ダンテの森    
10 Sep 2011   05:46:16 am
航空機
増加の一途をたどる航空機輸送

航空機の排出する地球温暖化ガスの割合は2%である。ここ10年間の伸びは著しく年率11.6%増加し続けており、2050年には現在の10倍の温暖化ガスを排出することになる。航空会社の費用のうち20%が航空燃料に費やされていることを考えると、航空会社にとっても燃費の削減は大変興味深いものである。
航空機の燃費は過去40年間に70%向上している。旅客機の燃費は1人の乗客を100km輸送するのに必要な燃料の量(リッター)で表わす。2005年には5リッターを達成している。リッター当たり20kmとECOカー並みである。2011年に就航したボーイング787は主翼を炭素繊維複合材(CFRP)にして軽量化を図りさらに20%の燃費向上を達成している。エアバス380は800人を運べ3リッターを達成している。写真の全翼機は低速機とも呼ばれ3000メートル程度の中高度を250km/hで飛行し燃費は20〜30%向上する。

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09 Sep 2011   05:59:48 am
貨物船
日本の地形に最適な船舶輸送

ドイツのニュールンベルグと言う内陸の街に港があり、立派な港湾施設もあるのに驚いた思い出がある。ここはライン・マイン・ドナウと言う3つの河を接続する運河が有り北は北海のオランダ、ロッテルダムからラインに入りこの運河で分水嶺を越えドナウでルーマニアの黒海までつながっており貨物船の往来が激しい。
船舶輸送はトラック輸送に較べて同量の貨物を同距離輸送するのに1/4の燃料しか消費しない。しかし、年間3億トンの燃料を消費するセグメントであるので、効率アップは必要である。
現在使われている重油を天然ガスに切り替えることでCO2排出量を50%削減できる。低摩擦塗料で船体塗装をすることで推進時の水と船体の摩擦を40%低減することが可能である。居住区の断熱処理を改善することで居住区が消費するするエアコン用エネルギーを90%削減することができる。これらを行うことで80%のエネルギー削減、つまりファクター5が達成できる。日本のように細長くて海に囲まれた地形は海運を利用しやすい。長距離は海運、中短距離は鉄道、短距離はトラックとベストミックスを考えた輸送システムを構築する事で更なる効率アップが可能である。

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08 Sep 2011   05:17:44 am
トラック輸送
効率が悪い大型トラック

トラック輸送は増加している。このまま進むとこのさき2050年には倍増する。特に15トン以上の積載量の大型貨物の増加が著しい。アメリカでは大型貨物の台数はトラック全体の台数の5%に過ぎないが燃料は68%を消費している。
特に大型トラックは効率が悪く燃料を100%のエネルギーとして最後に車を動かす駆動力となるのはわずか1%でしかない。
エンジン効率は現在44%であるが、現有の技術を総動員することで55%まで上げる事が可能である。アイドリングの12%は運転席部分や貨物室のエアコンを補機で動かすことで80%の効率アップができる。回転摩擦によるエネルギーロスは車重を軽くする事で可能となり新設計のトラックは約1トンの軽減が可能で、これら全てを実現する事で80%の効率アップつまりファクター5を達成できる。
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07 Sep 2011   06:30:12 am
ジオポリマーセメント(2)
CO2を80%削減できるジオポリマーセメント

人類が消費する資源の中で水に次いで多く消費されているセメントは、2005年には世界で1年間に2.5GT(ギガトン=25億トン)のセメントが生産されており、さらに増産が続いている。金額に換算すると2008年には1,810億ドル(1ドル77円として13兆8千億円)で年率5%で増加している。2030年には5GTになるだろうと予想されている。セメントを生産するために2005年には18億トンのCO2を排出しこれは約8%である。現時点で最大の生産国は中国で2000年から2006年まで年率13%で生産量が増えている。2008年には世界の半数を中国が生産している。2030年において5GTのポートランドセメントを生産するためには36億トンのCO2を排出することになるが、これをジオポリマーセメントに全て置き換える事で4億5千万トンのCO2排出量(80%の削減)とする事ができる。中国、インドに続く発展途上国の建設に欠かせないコンクリートは必然的にジオポリマーセメントに置き換える必要がある。
図は1990年から2050年までのセメント生産量の推移を発展途上国、インド、中国、発展完了国(OECD諸国など)に分けて示したものである。
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06 Sep 2011   06:20:47 am
再生可能エネルギー(2)
優良エネルギー源「地熱発電」

地熱発電は石炭、石油、バイオマス、原子力にかわる、もう一つの有力な連続性の有るエネルギー源である。地熱は再生可能ではないが最小の環境負荷のエネルギー源である。地熱の持つエネルギー量は地球全体の消費を100年いや1000年もの間供給する事ができ、発電設備は従来の火力や原子力の発電設備とそのインフラや技術をそのまま使う事ができるので、近年たくさんの国々で積極的に地熱発電所を建設している。2001年にはアイスランドは75%、フィリッピンは27%、ケニヤは12.4%、コスタリカは11.4%、エルサルバドルは4.3%を地熱発電から得ている。オーストラリアは世界で最も巨大な乾燥滞熱岩盤(Hot Dry Rock)を有しており、全オーストリアを数千年に渡り供給し続けるだけの熱を蓄えている。この地下深くに有る滞熱岩盤に達する縦穴をボーリングしてその一本に高圧の水を注入して別の一本から熱せられた水を取りだす。熱せられた水は熱交換器を介して蒸気となり発電用タービンを回して発電する。熱交換器から戻された水は又地下へと注入され水資源の無駄にはならない。この方法は既に実証されている。日本には言うまでもなくたくさんの地熱発電候補地があるが、開発は大幅に遅れている。
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