ダンテの森    
10 May 2012   05:59:17 am
中国、米国の省エネ
意外と進んでいる中国とカリフォルニア州

 世界のエネルギー消費大国はアメリカと中国である。

 2006年に中国では新建築基準(Design Standard for Energy Conservation in Civil Buildings)が導入された。この基準は建築主と建築請負業者に対しエネルギー効率の高い材料の使用と暖冷房、換気そして照明に省エネ設計と省エネ機器が使用される事が義務付けられた。これは第11期五カ年計画の建築部門の目標である高効率エネルギー建築化に基づいている。

 アメリカにおいては基本的に各州毎に建築基準が定められている。このことは1995〜2006年までのレーガン、ブッシュ、W.ブッシュ政権の間それなりに機能した。1970年代から一定割合の再生可能エネルギーの義務化が導入された。後年になり異常気象が地球温暖化から来るものと言う理解の浸透や原油価格の高騰が後押しする力になった。特に広大な面積を保有する農家にとっては太陽光パネル発電所や風力発電所を新しい収入源になるとの考え方が広まっている。

 マサチューセッツとカリフォルニア州は他の全米とは異なる推移を示している。この両州では「安い事は良い事」を合言葉に電力事業者は常に低価格の電力を選択した。省エネ機器の使用が進む両州においては電力需要は頭打ちとなるので、仕入れ価格を下げる事で業績を上げる事を迫られたからである。これはファクター4で紹介した1970年代にAmory Lovinsが提唱したネガワット(Negawatts)の考え方に合致するものであった。コスト削減の目玉は新しい発電所を建設しない事であった。新発電所は地元住民の強い反対の中での建設となり、多大な補償と工期遅延による損失がついて回り、高くつくからである。

 州政府は省エネ機器の使用が広まった為に、減少した電力使用量に応じた電力料金の値上げを認めた。電力料金が上がっても、使用量が下がっている為に使用者の支払い金額は変わらないからである。この政策により全米平均の一人当たりの電力使用量が年々増え続けているのに対しカリフォルニア州では1970年から35年間増えていない。(図参照)

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09 May 2012   10:46:09 am
気になる竜巻報道
ことさら地球温暖化を遠ざけている感じを受けた

 ゴールデンウイークの最後の日曜日に発生した北関東の竜巻についてのメディア報道を見ていて気になる事が有る。今回の竜巻・スーパーセルの発生と地球温暖化を結びつけるような報道も論評も全く無い事で有る。まるで各社申し合わせでもしたかのようで気持ちが悪い。

 新聞各社の電子版をネットで調べて見た。5月7日と8日の読売、朝日、毎日、日経、産経の社説、コラム、社会、科学、環境面を見た。社会面では全てが竜巻について報道しており、その中で竜巻発生のメカニズムについては、各社とも図入りで詳しく解説しているが、地球温暖化との結びつきまで踏み込んだ解説は無い。読売と毎日はコラムで竜巻を取り上げていたが、そこにも地球温暖化との関わりは書かれていなかった。5月7日の読売の科学欄には竜巻のメカニズムが詳しく解説されており、その原因にジェット気流の蛇行とまでが書かれていたが、その先までは言及されていなかった。

 5月8日のネット専門のメディアzakzak.co.jpでは“殺人竜巻”6月が危ない!関東や東海は警戒必要と専門家と題した記事がありその中で、「今年に入ってから記録的な大雪、爆弾低気圧にも襲われている。やはり何かがおかしい。「観測史上異例の現象が次々に起きている。地球温暖化が気候変動に影響を与えているのは間違いない」と指摘するのは、気象研究所の元室長で『異常気象学入門』(日刊工業新聞社)の著書がある気象評論家、増田善信氏だ。増田氏は自著などで数年前から「温暖化で竜巻や集中豪雨が増加する」と警告してきた。「前線の動きが活発になる6〜7月は竜巻が起こりやすい状態が続く。気温が上昇しやすく、風が集まりやすい場所は特に危険で、地形からいって関東の内陸部や東海地方の太平洋沿いなどでは警戒が必要」とあった。

 IPCCは異常気象は地球温暖化から来ていると警告を発しており、現在はアメリカでさえそれに反対は唱えていない。異常気象の原因が地球温暖化から起因すると言う事をことさら躊躇するメディアの姿勢は大変気になるところである。もしメディアが単に気が回らないでいるとしたら、それはそれで日本にはジャーナリストが消えてしまったと言う証拠になってしまい大問題である。

ネット上では次のように取り上げられている。

http://blog.goo.ne.jp/sksoo/e/78e9a670d178e8366a697f980fad05a3

http://www.plus-ondanka.net/
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08 May 2012   05:48:10 am
徒歩の都市
歩行が移動手段の基本になるような都市計画

 20世紀に入るまでの世界の大都市は全て徒歩で用が足りる様に作られていた。一部の上流階級が住む大都会では馬車に依る交通が可能な道路が整備されていたが、都市そのものは徒歩で用が足せる程度の大きさであった。

 やがて鉄道が作られ、都市は放射状に発展して行く。密集した中心部から放射状に道路と鉄道が引かれ、要所は副都心として発達して行った。ヨーロッパでは今でもこの都市の形態が続いているし、アジアの都市でも似ている。ムンバイでは84%が公共交通機関による移動が行われ、香港、上海、チェンナイとダカールでは70%が公共交通機関が交通を担っている。

