ダンテの森    
21 Mar 2012   06:46:04 pm
最近のモーターショウから
乗用車の小型軽量化は本物のトレンドか?

GreenBiz.com 2012-03-12から

 3月8〜18日までスイスで開かれていたジュネーブ・モーターショウでは各社が燃費の良さとCO2排出量の少なさを競っており、自動車業界が持続可能性社会へとハンドルを切っているように見えた。

 これは、原油の値上げによる世界的なガソリン価格の高騰によるのが一つの理由で、もう一つの理由は欧州で導入されるCO2排出量に応じて課せられる炭素税が影響していると見られる。

 今までは考えられなかったことは、ポルシェが燃費の良いディーゼルエンジンを搭載した車を発表したり、フェラーリが最新V12エンジンの燃費の良さを宣伝している事で有る。

 これまでのモーターショウで目に付いたECOの文字が余り見当たらなくなった代わりに、CO2の排出量を大きく前面に出すメーカーが多かった。展示車のドアーに1kmあたり○○グラムとペインティングした展示車が目についた。(写真)

 全体的に小型軽量化が進んでいる。これが本物のトレンドであってもらいたいものである。
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20 Mar 2012   09:03:38 am
セメント産業の省エネ
エネルギー価格に影響される企業の省エネへのモチベーション

 セメント産業は重工業の中でも鉄鋼と並んで環境負荷の大きな産業である。セメント産業だけで世界のGHG(地球温暖化ガス)排出量の5〜8%を排出している。2005年には18億トンのGHGを排出した。

 図はセメント1トンを製造する為に排出されるGHGの量を地域別に表したものである。世界の平均は0.22トンのCO2換算の排出量である。

 これを見て気付くのは、国の持つ技術レベルや文化レベルとGHG排出量は必ずしも一致しないと言う事で有る。アメリカは後発開発途上国が多いアフリカよりも悪い。

 中国のように建設ラッシュが起きている国では、国全体のGHG排出量の25%がセメント産業から排出されている。先進国にあってもセメント産業はいまだに大口のGHG排出源であり、1990年に較べて2007年には34%も増加している。

 日本は、ドライキルンしか使わず、予備ヒ―タで予熱するなどしてセメント生産の効率化を追求した事で3.1GJ/tonと言う高効率を達成している。日本はエネルギー源は100%輸入に頼っており、それに加えて多額の税金が燃料には課せられている事で、エネルギー価格レベルは世界最高水準である事から、日本のセメント産業は競争に勝つためにはエネルギー効率を上げる以外に方法は無かったのだ。

 これを見てもファクター5でフォン・ヴァイツゼッカー教授が主張するエネルギー価格を人為的に高く誘導する事が省エネを推進する力となり得る事が分かる。

 200年前の産業革命と同時に英国で発明されたポートランドセメントはライムストーンを高温で焼く製造法の為に膨大なエネルギーが必要である。これに対し、古代エジプト時代にはピラミッドの建設に、ローマ時代にはコロッセオ等の建築物に使われてきた4000年の歴史が有るジオポリマーセメントは製造にエネルギーを必要としない。これに代えればファクター10でも達成が可能である。
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19 Mar 2012   01:11:37 am
国際政治と地球環境
冷戦の終結が地球温暖化対策を遅らせた

 3月18日のBadische Zeiung(バーデン新聞)電子版に掲載されたフォン・ヴァイツゼッカー教授のインタビューから抜粋して紹介する。

BZ(記者): ヴァイツゼッカーさん、あなたは飛行機を良く使っていますが、飛行機を利用する事に環境学者として後ろめたさは感じませんか?

W教授:当然感じます。航空機は地球温暖化には最悪の乗り物です。それにも拘わらず私は世界中の会議に出席する為に飛行機を使います。それは、中国、インド、ブラジル等、今インフラを作ろうとしている国が、将来、巨大な地球環境の敵となってしまわないようにする為に働いているのですから、私の航空機利用は許されると信じています。

BZ: 20年前にリオで締結された気候変動枠組条約は、「国際的な協調はするが、自国の経済を損なわない程度にと言う条件付き」でしたが、これは20年経った今どうなっていますか?

