|
19 Aug 2014 09:44:13 pm |
凍土壁は結局失敗 |
|
|
凍結止水断念の恐れ 第1原発トレンチ、作業完了できず
2014年8月15日 福島民友ニュース
東京電力福島第1原発の海側で電源ケーブルなどが通る地下道(トレンチ)の凍結止水工事が難航している問題で、東電は14日、氷とドライアイスの投入を続けてもトレンチと2号機タービン建屋の接続部の汚染水が完全に凍結していないと明らかにした。原子力規制委員会から指示された今月中旬までの凍結完了の達成が事実上不可能となった。
東電は、19日に開かれる規制委の会合で検証結果を報告するが、専門家には実効性を疑問視する意見が根強く、凍結止水の断念を迫られる可能性が出てきた。
凍結止水は、接合部付近の汚染水を凍らせて水の流れを止め、トレンチ内の汚染水を抜き取るのが目的。東電は「水温を5度まで下げられれば約2週間で凍る」と想定。7月下旬から今月13日までに氷約307トンとドライアイス約2.1トンを観測用の穴から投入した。
原文URL: http://www.minyu-net.com/news/news/0815/news10.html
小ブログでは2013年8月8日にこの凍土壁を批判している。つぎは、そのブログからである。。
凍土方式はとんでもない方法である。1.4kmにもわたり、深さ50mのマイナス50度ほどに凍った凍土の壁を作ると言うのである。一定間隔で冷却パイプを入れてその中をマイナス50度以下の冷媒を循環させるのだそうだ。地下の温度は年間を通じてだいたい15度前後で一定である。それをマイナス50度に冷却し続ける為には、莫大なエネルギーを送り続ける必要が有る。50mの深さまで冷媒を送って吸い上げるポンプも必要である。鹿島建設が作った計画書によると400kWが14ユニット必要と言う事なので、5600kWとなる。この電力を1年365日24時間絶え間なく消費するシステムが必要となる。それだけで、年間5万ギガワット時、電気代1kWh20円とすると10億円が出費、CO2にして2万7千トンが排出される。
その上、24時間の稼働を担保するためには、保守点検が怠れない。維持管理の為の百人規模の会社が必要になる。ひょっとすると、これこそが経産省の最終目標であるのかも知れない。なにしろ省庁と言うところは、天下り先企業を作るのがその主な仕事であるからである。
なんと言ってもこのシステムの欠陥は、何らかの事情で電源が喪失すれば、遮蔽壁としての能力が消え失せて汚染水が流出すると言う大きなリスクを抱えている事である。鋼矢板の壁を2重3重にする方がずーっと安心できると思うが、鋼矢板ではなぜダメなのか不思議である。
日量400トンという大量の水が流れている水流の中で氷を凍らせると言う常識では考えられないバカな方法を採用した東電から提案したゼネコン(鹿島)には既に600億円が支払われているのであろう。ポンプメーカーや冷凍機メーカーには美味しい仕事ができたので、安倍政権としては売り上げに貢献できたか知らないが、またまた大幅な遅れと資源の無駄遣いが行われた事になる。 |
|
| |
カテゴリー : 他メディアより |
Posted By : dantesforest |
|
|
|
17 Aug 2014 04:01:01 pm |
「終戦」特集 |
|
|
朝日新聞2014-08-17 朝刊8面 声欄「終戦」特集(下)から
負の歴史見つめ続けるドイツ
文筆家 シャーウィン裕子さん(英国77)
ドイツのベルリンには今も、ナチスによるユダヤ人大虐殺「ホロコースト」の記憶が残されている。
7月に訪れたとき、ある家の前の石畳に真鍮の板「つまずきの石」が埋め込まれていた。その家からユダヤ人が連れ出された印だ。ベルリンには同じものが数多く有るという。
街の中心にあるホロコースト記念碑には、棺型の碑が墓地のように広がる。ドイツの友人は「戦後、国中が負の歴史を振り返った。碑は過去を繰り返さないという願い。教育の一環として、子どもたちは碑や記念館、かつての強制収容所を見学する」と語った。
ユダヤ人の夫は、ドイツへの旅を長年拒んできた。今回しぶしぶ出かけた。彼は「罪は許せないが、これだけの謝罪の努力を国民と政府が協力してやってきたことは称賛に値する。来てよかった」と言った。
さて、日本は加害の歴史をどう考えるだろうか。
以上は、朝日新聞声欄に投稿されたものであるが、ドイツが今も、どのように過去の負の遺産と向き合っているのかを示す例としてとりあげさせて貰った。8月15日が行ってしまったが、日本ではやはり加害者としての日本を見直すようなテレビの特番は無かったし、新聞各紙にも取り上げるほどの特集は無かった。
