ダンテの森    
10 Nov 2011   07:27:34 am
アメリカ出張を終えて
個人の意識改革だけでは持続可能社会は作れないと実感。

約一カ月にわたるアメリカ、テネシー州コフィー郡デカードへの出張を終えての感想である。ガソリンの価格は前回訪れた2004年には1ガロン(3.78リッター)が1ドル(2004年10月頃は105円)付近であったのが、3倍以上の3ドル20セントに上がっていた。これは、日本式に換算するとリッターあたり27円だったのが89円に跳ね上がった事になる。この値上がりが長距離自動車通勤を持続不可能にし、大都市周辺の不動産価格の急落につながり、サブプライムローンの崩壊となり、やがてリーマンショックになっていったとする「ファクター5」の解釈を実感させる。

しかし、私のまわりの平均的ないわゆる中産階級のアメリカ人の生活を見る限りそんなに変化が見受けられなかった。相変わらず彼らが「トラック」と呼ぶSUVに乗り、秋の狩猟シーズンにはライフルを何丁も持ってこのSUVを駆って狩りに出かける、そう言うライフスタイルに変化を認める事は出来なかった。彼らの地球温暖化に対する考え方も、今地球で起きている事が人類が地球に負担を与えた為の変化なのか、地球の本来の温暖化サイクルからくるものなのか証明はされていないと言うのが彼らのコモンセンスの様であった。

滞在していた間、目を通し続けたウォール・ストリート・ジャーナルには持続可能社会を啓蒙するような記事も、オピニオンも、私がブログで紹介した広告記事以外には残念ながら見つける事ができなかった。
テレビのコマーシャルでも相変わらず、巨大な車が宣伝されている。ただ、必ず「効率」「燃費」と言うキーワードは入っている。これが変化の兆しなのかも知れない。

ただ、今回毎日車を使っての通勤でレンタカーの走行距離は3200kmとなる程であったが、アメリカを走っていてこの広い豊かな自然の中のフリーウェイを走るのにコンパクトな車では心もとない気持ちは何となく分る気がした。個人の意識の変化のみに期待したのでは持続可能社会の建設は難しいと実感させられた。

カテゴリー : ブログ管理人 | Posted By : dantesforest |
09 Nov 2011   07:19:21 am
ブログ休載のお詫び
1週間のお休みを戴きました。すみませんでした。

言い訳になるが、メキシコのホテルのインターネットの調子が悪くブログへのアクセスを断念せざるを得なかった。11月5日の早朝3時にホテルをでてヒューストン、ミネアポリスと乗り継ぎ成田に着いたのは6日の夕刻6時で帰宅は夜8時となった。帰宅後体調を壊し、昨日まで寝込んでしまい書き込みをする事ができなかった。8月15日に毎日書くぞと心に決めて始めたが、2か月ちょっとで大きな穴を空ける事になって誠に残念である。
潮出版社が出している総合月刊誌「潮」12月号からヴァイツゼッカー博士と創価学会インターナショナル会長の池田大作氏の対談が掲載される事になった。このなかでヴァイツゼッカー博士は「もし拙著『ファクター5』で描いたように、人口の安定化に成功し、技術の開発を成し遂げ、人間が幸福を得ようとして自然に与える圧力の指数を最低でも「ファクター5」にまで減らすならば、私たちにも確かにチャンスがあるのです。」と述べ、「ファクター5」を上梓するに至った経緯などが述べられている。日本のメディアが「ファクター5」を取り上げてくれる事自体嬉しい限りである。
今後の対談が楽しみである。
カテゴリー : ブログ管理人 | Posted By : dantesforest |
03 Nov 2011   01:41:38 pm
EUのプレスリリース(2)
EUでの世論調査の結果、EU市民の心配は経済問題よりも環境問題


昨日に引き続いてEUでの世論調査の結果です。
◆調査対象者の68%は気象変動を深刻な問題と受け止めている。(2009年の調査では64%であった。)全体の89%が大変深刻、深刻と回答している。10段階評価では今回は7.4(2009年7.1)であった。

