ダンテの森    
16 Oct 2011   03:05:47 pm
アメリカから(3)
Verge(ヴァージュ)はグリーン

WSJ(ウォールストリートジャーナル紙)には、再生可能エネルギービジネスに失敗した例や、地球温暖化が温室効果ガス(GHG)に依るものとは言えないのでは無いかと言う記事が結構出ているが、10月12日にジョンソン・コントロールズ社の全面広告が掲載されたが、10月14日にも同社が今度は2面見開きの広告特集記事を掲載しているので、また紹介したい。

地空温暖化対策として新聞の大見出しになるようなものの中には、巨大な太陽光発電所を宇宙空間に打ち上げて宇宙から地球に向けてエネルギー転送を行う計画とか、巨大な蓄電池で数か月分ものエネルギーを貯める為の研究とか、中にはワニの脂肪からバイオ燃料を作るなどと言うものもあり、同床異夢の感を禁じ得ない。

いま持続可能社会を作ろうとしている人々の間ではVerge(ヴァージュ)が最もクールな言葉の様である。これはConvergenceの省略形でその意味は集合する、意見などが一致する、収れんするなどである。

GreenBizグループの会長であるJoel Makower氏は「今は人類が始めて持続可能社会を作るために事なった分野を重合させ、いかにシナジーを出す事ができるか技術のバージュが求められている」と言っているそうであるが、この様に使われる言葉らしい。

今、一気にギガトンのGHGの排出を止めて健康で安全で快適な暮らしを世界中の人たちに持続的に提供しなければならない。その為には今まで事なった分野で研究開発やビジネスを行っていた人が持続可能社会の実現と言う共通の目的の為に考えを重合させる必要がある。その為にエネルギー、情報、建築、運輸の4つの分野に焦点を当てる必要がある。

スマートグリッドに繫いでる電力源や消費者は常に電気を送ったり使ったりするので、グリッドはそれを細かに制御する必要がある。例えば電気自動車(EV)がグリッドに接続された瞬間にEVとグリッドは話し合いを始める。EVはすぐに電気を必要としているのか、今は少し逆に電気をグリッドに送ってもらっても良いかを判断して、グリッド全体の安定を考える。EVは昼間の高い電力料金の時にはグリッドに売り、安い夜間に電力を買う方が良いと判断することもできる。これがグリッドと自動車のバージュの例である。

バージュはその可能性を拡大している。エネルギーと情報を集め、送り、共有しながら事なった分野が協調するのである。大都市が最もその実現性を持っている。

2030年にはスマートメーター(頭脳を持った電気メーター)が9億5千万台設置される事になると言う。その主な部分は中国政府が急激なスマートメーター化を推進しているからであるが、これらはグリッドの重要なセンサーとなる。

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15 Oct 2011   01:04:53 pm
大型トラック(1)
空気抵抗をいかに減らすか

交通は地球全体のエネルギー消費の22%を占め、その内16.2%を大型トラックが占めている。私は今アメリカ、テネシー州に出張に来ている。毎日ホテルから仕事先間を車でインターステートを片道30kmほど走っているが、こちらの大型トレーラーがフルサイズのコンテナを2本連結して驀進する様子は迫力万点である。自分の車のすぐ後ろにあのデカイのが迫ってくるとスティーブン・スピルバーグの「激突」を思い出してしまう。

大型トラックの省エネは何と言っても空気力学の世界である。長方形のコンテナーを引っぱるトレーラーは見るからに空力が悪そうである。空力に依るエネルギー損失はトラックの走行速度に対し2乗で増加する。この係数は時速80kmを越えると顕著になる。インターステートの制限速度は70mph = 114km/hであるので、空力の解決は極めて重要である。

トラックメーカーの努力により現在は1970年に較べて約40%の改善がなされている。まずトレーラー部の空力デザインにより改善の87%が達成されている。フルルーフデフレクターにより5〜10%、シャーシーデザインで1〜3%、角を丸めて空気抵抗を減らすことで2%、フロントガラスの角度改善あるいはカーブガラスの採用で1〜7%、スカート、ラジエータの形状で1〜4%、排気ダクト形状、ドアヒンジ、ドアノブ、サイドミラーで1〜2%、サイドミラーをTVカメラに置き換えると3〜4%の空力改善が可能である。トレーラとコンテナーの間をふさぐサイドパネルやコンテナの後部、天井に取り付ける事で空力を改善するパーツもある。
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14 Oct 2011   12:27:15 pm
アメリカから(2)
アメリカはグリーン化も進んでいる

