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05 Jun 2012 06:34:39 am |
先進国の責任 |
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持続可能な開発の進め方
現在地球上に70億人の人類がいる。この内10億人が先進国(OECD諸国)であり、それに続いて中国、インド、ロシア、ブラジル、インドネシア等の超大国を含む開発途上国の30億人が急速な発展をしている。さらに30億人が後発開発途上国と呼ばれる貧困な国々で人間が生きる事が出来る最低のレベルでの生活を強いられている。4億人の人々は1日1ドル以下の生活を強いられている。また、14億人以上の人々は安全な飲み水を得る事ができない。地球上で人類が消費するエネルギーの90%は先進国の10億人によって消費されている。地球上の資産の90%も10億人が住む既開発国に集中している。
現在のエネルギー問題は先進国が産業革命以来200年にわたって地球の資源が有限である事を考えずに開発・発展を続けた結果である。残りの60億人の人達の責任では無い事は明らかである。先進国はこれまでの悪行のつけをまず払えと先進国以外の国は主張している。
いま開発途上国ではインフラの整備の為の土木工事、ビル、住宅建設、自動車の増加がものすごい勢いで進んでいる。これらを持続可能性な開発にして行く手助けを行う必要がある。例えばセメントはポートランドセメントでは無くジオポリマーセメントを使う、建築物は高断熱構造、照明は自然光の有効利用とLED等の高効率光源の利用、等いずれもファクター5の中で実証例が示され省エネの為に投下された資本は数年から数十年で回収できる経済性も立証されているものばかりである。これらの持続可能な開発の為に有用な技術を開発途上国が最初から利用できるように先進国は援助をすべきである。
彼らに先進国の歩んだ道を繰り返させない為に。
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カテゴリー : Factor Five |
Posted By : dantesforest |
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04 Jun 2012 06:32:06 am |
新蓄熱技術 |
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小型軽量応用性の高い蓄熱法
Fraunhofer-Gesellschaft Research News Jun 01, 2012
再生可能エネルギーとして注目されている、都市排水、食品廃棄物、畜産農家等から得られるバイオガスプラントで発電が行われるが、同時に発生する多量の熱エネルギーの殆どは使用されること無く捨てられ大気を暖めるだけであるが、この新物質は熱を殆どロスなく小さな空間に長時間にわたり貯めることができ、必要な時に熱として取り出すことができる。エネルギーの保存方法の新たな道がひらけるかもしれない。
フラウンホーファー研究所のシュツットガルトIGB境界技術バイオテック研究所はベルリンのゼオシス社ZeoSys GmbHとの共同開発で新技術による熱保存システムを開発した。
新開発のシステムは水の約4倍の熱容量を持つ物質を使う為に同じ熱エネルギーを貯熱するのに水の1/4の体積しか必要としない。さらに、変換ロスが全くなく長時間にわたり100℃以上の温度で貯熱が可能である。ゼオライトと呼ばれる物質は通常イオン交換物質として知られているが、多孔性の為に大きな表面積を持っている。1グラムのゼオライトペレットは1000平方メートルの表面積を持っている。ゼオライトのペレットに高温の蒸気が接触すると物理化学反応が起きて熱エネルギーが瞬時にゼオライトに奪われ水蒸気は熱を奪われて水に戻る。しかし、ゼオライトそのものの温度は上がらずエネルギーは閉じ込められたままとなる。その為に長時間の保存が可能となる。
エネルギーを取り出す時には水を接触させれば瞬時に水は水蒸気となる。数千回の繰り返しにも保存効率の変化や、ゼオライトの物理的摩耗のような変化は認められていない。また、有害化学物質も出さないことが確認されている。現在750リッターの実験プラントが稼働している。研究の次の段階としては、住宅の熱源としての利用が考えられている。間欠性が弱点と言われる太陽光や風力などの再生可能エネルギーの保存方法としての今後の開発が期待される。
http://www.fraunhofer.de/en/press/research-news/2012/june/compact-and-flexible-thermal-storage.html
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Posted By : dantesforest |
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03 Jun 2012 12:18:04 pm |
水資源問題 |
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水不足を招いた元凶は灌漑農業
淡水資源はこのままで行くと後10年で危機的な不足となる。淡水資源不足の最大の元凶は灌漑農業であるとする報告が国連環境開発(UNEP)から2006年に出されている。