◆世界の最重要課題は、と言う問いには、貧困、飢餓、水不足がトップとなり、次が環境問題で51%(2009年は47%)で経済問題は3位であった。

◆環境問題と戦う為にエネルギーの効率をアップする事は、EU経済状況を好転させものであるとしたものは2009年には63%であったが、今回は78%となりその期待度が高まっている事がわかる。

◆EU市民の68%は環境税の導入に賛成である。

◆EU市民はEUが2050年までに環境に優しく低炭素社会になっている事を期待しており、より効率の高い車に乗り、再生可能エネルギーを使っているとしている。

◆環境問題は国家レベルの問題であるとし、21%の市民のみが個人にも責任があるとしているが、23%は積極的に協力するとしている。

◆調査対象者の53%は過去6カ月になんらかの環境対策を実行したとしており、66%の市民は省エネとリサイクルを実行していると答えている。

EU市民の意識の高さを認識しました。

次のURLで原文がダウンロードできます。
http://europa.eu/rapid/pressReleasesAction.do?reference=IP/11/1162&format=HTML&aged=0&language=EN&guiLanguage=en

カテゴリー : 他メディアより | Posted By : dantesforest |
02 Nov 2011   02:10:35 pm
EUのプレスリリース(1)
EUでの世論調査の結果、EU市民の心配は経済問題よりも環境問題

2011年10月7日発表

EU市民の2/3は気象変動を非常に深刻な問題としてとらえ、80%の人はこの問題に対処する事が経済と職場を潤すものと考えていることが分かった。

調査は2011年7月に実施されEU市民は2009年の調査でも気象変動を一番心配していたが、今回も経済問題よりもより深刻としている。またEU27の加盟国は今世紀半ばには環境に優しい低炭素社会が訪れると考えている。

EUの報道官Connie Hedegaard氏は「大変勇気づけられる結果である。EU市民は政治家、財界人に対し環境問題こそが現在最も深刻な問題であり、これに挑戦することが経済状況を好転させるものだと訴えている。3/4のEU市民がエネルギーの効率的利用が新しい職場を創りだすと期待している。」と手放しで絶賛していた。

主な調査結果については明日書きます。

次のURLで原文がダウンロードできます。
http://europa.eu/rapid/pressReleasesAction.do?reference=IP/11/1162&format=HTML&aged=0&language=EN&guiLanguage=en


カテゴリー : 他メディアより | Posted By : dantesforest |
01 Nov 2011   01:25:29 pm
公害と調整
国家の介入の成功例

1960年〜1970年にかけて工業先進国の間で公害の度合が顕著になっていた。公害は広い意味では市場経済がもたらした過ちであり「見えざる手」(この表現は経済学の父と呼ばれるアダム・スミスが国富論の中で使った言葉で、市場の行為は政府の介入無しに行われると言う事を意味する)であった。
これが逆に公害問題に関しては国家が積極的に関与すべきで政府の「見える手」が行為を為すべきであると言う考え方を導き出した。
特にOECD各国は公害規制に乗り出した。これは一時代を代表するような一大成功物語となった。それから2〜30年後になり公害先進地域であった、ピッツバーグ、大阪、ルール地方の空気は澄み、オハイオの水、テームズとラインの川や湖沼が何事も無かったかのようにきれいになった。
水銀とカドミウム汚染による水産物の食物連鎖による悲惨な公害に悩まされた日本は、法的規制を取りいれた事によりわずか数年でこれらの問題から立ち直る事ができた。
国により、法的規制の方法は異なるが、公害の抑制に「見える手」抜きには達成は不可能であった。
金持ち先進国が法的規制で公害を鎮めることに成功する一方で、工業化をこれから進めようとする貧乏な国では公害対策をする十分な予算などない。このパラダイムを図表にしたのが添付の図である。

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