ダンテの森    
09 Feb 2012   05:57:42 am
進む世界の風力発電
中国の風力発電産業は世界をリード2012年2月7日ブルームバーグ発

 世界風力会議の発表によると、世界の風力発電は昨年6%増加し昨年設置された風力発電所の発電量の合計は41GW(ギガワット)となった。このうち中国が2/5を占めこの分野でのリーダーの地位を固めた。

 中国は2011年中に18GW建設し、アメリカがこれに続き6.8GWでさらに、インドが3GW、このあとドイツ、英国、カナダ、スペインが続いた。

 欧州各国政府の財政の悪化が風力発電への補助金のカットとなり、価格競争が一層厳しくなる中、欧州市場の中でも中国勢のSinovel Wind GroupとXinjinag Goldwindが健闘した。

 世界風力会議のSteve Sawyer議長は世界の経済不況にも拘わらず「長期的に見てこの産業のファンダメンタルは大変明るい。」としている。

 現在、世界の風力発電は238GWとなった。

 昨年、アメリカに建設された6.8GWはアメリカの200万世帯分の電力に相当する。アメリカ政府は2030年までに20%を再生可能エネルギーに置き換えるとの目標を持って進んでいる。

 日本の風力発電はいまだに2GWに満たない。風力発電は風まかせであてにならないとか、中には「かざぐるま等は子供のおもちゃ」等と言う学者が出る始末で、官・民・マスコミがこぞって原発を推進し、再生可能エネルギーから目をそらしてきた結果である。因みに原発の出力はだいたい1基1GWである。

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08 Feb 2012   12:54:23 pm
農業の省エネ
30%は正しい情報の伝達と教育で直ちに低減可能

 農業分野はGHG(地球温暖化ガス)の18%と水消費の70%の責任を背負っている。

 農業が、地球環境の悪化による影響を多大に受ける事は、その農業が大きな影響を与える要因になっている事は皮肉である。2006年のFAO(国連食糧農業機関)の発表によると農業が排出するGHGは18%で運送の13.5%を大きく上回る。

 畜産―肉牛、養豚、養鶏、酪農は高度に機械化されており、これらの飼育過程の一定の期間に於いて、暖房、冷房、照明、換気、間接的では有るが飼料の為の肥料等に多量のエネルギーを消費する。

 英国のカーボン・トラストの報告によると、農業分野では多くの場合エネルギーの無駄遣いが多く、照明、暖房、冷房、加熱、冷蔵、換気、空気循環等が非効率的に使われている例が多く指摘されている。例えば、アメリカの農業分野でのエネルギー効率は1978年には以前の倍の効率になったとしているが、収穫量をエネルギー量に変換すると、その10倍の化石燃料が消費されている。中国とインドではその約80%の化石燃料が消費されており、インドでは過去30年にエネルギー消費は6倍になっており、中国では過去30年間に農業のエネルギー消費は2.5倍になっている。

 農業分野におけるエネルギー消費は農業者が正しく情報を理解するだけで直ちに30%のエネルギー消費が低減できる。農業従事者に対する情報伝達方法と教育が緊急課題である。
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07 Feb 2012   05:56:08 am
ZEBゼロエネルギービル
日本にもあるゼロ・エネルギー・ビル計画

 経産省は2009年11月に業務用ビルをパッシブ・ソーラー設計等の先端技術で省エネ化を行い、付帯の設備による再生可能エネルギー活用でビル全体として年間の一次エネルギー消費が正味(ネット)でゼロあるいはゼロに近いビルを目指す「ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)」の提言を行っている。

ZEBは例えば次のような技術により省エネを行う。
■パッシブ建築の最適導入(外気を利用した夜間冷房など)
■天気変化に即応するブラインドと照明、さらには昼光利用に伴う冷房負荷増大も加味したブラインド・照明・空調の最適統合制御
■セキュリティー情報(人の入退室情報)を活用した照明・空調・OA機器制御
■個人(タスク)と周囲(アンビエント)を分割した照明・空調

その為には、
◆エネルギーの面的利用:複数のビル群のネットワーク化によるエネルギーの有効利用。
◆都市の未利用エネルギーの活用:河川熱、下水熱などのヒートポンプ利用。
◆テナントビル:オーナーとテナントのインセンティブ乖離、汎用性を確保する必要性(自社ビルのような思い切った省エネ設計が難しい)といった課題への対応。
◆標準化:統合制御を可能とするための設備・機器間のインターフェースやデータ仕様の標準化。
を必要とする。

