ダンテの森    
04 Feb 2012   09:17:12 pm
ドイツのパッシブハウス
欧州で広まるパッシブハウス

 パッシブハウスはファクターファイブの概念を実現した省エネ建築の基準で、欧州ではかなり広まっている。日本にもパッシブハウス・ジャパン( passivehouse-japan.jimdo.com )が設立されている。この基準で建てられた超省エネの住宅は、先進の技術標準で建てられた住宅の1/10のエネルギーしか消費しないファクター10を達成している。(図参照)

 パッシブハウスを設計するにはいくつかのデザインツールが必要となる。「パッシブハウス計画パッケージ(PHPP)」は設計ツールで欧州ではドイツ、オーストリア、スイスの100以上のプロジェクトで使用されており結果として70〜90%の省エネを達成している。このソフトウエアについては上記のパッシブハウス・ジャパンのホームページに詳しい。

パッシブハウスの特徴

■パッシブソーラーデザイン
外気との接触面積を最小にする設計と太陽光熱を取り入れたり遮断する事をデザインに取り入れた設計。
■超高性能断熱
パッシブ建築物は超高性能の断熱材を用いて壁、屋根、床からの熱の輻射、伝搬を断熱する。その為各所に適した断熱材を使用する。特に熱ブリッジに配慮をする。
■先端技術の断熱窓
3層あるいは2層のガラスやガス封入ペアガラスと熱ブリッジを排した構造の窓フレームで高い断熱効果を持つ窓枠メーカーがオーストリア、ドイツ、スイス、ベルギー、チェコに約50社あり高断熱窓の市場を形成している。
■壁内隙間の最小化
外断熱で外気温を遮断し壁内の隙間に冷暖房の空気流を流すパッシブハウスでは、より気密性の高い壁構造により隙間を小さくすることで流れる空気の量を減らし、空気循環モーターの電力使用量を下げることができる。
■熱回収型換気
1時間に0.4回と言う気密度高い住宅では強制換気が必要であるが、直接外気を取り込むのではなく熱交換器を当す事で外気を室内温度に近づけた後室内に取り込む。
■エアコン熱源の利用
熱交換器の他、厳寒時や猛暑時にはエアコンを使うがそのヒートポンプの熱源を温水供給にも使用することで省エネを行う。

カテゴリー : Factor Five | Posted By : dantesforest |
03 Feb 2012   09:45:36 pm
船舶の省エネ
技術革新が大量物流に追いつかない

 欧州委員会(EU)が1月19日に出した船舶のGHG(地球温暖化ガス)排出に関する意見の公募の記者発表の中で、世界の海運業界の努力にも拘わらず世界の船舶のGHG排出量は増加の一歩で現在3%である。このままで推移すると2050年には6%になるとしている。

 本日まで東京ビッグサイトで開かれていたスマート・エナジー・ジャパン2012で貰って来た川崎重工のパンフレットに船舶の省エネについて書かれていた。

 その一つはKawasaki RBS-F (Rudder Bulb System with Fin)と言う技術で舵に取り付けたバルブ(球状の物体)とフィン(翼)で、これによりプロペラが起こす水流の乱れを整え、プロペラの推進効率を2〜7%向上させることができる。この技術は既に100隻以上に装備されている。

 もう一つは従来の球状船首を改造したSEA-Arrow(Sharp Entrance Angle bow as an Arrow)と言うタンカーやバルクキャリア―の船首の構造を変える事で6〜10%の省エネを達成している。

 この様に新技術により船舶の省エネが進んでいるのに、それ以上に世界の物流が増加していると言う事である。地産地消を推進し世界の物流を減少させる事を指向する事で持続可能社会に近づく事ができる。

カテゴリー : 他メディアより | Posted By : dantesforest |
02 Feb 2012   05:59:32 am
展示会報告
スマート・エナジー・ジャパン2012

 昨2月1日から3日まで東京ビッグサイト西ホールで開かれているスマート・エナジー・ジャパン2012に行って来た。

 展示の8割は再生可能エネルギーとスマートグリッド関連と言う印象を受けた。断熱材料や、蒸発熱に依る冷房、LED照明などの省エネ関連の展示は少なかった。

 エコシティーの展示が各所に見受けられたが、パッシブデザインを取り入れて低炭素型コミュニティーをつくると言うより、再生可能エネルギーと畜電技術とスマートグリッドに力が入ったプロジェクトが多かった。

 産業向けの排熱利用機器や省エネ機器の展示は多かった。

 海外ではかなり盛んに行われているが、日本ではなかなか広まらない地中熱利用を促進する特定非営利法人地中熱利用促進協会と言う団体がある事を知った。

 社団法人セメント協会はカタログ展示で日本のセメント産業は世界最先端の省エネを達成しており2.5GJ/tonで生産していると書いてあったが、その1/8のエネルギーで生産できるジオポリマーセメントについては全く触れていなかった。

 省エネ家電普及促進フォーラムと言う団体が会場で配布していたE-Dietと言うブックレットは家庭でできる省エネについて詳しく、分かりやすく書かれていて大変良いと思った。(写真)これを地方公共団体で各家庭に配布するような事はできないものだろうか。
カテゴリー : ブログ管理人 | Posted By : dantesforest |
01 Feb 2012   12:08:12 pm
家の断熱性能
建築の断熱性能を判断する為の基準値

 建築物の断熱性能を表す値にはいろいろあるようだ。カタログを見ているとさまざまな表現が使われている。

Q値
 建物全体の断熱性能を示す指標。室温と外気温とに1℃の温度差がある場合、床面積1m²あたり1秒間に出入りする熱量です。すべての部位、換気の熱の出入りを計算し、合計した値を延べ床面積で割って求めている。値が小さい程、断熱性能は高いということになる。[W/km²] 目安としては1.0以下であれば断熱性能が大変良いと言える。

R値
 こちらは建築の部分ごとの断熱性能を表す値で、壁であったり、天井であったりする。性能の良い断熱材を適材適所に使う事で性能が出る。熱抵抗値とは、材料の熱の伝わりにくさを表す値。裏表に1℃の温度差がある場合に、ある厚さの材料の中を、面積1m²あたり、1秒間に伝わる熱量の逆数である。値が大きい程、熱が伝わりにくく、断熱性能が高いということになる。1/(熱伝導率/材料の厚さ)=材料の厚さ[m]/熱伝導率[W/m・K]=熱抵抗値で求めらる。[m²・K/W] 目安としては壁、床が2〜3、天井、屋根が4〜5でこの数字が大きいほど性能が良い。

 次世代省エネ基準と言うのがある。日本全国を市町村別に気候によってI〜VIの地域に分けこの地域ごとに断熱や気密、日射遮蔽など住宅を建てる際に必要な性能を規定している。

次のURLで自分の地域がどの区分になっているかが分かる。

http://www.house-support.net/seinou/tiiki.htm

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