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26 Mar 2012 06:05:29 am |
省エネのパラダイム |
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何故、環境問題は最重要課題にならないのか?
我々は過去の経験から、まず我々自身が豊かになる事、財力が十分になれば環境問題にも回せば良いと思っている。これは、過去に産業先進国の発展途上の時代にあちこちで起きた公害問題を解決してきた経験則から得た考えだ。
どの国も始めは貧乏で美しい、そこで工業化が起きると豊かで汚くなる。そのうち財力に余裕ができ、豊かで美しい国になる。いずれの国の経済政策も環境政策もこのパラダイムから考えられている。
ここで問題になるのは環境問題にはこのパラダイムは適応できないと言うことだ。
15年前に書いたファクター4で50以上の例をあげて資源を4倍に使う方法を述べた。その中でリッター26kmの燃費のハイパーカーを実際に作った。この話をドイツ、スエ―デン、アメリカの自動車メーカーの幹部と話したが、このような大幅なモデルの変更には数千億円のお金が掛るので、もしこの車が売れない時のリスクを考えて株主はゴーサインを出さないであろうと言うのが大方の考えであった。
車の他にパッシブハウスは10倍の省エネができるし、白熱電球をLEDに交換すれば10倍の省エネが可能である。繊維製品も4倍の省資源が可能な素材ができている。鉄鋼も5倍の寿命と資源の節約ができるものがある。この他いろいろな分野を総合する事で4倍〜5倍の省資源、省エネは掛け値なしで実現可能である。
ファクター5は省エネで改善されたエネルギー消費分を環境税としてエネルギー価格に上乗せする事でエネルギー価格が上がる制度を提案している。この制度では同一のサービスを得るのに消費者が負担する金額は変わらないがエネルギー価格は上がり続けることで、企業には更なる省エネへのモチベーションとなり消費者は無駄なエネルギーを使わない道を選ぶ持続可能経済のサイクルが回り始める。どうしてもエネルギ―価格の上昇にはついて行けない産業分野には補助政策を適用して援助する。
エネルギー価格は市場任せにするべきでは無い。
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カテゴリー : Factor Five |
Posted By : dantesforest |
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25 Mar 2012 08:16:55 pm |
食べカスでバス走行 |
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食糧残飯からバイオガスを作り市バスを運行―オスロ市
2012.3.23 Environment News Serviceから
ノルウェー、オスロ発
来年から、オスロ市内を走る市バスは、パン屑、バナナの皮、コーヒーかす、その他の食糧残飯から作られたバイオガスで走行する。
ノルウェーの首都人口50万人のオスロ市では、バイオガスプラントを建設し市バスの燃料と同時に農家向けのバイオ肥料を製造する。
このバイオガス工場は年間5万トンの食糧残飯を処理する。市内を走る135台のバスの燃料とオスロ近郊の中規模農家100戸にバイオ肥料を供給する。
現在既に65台の市バスが市の下水から作ったバイオガスで運用されており、来年からは合計200台のバスがバイオガスで運行する事になり、これは年間400万リットルのディーゼル燃料に匹敵する。
このバイオガスプラントはノルウェーのCAMBI社が受注し、熱加水分解(Thermal Hydrolysis)技術で稼働する。
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Posted By : dantesforest |
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24 Mar 2012 02:34:49 pm |
CO2排出量取引 |
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国家よりも地域ですすむ排出量取引き
地球温暖化対策のツールとしては環境税によるエネルギー価格の高値誘導、再生可能エネルギーの買い取り制度(FIT=Feed In Tariff)、CO2の排出量取引がある。
2011年末にメキシコ・カンクーンで開かれたCOP16は、京都議定書後の枠組みについては2012年の南アでのCOP17への先送りとした。
それにともない、日本は排出量取引の議論を棚上げにすると決めた。民主党のマニフェストに有る「国内排出量取引市場を創設する」も棚上げとなった。アメリカのオバマ政権は2011年11月の中間選挙で大敗を期した為に排出量取引き法案の議会通過の可能性をあきらめた。今やヨーロッパだけが推進しているかに見える。
しかし、地方レベルではいずれの国でも排出量取引きが進められている。アメリカでは23の州で実施か実施の方向で進んでいる。オーストラリアでも州単位で取引が行われている。東京都は埼玉県と共に2011年4月から実施されている。
国レベルでは足並みが進まない排出量取引であるが地方レベルでは着実に広がってきている。地域単位になると住民の意識や産業構造に共通点が見つけやすく、意見がまとまりやすいからである。