 しかし、この提言は旧自民・公明連立政権下で策定されたものである性か、2009年9月に政権を取った民主党は余り熱心では無いようで、その後積極的に推進されている様子が無いのは残念である。持続可能社会は政党のパワーゲームには関係なく推進されなければならないものだ。

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06 Feb 2012   06:34:09 am
マネーと原油価格
原油へのマネーの投資がリーマンショックの原因であった

 原油の価格が上昇すると、石油鉱脈の探索技術が強化され新たな石油鉱脈が開発されていった。そして同時に国家、企業、個人において省エネの動きが見られた。これは2度の世界大戦直後と、1970年代と2000年からの原油価格の高騰の頃に見られた。

 1970年の第一次オイルショックで学習した省エネはその後15年間にわたり産業経済の安定化のキーファクターとして寄与した。

 1998年に1バレル9ドルであった原油価格は2000年には35ドルを超えその後100ドルに値上がりを続けているが、その理由は中国とインドの需要増加によるものである。

 2005〜2008年の原油価格の異常な上昇は原油市場の通常の価格変動では無く、機関投資家による投機の為の値上がりであった。投資先を原油市場に見出したマネーは彼らにしてみれば僅か1%程を原油市場に振りあてただけであったが、原油価格は大きく釣り上った。当時、ある投資家は原油の値上がりは更に続き1バレル150ドルも夢ではないと語っていた。

 しかし、マネーによる原油価格の吊り上げは、アメリカのガソリン価格を3倍にした。サブプライムローンで郊外に住宅を買い、やはりローンで買った御自慢のSUVで通勤をしていた人達はガソリン代の天井知らずの値上がりに嫌気がさし、郊外の建売住宅の人気はガタ落ちとなり住宅価格は急激に下落した。住宅価格の将来の値上がりを見越して組まれるサブプライムローンは成り立たなくなり破綻し、リーマンブラザースの破綻へと繋がる。マネーの商品相場への投資が世界金融危機を招いた。
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05 Feb 2012   06:10:05 am
原材料価格の歴史
下がり続けた原材料価格が地球温暖化を促進

 驚く事にエネルギー資源を含む原材料の価格は過去200年間下がり続けている。(図)

 価格は市場経済における最も重要な要素である事は承知だが、価格の低下が人々の省エネ・省資源に対する意識を弱めて来た事は確かである。

 図を見ると、過去の大戦の度に価格が高騰していた事が分かる。1973〜1982年と2000〜2008年にも上昇傾向が見られている。このグラフの最後は2004年で終わっているが最後の跳ね上がった尻尾に続いて2008年まで上昇トレンドが続いている。この価格上昇が見られる頃には資源枯渇の信号が発せられていた事が分かるが、全体的には下落のトレンドを見せ、あたかも資源は無限に有るかのようなメッセージを出しているかのように見える。2008年のリーマンショックは過去にないほどの市場価格の下落を招いた。

 これに対抗する策について議論をする前に、何故原材料の価格は下落するのかを政治の構造から述べてみたい。産業にとって原材料価格が低い事は好ましいことである。競争には低価格が絶対条件となる。政治家にとっては低価格は消費者にも企業家にも喜ばれる好材料である。

 この様な政治判断の典型的なものは過去のソ連に見られた。自然環境から得られるものは空気や水のように全て、もともと人民のものであるので価格など付けようが無いとした。この考え方からは省エネや省資源と言う考えは生まれない。その結果は壮大な無駄を生む巨大産業であった。巨大な資源消費の化け物の様な産業は国際競争に負けソ連経済は行き詰まった。

 もちろん、長年にわたる資源価格の下落は政治によるものだけではない。地下資源の採掘技術、地下資源発掘技術、石油精製技術の発展など技術革新も大いに寄与している。

 学者たちは地下資源の枯渇を問題にはしていたが、化石燃料を汲み上げる事による地球温暖化に警鐘を鳴らすのは躊躇し続けていた。

 その結果ぼくたちの「奇跡の惑星」には一刻の余裕もなくなってしまった。
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