世銀をはじめ先進国が開発途上国に対して行って来た農業援助は全て灌漑農業であった。大規模な灌漑用水池、用水の為の運河建設、田畑を湛水させる灌漑農業を広めてきた事に起因している。灌漑農業は莫大な水資源を使用するが、実際に作物が必要とする水は供給される量の数%でしかない。そして、灌漑農業に使われた水はほとんどが蒸発してしまう為に地下水として還元されるのは30%以下である。今日、都市や工業では水資源のリサイクルは90%まで行われているのに、農業では30%以下のままである。
航空機を使っての農薬散布に代表される大変に大雑把な農薬の大量散布や高圧スプリンクラーによる撒水、化学肥料の大量使用などによる環境負荷は大変大きい。農業分野のエネルギー使用や、GHG(地球温暖化ガス)排出は18%と大きい。現在のシステムを全く変えることをしなくても、適時適量を細かく計画的に行うだけで30%の節約が可能であるとしている。また、僅かな投資で実現可能な点滴灌漑にシステムを変えれば70%の水資源と95%の農薬、肥料の節約が可能になるとしている。
また、無制限に水をやるだけのではなく、適正な時期には農作物を水不足状態にする事で逆に収量と品質が向上する方法も開発済みであるとしている。地球の淡水の70%を消費している農業の水効率の改善が唯一の水資源問題の解決法であるとしている。
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02 Jun 2012 06:02:27 am |
世界のCO2排出量 |
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2011年の世界のCO2排出量は10億トン増加――2012/5/24 IEA発
国際エネルギー機関(IEA)の試算によると、2011年に世界のCO2排出は化石燃料の使用量増加により、31.6 ギガトン(Gt)の過去最高値に達した。これは2010年に比較して1Gt(3.2%)の増加である。GHG排出のトップは石炭で45%、続いて石油35%、天然ガス20%であった。
IEAの世界エネルギー・アウトルック2011の450のシナリオが目標とする、地球気温の上昇を2度に50%の確率で抑える事のできる為に、2017年にCO2が32.6Gt以下であるべきとする排出量レベルに肉薄している。450のシナリオはGDPとCO2のデカップリング(関係分離)を実現する為のものであるが、昨年の排出量の増加はそのシナリオの実現への道がさらに遠のいた感を与える。
2011年にOECD諸国は0.6%のCO2排出減に寄与した。最大のCO2増加は中国で7億2千万トン(9.3%)を主に石炭消費の増加によるものであった。しかし、中国はこの短期間に多大な省エネの努力を払った結果2005年から2011年の間にGDP当り15%のCO2減を達成している。もし中国のこの努力がなければ15億トン以上であったと推定できる。
インドは1億4千万トンでロシアを抜いて4位となったが、インドの一人当たりのCO2排出量はOECD諸国平均の15%に過ぎない。ちなみに中国は63%になった。
アメリカの2011年のCO2排出は9千万トン(1.7%)削減された。その主な要因は発電を石炭から天然ガスに切り替えたことと昨年の冬が比較的温暖であった為である。アメリカは2006年以来4億3千万トンの削減を交通機関の省エネにより達成している。EUは6億9千万トン(1.9%)削減している。日本は福島原発事故により石炭火力発電が増加した為に2億8千万トン(2.4%)排出量を増やしている。
http://www.iea.org/newsroomandevents/news/2012/may/name,27216,en.html |
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01 Jun 2012 05:56:40 am |
1kWhのエネルギー |
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エネルギーに対する常識がどうしても過小評価をしてしまう
ぼくたちがエネルギーをどんなに安いものだと思っているかを認識させる為に、ファクター5の著者のフォン・ヴァイツゼッカー教授は一般人相手の講演のときに良く話す例がある。
教授「私は環境学を学ぶ学生に時々問いを出します。ここに10リッターの水が入ったバケツが有るとする。それを海抜0メートルから世界最高峰のエベレスト山、8848メートルの頂上に持ち上げるのに必要なエネルギーは何kWh(キロワット時)かと言うものです。すると学生は携帯電話を電卓にして暫く叩いて見て、だいたい100kWh〜1000kWh位の数字を言います。」
これは純然たる物理学の問題ではあるのだが、ぼくたちのエネルギーに対する価値(価格)がいかに低いかを表す結果となる。当然、学生の中には物理や数学が得意な学生も居るはずだが、おおよそ答えはこの範囲に入るのだそうだ。正解は0.25kWhである。最近日本でもFIT(Feed In Tariff)電力強制買い取り制度の実施がはじまるが、その買い取り金額は1kWhが41円であるので、海抜0メートルから10kgの荷物を8848メートル持ち上げるのに10円の電気ですむことになる。これがぼくたちの常識とはかけ離れた感覚を与えてしまい、計算結果はきっと桁数を間違えたに違いないと0を3個ほど付けてしまうようである。
ちなみに1リッターのガソリンの熱量は約36000kJ(キロジュール)で、これは約10kWhの電力に当る。つまり1リッターのガソリンの持つエネルギーは400リッター(ドラム缶2本分)の水をエベレストの頂上まで持ち上げるエネルギーを持っている事になり、全部電気に換えることができれば410円で売れることになる。それくらいエネルギーは低い評価しか受けていないと言うことになる。
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