国内排出量取引は、政府が自国内の企業に温室効果ガス削減を義務付け、目標より多く削減した企業が余裕分の排出枠を他の企業に売却する仕組み。排出枠を売買する市場が形成され、需給状況や経済情勢によって価格が上下するようになる。EUでは域内の企業に排出枠を設定し、それを超過すると罰金を徴収する制度を導入。各企業は排出削減に努める一方、余った排出枠を取引が活発に行われ、1日で数百万トン分の排出枠が売り買いされている。現在のCO2排出量1トン当りの相場は15ドル付近である。
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23 Mar 2012 06:02:19 am |
ビッグデータ |
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持続可能社会のバックボーンとなるスマートグリッドに必要な技術
何億と言う情報のビットが建物、車、工場、倉庫、会社、政府、代理店、銀行、クレジットカード、信号、スマートグリッド、携帯電話、がLANで、WiFiで接続されており、送られ、受け取られ、複製され、記憶されている。
携帯端末は100億台を突破し、その一台一台はパワフルなコンピュータである。IDCによると2011年に2ゼタバイト(Zetta Byte=10の21乗byte) 20垓(がいは京の上の単位)バイトの情報が世界で記憶された。IBMによれば25億ギガバイトの情報が毎日作られている。これらを扱うのがビッグデータの世界である。ビッグデータでは128bitのアドレス空間で計算や情報交換が行われる。
IT業界では、この技術は持続可能社会のスマートグリッドには必要不可欠であるとしている。
いろいろな種類の発電プラント、家庭の屋根のソーラー発電機、家庭の風力発電機、その他の形態の小口発電設備、電気自動車(EV)などの情報がすべてスマートグリッドに繋がれる。
このビッグデータを研究する為にIBMはミネソタの30万平米の自社工場に25万個のセンサーを設置して、15分毎に250万個のデータを集めている。1日に2400万データが集められている。マイクロソフトはレーモンドのパイロットプラントで1日500万データを集める実験をしている。これらは省エネビル管理の情報である。
これらは固定されたセンサーからの情報であるが、将来はEVに設置された情報端末は、他のEVとの情報交換、スマートグリッドとの情報交換、位置情報、道路情報、安全情報などのやりとりがリアルタイムで行われるので、情報量は更に増える。
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22 Mar 2012 09:59:34 am |
ファクター4とファクター5 |
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政策立案者はファクター5を読むべき
ファクター5では数々の実例を挙げ、80%の効率アップが可能であるのみならず既に何人かの先駆者たちが実行している事を報告している。
これらを実行する事で殆ど全ての分野で劇的な効率改善と省資源が可能であり、新しい経済社会の発展が有ると説明している。
実は、このメッセージは15年前にフォン・ヴァイツゼッカー教授は前著「ファクター4」で述べていた。ファクター4では50の実例で資源を4倍に使う方法を述べていた。
著作チームのAmory Lovinsは実際にリッター26kmの燃費のハイパーカーを作って走らせて見せた。チームはこれで世界中の自動車メーカーは低燃費車で競争を始めると期待を膨らませた。果たして結果はどうであったか?
アメリカの自動車産業は新しいカテゴリーSUVを作りだした。その代表格のハマーはこれまでの車の倍の燃料を消費したが、サブプライムローンで郊外に建てた建売住宅からの長距離通勤と言うライフスタイルにマッチしてSUVは一世を風靡してブームは世界へと広まった。
また、ファクター4が警鐘を鳴らしたフードマイレージも顧みられる事も無く増え続けた結果、運輸部門の燃料消費もこれまでにないほど増加した。結果として地球環境はこれまでにないほど悪化した。
一体、何が間違ったのか?
殆どの人は「何もまちがっていない」と答えるだろう。この間中国を牽引役に世界経済は成長を続け、それを市場は享受した。
経済が順調に進んでいる限り人々は環境問題には興味を示さない。企業は環境問題より売上と利益の増加に集中するものなのだ。
リーマンショックが起きた時、人々は又、持続可能性について考えるようになったが、経済が発展する時には環境対策が停止すると言う時間のロスを起こさせない仕掛けが必要である。奇跡の惑星地球にはもう時間が無いのだ。
環境問題は市場には任せてはおけない。ここにこそ国家の指導力が必要だし、国家の存在意義が有る。
ファクター5にはその解答が書かれている。政策立案者には是非読んでもらいたい。
ファクター5(英文)はAmazon.com等で購入できる。次はそのURL。
http://www.amazon.co.jp/Factor-Five-Transforming-Improvements-Productivity/dp/1844075915 |
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カテゴリー : Factor Five |
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