ダンテの森    
15 Apr 2012   06:43:30 am
環境マネージメント
省資源技術は過去には更なる資源消費を招いた

 21世紀の最大の課題は経済発展における環境マネージメントである。

 人類がこれまで経済発展と言うと必ず資源消費の増加が伴っていた。資源とは木材であり、石炭、石油、水、その他の鉱物資源のことである。森林の減少や油田開発による自然破壊が起きてもそれが経済発展にブレーキをかける程の障害にならない限り問題にはされる事がなかった。気候変動でさえ、この状況を変える事は無かった。

 ニコラス・スターンは「我々が次の10年間にできることは、今我々が直面している環境問題は20世紀の世界大戦や経済危機で失ったものより更に大きなものを失うであろう。そしてこの失おうとしているものは、取り返す事が非常に困難であるか、全く不可能である。故に我々は緊急に決定をしなければならない。」と言っている。

 しかし、これは簡単な問題ではない。何故なら経済界は経済は発展を続けなければならないものとしており、その為にはもっと資源の消費が必要であると考えているからである。

 ファクター5の第一部では省資源は我々の生活の快適度を損なう事無く達成できる事を数々の実例を上げて説明している。しかし過去の経験によると、省資源技術が成功した分野では、更に消費が増える結果となっている。これを省資源のリバウンド効果と呼んでいるが、この問題を克服せずに環境問題の解決はない。

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14 Apr 2012   05:58:11 am
新素材と環境負荷
ライフサイクルアセスメントで評価をする事が必要

 炭素繊維を製造する際には、石油を精製して得られたアクリロニトリルを紡糸、焼成して炭素繊維にする。この際1000℃以上の高温で焼成するので、炭素繊維1トンを製造する際に20トンのCO2を排出し、一見環境負荷が高いように見える。

 しかし、この炭素繊維の環境への影響を、LCAライフサイクルアセスメントという手法により、原料採掘から炭素繊維製品の使用、廃棄までを含めたライフサイクルで評価する事ができる。その結果、自動車に炭素繊維を使用して車体構造を30%軽量化した場合は炭素繊維1トン当たり50トン、航空機で機体構造を20%軽量化した場合は1400トンの削減効果が10年間のライフサイクルで得られる。

 例えば、日本の乗用車(軽自動車を除く保有台数4200万台)や旅客機(保有機数430機)に炭素繊維が採用され、軽量化による燃費向上を図れば、そのGHG削減効果は3200万トンになる。これは、2006年の日本国内CO2総排出量(13億トン)の約1.5%に相当し、炭素繊維はCO2削減効果は大きい。

 東レが2011年に発表したコンセプトカーTEEWAVE AR1(写真)はCFRPモノコックボディーで重量900kgと従来のEV車の2/3と軽量である。航続距離185km、最高速度147km/h、最も大きな特徴は衝突安全性が2.5倍になっている事である。

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13 Apr 2012   05:56:50 am
新素材による省エネ
カーボンファイバー技術で航空機の燃費を向上

 ボーイングの最新鋭中型旅客機「787ドリームライナー」。従来機よりも燃費が良く、巡航速度も高速で、長距離路線を効率よく運航できると期待されている。また、日本企業が機体製造の約35%を受注したことでも話題となった。

 一般的な航空機の機体は、アルミ合金(ジェラルミン)でできている。だが787は、機体重量70トンの半分以上が「炭素繊維強化プラスチック」(CFRP)で構成される。この炭素繊維複合体は東レの製品で商品名はトレカ(TORAYCA)である。

 CFRPは低密度高張力で鉄と較べると比重は1/4、引っ張り強度は10倍、比弾性は7倍と優れているため機械設計の自由度が広がる。787型機の窓の高さは従来の39cmから47cmに、面積は約1.5倍になった。 気密度が上がり1800m高度の気圧に保つことができるので、高度が変わっても耳がツ―ンとする度合いが少ない。主翼の全長を25%長くする事ができ航続距離が15,200kmに伸びた。

 これらの結果燃費は従来機の20%向上した。
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12 Apr 2012   05:56:25 am
鉄道の省エネ技術
燃料電池車は原発をおはらいばこにできる技術

 交通機関において鉄道は自動車とは較べものにならないほど環境負荷が大変低い優等生であるが、ファクター5では更に効率アップが可能であるとしている。

 鉄道では従来からブレーキを掛けた時にエネルギーを取り出す回生制動を行っているが、この技術は同一区間内の列車の運行状況によっては回収された電力がうまく消費されない事も有り、その最適化は大変な努力が必要である。

 鉄道の効率アップの為に投資を行っているのは日本とスイスだけと言って良い。世界の自動車の開発費は鉄道の100倍以上である。投下した資本は鉄道では30〜40年も使われるのに対し自動車はわずか10年にも満たないのにである。

 スイス鉄道はエネルギー効率を60%向上させるのを目標に開発計画を立てている。この計画は回生制動で得たエネルギーを如何に有効に利用するかを、回転摩擦の低減、車両重量の軽減、空力の改善などがその項目である。スイスの鉄道は世界の平均に較べ大変高い効率を誇っているが、更なる開発が続けられている。

 日本では近距離輸送用のE231系が開発されたが、これは従来の103系に較べ50%の効率向上を達成している。用いられた技術はスイス鉄道と同様の項目であるが、この車両の部材の90%はリサイクル可能である事が新しい。

 JR東日本で開発されたディーゼル・ハイブリッド車両は従来のディーゼル車より20%も燃費が向上している。

 JR東日本は図の様な燃料電池車両の開発を行っているが、この車体はディーゼル・ハイブリッド車両をそのまま使っている。燃料電池列車の開発が成功すれば原発を頼りにしなくても良い世界が作れる。
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11 Apr 2012   06:09:35 am
建築の省エネ基準
新築住宅・建築物の省エネ基準適合が義務化、まずは大規模建築物から

 国土交通省、経済産業省、環境省は、4月3日、「低炭素社会に向けた住まいと住まい方推進会議」の第4回会議を開催し、住宅・建築物における省エネを推進するために、今後取り組むべき各施策について、工程表をとりまとめた。

 会議では、東日本大震災により新たに生じた課題等も踏まえて、目標設定や施策を検討するにあたっての基本的な考え方と目標を整理し、中間的にまとめた。概要は以下の通り。

 より高い省エネ性能の住宅・建築物の建築推進に向けては、住宅・建築物のライフサイクルの各段階におけるCO2排出量なども総合的に評価するために2012年度以降早期に、住宅性能表示基準を改正する。太陽光発電等によるエネルギー創出量なども勘案する。

 新築住宅・建築物の最低限の省エネ性能を確保するために、2020年までにすべての新築住宅・建築物について段階的に省エネ基準への適合を義務化する。新築住宅・建築物の規模を大規模(2,000m2以上)、中規模(300〜2,000m2)、小規模(300m2未満)に分けて、まずは、大規模の建築物から義務化を導入していく。大規模・中規模の建築物は届け出、小規模建築物は努力とする。義務化の水準は、見直し後の省エネ基準を基本に、義務化導入時点での省エネ基準達成等を勘案して設定する。省エネ基準の改正は、非住宅で2012年度中に、住宅で2012年度以降早期に施行する。

 その他、技術者教育、性能表示制度、スマートメーターとの連携、電力需要に応じた時間帯料金体系によるインセンティブ付与、HEMS・BEMS等の導入支援、ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス−ビル標準の導入等が盛り込まれている。

次のURLで資料が閲覧できる。
http://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk4_000060.html

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