内8か所は最先端に薄膜太陽セルを使用した。カリフォルニアでは7つの燃料電池発電が稼働している。全米の多数のストアで駐車場照明の電源としてマイクロ風力タービンが導入されている。
テキサスではデューク風力発電会社と電力供給契約を結んで2年目となった。テキサス350ストアの電力需要の15%を供給している。これは13万9千トンのGHGに匹敵し、25000台の自動車あるいは2万世帯の家庭のCO2排出量に相当する。
ウォールマートは目標に掲げた100%再生可能エネルギーへ着実に進んでいるとしている。
報告書(英文)のURLは
http://walmartstores.com/sites/ResponsibilityReport/2011/default.aspx
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カテゴリー : 他メディアより |
Posted By : dantesforest |
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05 Jan 2012 01:15:36 pm |
企業の社会的責任 |
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世界最大の小売りチェーンWal-Martの取り組み
環境問題をCSR(Corporate Social Responsibility = 企業の社会的責任)として取り組む動きが有る事は喜ばしい事である。
ファクター5ではアメリカ最大の小売りチェーンWal-Mart(日本では西友チェーン)を取り上げている。
アメリカの小売りチェーンと言うと持続可能社会の反対極に有るようなイメージを持つ人が多いと思う。しかし、世界に9667の店舗を展開し210万人の従業員を擁し4190億ドル(約30兆円)を売り上げる小売チェーンとなっており自ずとその社会的責任は大きい。昨年ぼくが1カ月過ごしたテネシー州の田舎町での生活はウォールマートを抜きには考えらなくなってしまっていた。
2005年にウォ―ルマートCEOのリー・スコット氏は3つの目標を掲げた。
1. 電気は100%再生可能エネルギーを使用する。
2. ゴミゼロを目指す。
3. 資源保護と環境保護に貢献する商品を販売する。
ウォールマートは中国、米国、欧州に2万社の供給元を持っているが、これらの企業に対し、2013年までに梱包材量を5%減少させる事を義務付けている。これは単に資源保護となるのみならずウォ―ルマートの仕入れコストを34億ドル(約2400億円)下げ増益にもなる。
また、中国政府と中国の供給企業が公害、大気汚染、省資源、省エネルギーを行うと言う契約を交わしている。
10月31日の当ブログでウォ―ルマートがハイブリッド省エネトラックを開発している事を取り上げているので参考にしてもらいたい。
このように、環境保護は企業の社会的責任を果たすのみではなく、利益の改善にもなる事を実証して見せてくれているのは重要な事である。
写真は左上から右に、段ボールのリサイクル、プラスティックのリサイクル、地元収穫野菜2枚、有機栽培野菜、下段左から非養殖サケ、ソラ―パネル、風力発電所、駐車場LED照明、白く塗装された屋根と自然光取り入れのスカイライト。 |
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カテゴリー : Factor Five |
Posted By : dantesforest |
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04 Jan 2012 04:28:56 pm |
持続可能社会のあり方 |
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政治と文化の変革が必要
地球環境は大変な危機に直面している。世界はこれを無視することはできない。持続的発展とは全ての国の変革を意味する。この処方箋を実現する為に、ぼくたちは現実社会で資源を5倍に使う事を行わなければならない。それには富裕な国にあっては今までよりゆっくりとした生活を送る事を学んでもらいたい。
次の2つの事は世界の何処を問わず通用する事実である。
(1) 消費者は適正な価格のものを購入する。
(2) 生産者は利益を得るために生産する。
この2つは正論である。持続可能社会にあってもこれらは尊重されるべきであり、次の様に変わるべきである。
■資源の生産性をこれまでになかった程高くすることは生産者により多い利益をもたらす。
■資源を節約する製品やサービスは使い捨て型のものより消費者にとってより価値が有る。
■生活を支援するのに必要な製品やサービスで自然資源を消費するものはより高い価格となる。
従来の環境政策は持続可能社会の次元には関与してきていないが、これこそ変革されて行かなければならない。
ファクター5では政治と文化の次元にも論及している。
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カテゴリー : Factor Five |
Posted By : dantesforest |
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03 Jan 2012 03:31:14 pm |
持続可能社会へのシナリオ |
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ヴァイツゼッカー教授のファクター5
ヴァイツゼッカー教授の「ファクター5」は一部と二部に分かれている。第一部では省エネの具体的な実現の方法が述べられており、個々の具体例はこのブログで毎回紹介している通りである。
その多くは単に実現可能であるだけでなく実際に成果を上げている。それらの実例を証明するために数値や図式を使って説明しどうしても専門的になってしまっている。前著「ファクター4」が資源を4倍に活用する改善方法を数値を使って証明していたが「ファクター5」の第一部もそのスタイルが踏襲したものになっている。
「ファクター5」の第二部では省エネを進める為に現存している考え方や政策の例を挙げて、省エネを効果的に実施するには法的な規制や政治的な力を抜きには難しいことを述べている。また、過去の例を挙げて省エネは成功しても、かえって需要の増加を招き、その結果エネルギーの消費は以前より増えてしまう「エコ・リバウンド」について述べている。エネルギー消費の増加は人口の増加や今よりも更に快適な生活を追い求めるライフスタイルにより起きていることにも言及している。更に、改善可能な方法があるのに拘わらず既得権益を守るために現状維持が行われている現実世界の問題にも触れている。
読者の皆さまから内容が難解であるとの御意見を頂戴しているので、できるだけ簡単な表現にするように心がけますので、ご愛読のほどよろしくお願い致します。また、皆様からのコメントもお待ち致しております。
本書はアマゾンで購入できます。
http://www.amazon.co.jp/dp/1844075915 |
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カテゴリー : Factor Five |
Posted By : dantesforest |
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02 Jan 2012 07:11:17 am |
省資源リバウンド |
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省資源―低価格―需要の増大―資源不足の連鎖
これまで省エネのリバウンドについて述べて来たが、他の資源でも同じ事が起きる。
■米国の乾燥地帯に於ける水資源利用の効率アップについてはファクター4で紹介したが、効率向上によってより多くの土地が利用可能となった為にそれまで価値の無かった乾燥地帯の土地に買い手が付き、開発が進められた為に更に水資源が必要となるリバウンド現象が起きた。
■従来通信の伝達には銅線が使われていたが、グラスファイバーに依る光通信が開発された事で銅の需要は著しく減少し銅価格は大幅安となった。値下がりした銅は開発途上国での新たな銅需要を呼び起こした為に銅需要のリバウンドが起きている。
■農地使用の効率改善は1950年代から盛んに行われた結果EUにあっては農産物が過剰生産となった為に休耕促進の為に補助金が支払われるようになった。人口の増加、食肉の消費増加、農地の宅地化、バイオマス燃料の栽培等に依り土地が不足し、食糧危機を招く程のリバウンドが起きている。
■初期の携帯可能電話は1台数キロの重量が有り、価格は数十万もした為その使用者は警察とか大企業の役員などに限られていた。これが25年後の現在は数10グラムの軽さとポケットに入る大きさとなり使用される資源の量は1/100以下となった。しかし、小さく、軽く、何よりも安くなった事で一般に使われるようになり市場規模が数10万倍となった。その為に現在携帯電話に使用される資源の量は25年前に較べ1000倍となった。これも典型的なリバウンド効果である。(写真はNTTのショルダー電話)
このように省資源の為の開発が成功すると、必ずリバウンドが起きている。これからはリバウンド対策も考慮した省エネや省資源の開発を行う必要がある。
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カテゴリー : Factor Five |
Posted By : dantesforest |
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