ダンテの森    
20 Nov 2011   02:17:46 pm
持続可能社会とファクター5
今日までブログを書いて見て思う事

  このブログを8月15日に始め昨日で90回書いた。ワイツゼッカー博士の「ファクター5」を一人でも多くの人に知ってもらいたいとの思いで書いて来た。総合雑誌月間「潮」12月号から連載されているが、これまで日本国内でこの「ファクター5」に触れるものはぼくが知る限りこのブログ以外には無かった。

 ファクター5と言う1の資源を5倍に使うと言う事でしか我々がこの地球で生き続ける事はできない。人類は産業革命以来200年間にわたって、地球の化石燃料を使い続け地下深く埋蔵されていた炭酸ガスを大気中に放出し続けてきた。その結果CO2は過去1万年の間250〜270ppmで推移していたのがこの200年間で370ppmに1.37倍に増加した。これはまぎれもない事実である。最近の気象変動や地球の温度が上がっている事とCO2等の温暖化ガスの排出問題は関係性が立証されていないとするむきもあるが、ここに掲げたグラフのようにCO2と地球気候変動には関連が有ると見る方が自然であると思う。

 その原因となるCO2排出源つまりエネルギーを消費しているトップ3は建築物40%、産業30%、交通22%である。これら全ての分野でのファクター5の達成は可能である。いかに人類がこれまでエネルギーの効率化について考えなかったどころか、エネルギーを大量に消費するもの=豊かなものとの幻想を持っていたと言う事が分かる。建築物が消費するエネルギーはその基本設計から考え直す事でファクター5が達成でき、その実証例は今や数限りなく有る。産業もジオポリマーセメントに代表される様な、エネルギー大量消費に頼らなない方法でセメントや鉄が作り得る事が実証されている。交通も電気自動車やハイブリッドカーに代表される交通手段と都市の車によらない交通手段によってファクター5の達成が可能である。また再生可能エネルギーもリスクの大きい原子力に頼らなくても良い風力、太陽光、地熱等が実証されている。

 15年前にファクター4が出された時に「もう我々には時間が無い」と訴えていたのに拘わらず、その後に著しい変化は無かったかに見える。しかし、世界は着実に変革に歩み始めているようである。歩みの速度を速め、間に合わなくならないうちに持続可能社会を作らなければならない。


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19 Nov 2011   10:16:21 pm
日本のエネルギー政策の偏り
何故日本だけ再生可能エネルギーが遅れているのか

今国会で民主党の目玉である事業仕分けが行われている。その中に原発関連の予算が挙げられている。初めて原発関連の補助金等の予算に疑問が呈された。3.11の賜物である。

これは今までの日本政府と言うか経産省はまず原発ありきでそれ以外には蓋をしていた。その結果が風力、太陽光、地熱のいずれでも世界ランキングの10位にも入らないと言う現状を生んだ。

政・官・学にマスコミが加わって「原発立国」を推進していた間に世界は原発以外の再生可能エネルギーにスイッチを切り替えていたのだ。今年の夏は3.11のお陰で東電の発電量予想が毎日発表され暑い日には計画停電が実施された。連続性が無いので役に立たないとされる太陽光発電を夏の暑い日、つまり太陽の日射が多い日のエネルギー源に充てれば十分その役目を果たせる。日が陰る日には冷房の使用量も減るので、太陽光発電量が減っても問題ない。

2011年の太陽光発電の世界ランキングは1位が中国で、米国、インド、ドイツ、イタリア、英国、フランス、スペイン、カナダ、ギリシャがベスト10である。

3.11以降、経産省の計画も少しは変わったのかも知れないが、エネルギー政策を経産省だけに任せている事が心配である。

再生可能エネルギーの旗振りをしているのはNEDOであるが、これも経産省の一部である。


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18 Nov 2011   05:51:53 am
再生可能エネルギー(6)
アメリカの太陽光発電に依る雇用の増加が著しい