昨日のウォールストリートジャーナルの全面広告を見て考えた事が二つある。

一つ目は、グリーンビジネスが既に形成されつつあると言う実感である。コピーに有ったようにジョンソン・コントロール社は彼らの顧客に1兆4千億円もの利益を与えたと言うことは彼等のビジネスもそれに見合う規模のものであった。彼らの2010年度の売り上げは3兆3千億円( 440億ドル)であった。中国、中東での更なる市場拡大が期待されている。2012年の受注残は会社始まって以来とのこと。アフターセールス部門のサービス業務の特長は高い収益率だが、その市場の伸びは大きく年率2桁で拡大していると言う。グリーンビルディングの運営には専門的知識と経験が必要な市場らしい。この会社は世界150カ国に15万4千人の社員を要している。9月16日のブログで紹介したSOM社と言い、このジョンソン・コントロール社と言いアメリカの企業家はきちんと未来を見越した経営をしている事が良く分かる。

二つ目は昨年テキサス、ダラス空港からメキシコに飛んだ時に上空から見えたまるでアラベスク模様のような風力発電機群を思いだした。かなりの高度からも見えるまるで地上絵の様な地面の模様だった。これは砂漠に作られた風力発電機を結ぶメンテナンスの為の道路であった。十分な間隔を保って恐らく数百もの風力発電機が道路で結ばれているのが未来を見るような感じであった。10年ほど前にスペインのキャディスに車で向かう途中出会った風力発電機群も感動したが、テキサスの比では無かった。私達はアメリカと言うと京都議定書には批准をしない、IPCCは無視するはで、地球温暖化には興味が無いのかと考える人も有るかと思うが実際はこのようにどんどん実績を作ってリーダーシップを取りつつある。日本には未だに「太陽光発電やかざぐるまは女、子供のおもちゃ、男は黙って原子力」等と堂々とマスコミで発言する学者先生が居るが、現実を見てほしい。
カテゴリー : 他メディアより | Posted By : dantesforest |
13 Oct 2011   02:46:34 pm
アメリカから(1)
今日付けの新聞全面広告


あなたのビルをより効率的に、持続可能型に、その上コストの節減も。

昨日から出張でアメリカに来ています。アメリカでもテネシー州ナッシュビル市の近くですので、乗り継ぎの為に概ね17時間で空港からレンタカーを運転して2時間と結構きつく12日分のブログをアップする事が出来ませんでした。すみませんでした。

アメリカに来て2日目、今日(10月12日付け)のウォールストリートジャーナルにエコ関係の記事は無いかと探していたら、ジョンソン・コントロールと言う会社が全面広告を出していますので、紹介します。

ジョンソン・コントロールズ( Johnson Controls )はあなたのビルの運用能力を改善します。私達はあなたと一緒にエネルギー消費の削減と環境保全で利益を増やします。

どのようにして? 暖房、喚起、冷房システムの改修で達成します。グリーンビルディング診断、証明の改善、水資源の再利用と再生可能エネルギーがその答えです。エネルギーの使用状況の監視と制御はビル管理システムMetasysがそれを可能にします。そして設備管理サービスがオフイスの就業環境を向上させ、運用コストを下げます。

それで何が期待できるのでしょうか?省エネと管理コストの削減は30%以上が可能です。床面積25万平方フィート( 7.5万坪)のオフイスビルの場合、年間15万ドル( 1,100万円)の経費節減になります。私たちはこれを保証します。これまでに私達はお客様の経費を総額で19ビリオンドル( 1兆4千億円)節約しました。これはGHG( 温室効果ガス)換算で1千600万トンのCO2排出量に匹敵します。

ジョンソン・コントロールはあなたのビルをもっと効率良くあなたの為に働き、持続可能型になり、もっと利益を生むように変えます。

詳しくは、MakeYourBuildingsWork.com をお訪ね下さい。
カテゴリー : 他メディアより | Posted By : dantesforest |
11 Oct 2011   06:22:21 am
建築(3)
居住空間の冷暖房

世界的にみて住居の冷暖房はエネルギー消費の中で大きな割合を占めている。EUでは27%、中国では31%、アメリカでは40%(いずれも2005年)である。

これらは、太陽光の受光を考慮したデザイン、外断熱の採用、二重ガラス窓の採用、天井構造、ドアなどの隙間の改善による気密性の向上などで最低でも30%の省エネが可能である。

従来の典型的な天井断熱のみの150平米の住宅では平均18.4kWの冷暖房の為のエネルギーを必要とする。外断熱、屋根断熱、コンクリートスラブの外断熱、気密性を時間当たり0.5回の空気交換に高めることにより5.7kWの冷暖房の為のエネルギーで済み70%の省エネが可能である。

夏季の早朝の気温が17℃を上回らない地域においては、早朝の冷気を取り込む事で上で述べた住宅では1日中エアコンを使う必要が無い。もっと暑い地域ではエアコンを太陽光パネル等の再生可能エネルギーで運転する事で温暖化ガスの排出はゼロに保つ事が可能である。

写真は英国、ウエスト・バークシャー、ニューバリーの文化遺産保護区にあった1560年建築の家屋が2007年12月に焼失したものを、この地方の建築様式をそのまま引き継いで、地元産のオーク材で建築されたコテージであるが、ゼロ・カーボンを達成している。
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