 これとは反してアメリカとオーストラリアでは移動手段の殆どは自動車で、公共交通機関は10%に満たない。逆説的になるが、アメリカとオーストラリアの都市ではエネルギー消費つまりGHG(地球温暖化ガス)の排出量の削減でファクター5の達成が容易であると言える。いままで一人を乗せて25台の乗用車が走っていたのをバスに25人を乗せる事ができれば86%の省エネが達成できる。バスを鉄道に代えれば更に省エネができる。

 8000年前に人類が集落を作り始めて以来、移動手段は徒歩が基本であり、その移動距離は1kmから5kmであった。

 カナダのバンクバーのエコ・シティー・イニシアティブは移動手段の優先順位を‥綿癲↓⊆転車、8共交通機関、け秦の為のデリバリーバン、ズ埜紊望萢兌屬鳩茲瓩董都市計画を行っている。歩道の幅を拡張し、樹木を植え、ベンチを配置して歩くのが楽しくなるような歩道を作った。夏の強い日差しや雨をよける為にひさしを長くしたり、テントを作った。その結果歩行者の数は44%増加し、移動の手段としての歩行は27%増加した。
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07 May 2012   05:58:17 am
原発の無い日本
原発の代わりは省エネで

 昨日から日本では原発が動いていない。電力会社はこの夏の電力不足をPRしているが、もともと電力量は猛暑の夏のピーク時に合わせ、もともと30%の原発と10%の火力発電所が保守点検で止まる事を考慮した上での需要予測であるので、本当の電力不足で停電になるとは思えない。電力会社が勝手に立てた売上予算に合わなくなり、採算が悪くなるだけの話である。

 電力業界ではすでに原発に代わる化石燃料を燃やす発電所の増設を検討する等と言い始めているが、とんでもない事で有る。それでは、再生可能エネルギーの太陽光発電所や風力タービンをそこいらじゅうに作ると言う事でも無い。

 解決策は「省エネ」である。

 建築物を高断熱構造にする事で暖冷房に掛るエネルギーを80%節約できるパッシブハウスについてはこのブログで何度も書いて来た通りである。これは何も新築に限らない、リフォームで十分に対応可能である。集合住宅や商業ビルを外断熱構造にして空調システムを改造する技術も確立している。

 重工業の分野では、例えばセメントをポートランドセメントからジオポリマーセメントに換える事で製造時に使うエネルギー量が80%節約できる。

 農業分野では点滴灌漑にする事で、水の使用量が80%少なくなり、灌漑用のポンプなどで使うエネルギ―を80%節約できる。同時に肥料の使用量は95%少なくなる為に高温・高圧力を使う化学肥料工場を幾つも停止する事が可能になりそのエネルギーが節約できる。その上、土壌汚染や富栄養化の為に起きている湖沼のアオコや海の赤潮もなくなる。

 東北の被災地の市街地の再建は都市設計を持続可能性都市とする事、つまり自動車によらない移動が可能な都市づくりを計画し、徒歩で用が足せる街、自転車で通勤・通学が可能な街を作る事で、都市が消費するエネルギーを大幅に少なくする事ができる。東北は世界のモデル都市を作れる最大のチャンスである。

 これらはこのブログで毎日書いてきていることであるが、達成できる省エネは数%等ではなく数10%〜80%の省エネができるので、原発が全部止まってもまだ電力は余り、旧式の火力発電所はつぎつぎと停止できる。

 省エネは最も手っ取り早いエネルギー源なのである。電力会社が今でも企業の規模を大きくする事を長期計画にしているとすれば、それは我々の目指す持続可能性社会には適応できない企業の有り方である。
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06 May 2012   06:24:58 am
都市混雑課税(渋滞税)
実施した都市では市民の支持が得られている。

 今日は、日本から原子力発電所からの電気が無くなった記念すべき日である。

 2000年、コロンビアの首都ボゴタは市内の自動車数の増大にストップをかけた。ガソリン税は20%に上げられた。ラッシュアワーには40%の自動車は通行が禁止となった。ボゴタ市はノ―・カ―デ―を制定し、一年に一日は一切の個人所有の自動車の市内乗り入れを禁止した。この取り組みは世界の大都市から羨望のまなざしで見られている。ボゴタ市の自動車制限への挑戦パッケージは公共交通機関の利用を推進したした事で市内の渋滞が解消しただけで無く大きな効果があった。市内交通の平均速度は43%早くなり、通勤時間が29%短くなり、交通事故件数が28%減少した。ボゴタ市は更に強力な計画を進めており、2015年には毎日6時間は個人所有の自動車の市内乗り入れが禁止される。これは2000年に市民投票が実施され、市の再生を図る為に車の使用をやめ道路を歩行者と自転車にかえし公共交通機関を利用する事が、過半数の市民の支持により決定されたものである。

 ボゴタに習って他の国でも混雑課税が導入されているが、その方法はまちまちである。アメリカでは市に入る境界にゲートを設けあらかじめ購入した電子式のパスが無ければゲートは開かない。但し、バス、タクシー、緊急車両と市内居住者には無料パスが支給されている。ミラノでは指定された省エネ性能の優れた車は市内乗り込みが許される。ノルウエ―では指定を受けた軽自動車には特別許可が与えられている。

 最も注目すべきは2003年にロンドン市長が行った市内混雑地域の一部道路の封鎖である。その効果は交通量が21%減少した為に、粉塵と窒素酸化物が12%減り、地球温暖化ガス排出量が20%減った。公共交通機関は2006年と2007年だけで、160億円(1億2300万ポンド)の増収があった。この結果ロンドン市民から混雑課税に対する理解を得る事ができた。これを実施したKen Livingstoneは世界的に有名な名市長となった。彼は混雑課税を1日1000円から3200円に上げようとしたが、彼の後任者はその実施を見送っている。

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