2011年10月17日ダラス発
NPO法人、ソラ―・ファンデーションの発表によると全米50州の太陽光発電に依る雇用はの増加は、他の雇用に較べ10倍の速度で増加している。現在、全米の50州で約10万人の雇用があり、既に重要な雇用分野となっている。今後ともこの伸びを続ける為には、政治、教育、産業が協調をしてより高度な職場と製品を作り出し続ける必要があるとしている。

2011年8月の調査によると、2011年度に17,198人の新たな雇用が生み出され、全米で100,237人となった。州別ではカリフォルニア州が25,575人でトップで、これにコロラド、アリゾナ、ペンシルベニア、ニューヨーク、フロリダ、テキサス、オレゴン、ニュージャージー、マサチューセッツがトップ10である。

GEは2011年にコロラドに3億ドル(225億円)を太陽光発電設備製造の為に投資し355の新しい職場を生み出した。

2012年度には新たに24,000の雇用が作り出される。

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17 Nov 2011   06:03:14 am
セメント産業
熱の固まり、ポートランド・セメント

 GHG(地球温暖化ガス)排出量の5%を占めるセメント産業は現在3Gton(ギガトン)の生産量であるが、2030年には5GtonになりGHG排出量も8%になるとの予測がある。

今セメントと言えばポートランド・セメントの事を言う。産業革命と同時にイギリスで発明され現在に至るまで使い続けられている。石灰石(ライムストーン)を1850℃もの高温でキルンと呼ばれる回転窯で焼結させて作る。セメント製造時に発生するCO2はほぼ50%がこの工程で出される。1トンのセメントを製造するのに0.36〜1.09トンのCO2が排出される。燃料を燃やす時に出るCO2が40%残りの10%は使用する電気を作る時に排出されたものである。

湿式キルンを乾式キルンに変える事で30%のGHG排出量を減少できる。中国では2000年に12%であった乾式キルンが2005年には53%に増加した。ありとあらゆる改善をする事で後30%の省エネが可能である。しかし、何故このように熱エネルギーを多量に消費するポートランド・セメントが200年に渡って使用され続けてきたのか、全く不思議に思う。

当ブログの8月20日と9月7日で取り上げたアルミノ・シリケイト(ジオポリマー)セメントに代えれば直ちに80%の省エネになる。
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16 Nov 2011   05:23:55 pm
クリーンエネルギー法
オーストラリア政府が議決

去る11月8日にオーストラリアのジュリア・ジラード首相は上院がクリーンエネルギー法を可決したと発表した。

オーストラリア政府は数年にわたって国会で論議されたクリーンエネルギー法が上下両院により議決された事はオーストラリアが将来の低炭素社会に向かって産業と雇用の確保に向けて出発する歴史的な第一歩を踏み出したとしている。

この法律により、炭素1トンの排出に対して当面23オーストラリアドル(約1780円)の納税が義務付けられる。このクリーンエネルギー法は次の3つを目標としている。

−2020年までに1億6千万トンのCO2排出を削減すること。
−この法律による増減税措置により、国民家計の補助と年金の財源を確保すること。
−クリーンエネルギー計画により新しい産業と雇用の確保を行うこと。

 ウエイン・スワン副首相兼財務相は、企業はCO2を排出するには税負担をしなければならなくなる事により、省エネと再生可能エネルギーへの転換を余儀なくされる。この法律と18の関連法はオーストラリア国民と企業及び投資家が低炭素社会へ向かって公平な援助を受けられる事を可能にする史上際重要な改革であるとしている。

−約600万世帯は炭素税により生ずる価格値上げ分による負担増加分は減税により軽減される。
−約400万世帯は炭素税により予想される支出増加分に対する補助が受けられる。

これにより家計への影響は最小限になるとしている。

 グレッグ・コンベット気候変動及び省エネ大臣は炭素税はCO2排出量の多い約500の企業に対し2012年7月1日から排出量1トンにつき23ドルが課税される。この定額納税制度は企業の安定性と予測期間を確保する為のもので、3年後には納税額変動制に移行する事が決まっているとしている。

 オーストラリア政府はこのクリーンエネルギー法について大変分かりやすい丁寧なホームページ(英文のみ)で詳しく説明している。

http://www.cleanenergyfuture.gov.au/

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