W教授: それにより悲劇が生じています。1992年当時、私はリオの会議に深く関わっていましたが、当時地球温暖化問題、持続可能性についてかなり突っ込んだ議論がされ、大変手ごたえのあるものでした。その実行の為には世界は年間50兆円の支出をするはずでした。しかし、それは起きなかった。

BZ: どうしてですか?

W教授: 1990年当時は国家がまだ力を持っていました。市場は国家の定めたルールに従っていました。それは冷戦が存在していたからです。市場は共産主義からの波を防ぐ防波堤の役目を国家に求めていました。その為に企業は国家に協力していました。共産主義国家が崩壊し、資本家は国家と協調する必要が無くなりました。企業は株主にしか責任を感じなくなってしまいました。企業は国家に対し税金を下げなければ国を出て行くと脅して税金を下げさせました。これが税金が安くなるスパイラルの始まりで、こうして国家の財政は急激に悪化し、その為にリオでの約束を果たす事ができなくなった。
カテゴリー : 他メディアより | Posted By : dantesforest |
18 Mar 2012   07:13:04 am
照明の省エネ効果
LEDに交換するだけで原発はいらなくなる

 出力200万kWの発電所1000基分の電力を消費する照明は省エネを始めるのには大変に簡単な分野でもある。電球をLEDランプに交換するだけでファクター5が達成できる。つまり、もし今すぐに白熱灯を全部LEDに換える事ができたら、地球上の全ての原発を直ちに停止できるのである。

 白熱灯が電気から光に変換しているのは1.6〜2.6%だけで残りは熱になって大気を暖めている。それに対し蛍光灯は5.9〜16.1%であり、LEDは2.9〜14.6%である。まだ開発途中の技術であるLEDの変換効率はこれからもっと向上すると言われている。

 昔からなじみの60Wの白熱灯が出す光の量は約800ルーメン(Ln)である。これを基準に比較表を作って見た。

 この中で最長寿命のLEDの4万時間を点灯した場合の比較表である。価格は現在市販のランプの価格で計算してみた。白熱灯では電気代が55200円になりトータルコストで最高となる。蛍光灯やLEDとの差が歴然である。

 蛍光灯には水銀が含まれており、別途回収して水銀をリサイクルする必要があるのだが、現状ではリサイクルされているものは13%に過ぎず残りは埋め立て処分されて環境汚染を起こしているので、環境負荷の点からLEDへの切り替えが望まれるが、初期投資が蛍光灯900円に対しLEDは7000円とまだまだ高価である。しかし半導体製品であるので量産効果は大きく市場の拡大と共に価格は必ず下がる。
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17 Mar 2012   12:05:39 pm
照明の省エネ
アメリカ、日本は無駄に照明を使っているとしか言えない。

 照明が消費する電力は大変大きく、世界で年間約2000テラワット時(TWh)を消費している。これは最新型の発電所(一基あたり200万キロワット)の1000基分の電力量である。その燃料費は石油換算で年間20兆円を上回り、排出するGHG(地球温暖化ガス)は約18億トンである。

 以上は電気を光源に使っている国々の事であるが、世界には石油や、ローソク、木材を光源に使っている人達が3人に1人の割合でおり、そこでは3600ペタジュール(PJ)の燃料が燃やされ2億5000万トンのCO2が排出されているが、そこで得られる光の量は白熱電球の20%でしかない。

 照明の内訳は世界平均で住宅28%、サービス48%、産業16%、道路その他8%となっている。

 主な国別の照明電力は資料が1997年のものしかないが、アメリカ450TWh、日本146、中国122、ドイツ68、英国57、インド55、ブラジル47であるが、これを人口一人当たりに計算しなおすと、アメリカ1679kWh/年/人、日本1164、英国830、ドイツ823、ブラジル281、中国99、インド57に変わる。これを端的に示しているのがNASAが撮影した夜の地球の写真である。

 真っ黒に見える地域には30億人の後発発展国が有る。その暗黒にソーラーパネルとバッテリーとLEDランプを組み合わせたソーラーランプを手作りで設置している最貧のおばあちゃん達「ベアフット・カレッジ」の話は1月12日のブログに書いたので読んで戴きたい。

 夜の地球を拡大してご覧になりたい人は次のURLで見ることができる。画面が開くのに暫く時間が掛ります。開いたら画面上でマウスをクリックすると更に拡大ができます。

http://www.solarviews.com/raw/earth/earthlights.jpg

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