「つまずきの石(Stolpersteine)」は、ベルリンに生まれ現在はケルン在住のアーティスト、グンター・デムニッヒ(Gunter Demnig)氏が1992年に始めたプロジェクトで、ナチス政権の犠牲になったユダヤ人、反体制活動家、同性愛者、ロマといった人々を弔い、記憶の忘却から防ぐために、彼らがかつて住んでいた場所に赴いて、名前、生れた年、死亡年とその場所が刻まれた10センチの正方形(真鍮製)の石を、その町の協力を求めながら埋め込んでいったのだ。ベルリンで初めてつまずきの石が埋められたのは、1996年のこと。現在まで、その数はドイツを中心に約1万4000個にも達するという。
ブログ管理人は、1972年に北海道室蘭に長期出張していた事がある。そこで、地元の有力者の老人から、彼が満州で憲兵をしていた頃の自慢話を酒の肴にするのを何度も聞かされた。それは、満州における日本の憲兵と言うものがどんな権力を持っていたのか、現地の人の生命など虫けらのように考えていたことを滔々と話すのであった。今、考えればきちんと録音して、場所や時間を記録しておけば良かったと思うが、当時はそんな話は聞きたくも無く、いやいや聞き流していた。一説では、第二次大戦で中国大陸では1000万人もの民間人が死んでいるが、その多くが、ヒステリックになり前後をわきまえなくなった兵士に理不尽な殺され方をしたのではないだろうか。
ナチスドイツが殺したユダヤ人は600万人と言われているが、日本人が殺した北東・東南アジアの人たちの数は一体何人だったのだろうか、確たる記録は無いようである。その点、ドイツの強制収容所の記録はドイツ人の緻密さの為にきちんと文書で残されているようである。ブログ監理人がダッハウの強制収容所で見た資料では、ナチス政府からユダヤ人一人当たり日額何マルクと予算が有るのに対し、実際はその半分も使わずに、収容所長たちの懐に入っていた証拠の帳簿なども残されていた。ネット上のブログの書き込みを見ていると、1000万は多すぎる、それは多くても200万だろうなどの議論があるが、それが200万人であれば、罪が軽くなるというわけでは断じてない。日本人には過去の過ちを見つめて二度と起こしませんとの誓いが必要なのだ。今年の広島と長崎での首相のスピーチから、歴代の首相が必ず入れていた「過去の過ち」と言う言葉が無くなった。
ネット上でも、英語ではあるがダッハウの強制収容所の見学ができるので、そのURLを紹介しておく。
http://www.kz-gedenkstaette-dachau.de/ |
|
| |
カテゴリー : 他メディアより |
Posted By : dantesforest |
|
|
|
15 Aug 2014 11:37:35 am |
ブログ開設3周年 |
|
|
みなさまのお陰でブログ「ダンテの森」は3周年を迎えることができました。
ありがとうございます。
2011年8月15日の終戦記念日にブログを開設してから今日で3年=1095日である。ブログは今日で987回目である。2014年の1月まではほぼ毎日記事をアップし続けていたが、同年2月が「ファクター5」の原稿の締め切りが迫ってきてブログを書く事ができなかった。3月25日に本が出版されると一気にタガが緩んでブログを書かない日がふえる事になってしまった。毎日見て下さる読者の方には誠に申し訳ない限りである。今後は、もっと頑張りたいと思っているので、引き続き読者の皆様の応援をお願い致したい。
今日は、69回目の敗戦記念日である。南北朝鮮、中国、シンガポールなどでは対日戦勝記念日としてお祝いをしている。その式典に日本政府から首相や閣僚が出席した事は聞いたことが無いが、本来は敗戦国の代表としてこちらから参加を求めて参列するべきものでは無いかと思う。きっと、アメリカでも何らかのセレモニーが営まれているのでは無いかと思うが、そのような報道も無い。日本人にとって先の大戦は、三百数十万の人たちの失われた尊い命を弔う日でしか無く、日本が引き起こした戦争の責任を問う日では無い。この日マスコミが一斉に報じるのは、広島・長崎に落とされた原爆による犠牲者、特攻隊で命を失った兵士、東京大空襲、沖縄戦などで被害者としての日本を強調しているとしか思えないものばかりである。
第二次大戦で死亡した国民の数で言えば、ソ連の2200万人、中国の1200万人が最も多く、日本の比では無い。特に、中国では民間人が1000万人も死んでいるが、専ら中国に戦線を伸ばしていたのは日本軍であるので、その責任は大きい。この数はナチスドイツのユダヤ人を殺した数を上回る。
第二次大戦後中国、韓国などの東南アジアの国々には十分な経済援助をしたので、それで許してくれと言うのは通用する事ではない。国を蹂躙され、親族を実際に殺されたり、辱めを受けさせられたりした人の悔しさは決して消えるものでは無いからである。加害者は忘れても、被害者は絶対に忘れる事は無い。中国の1200万人の犠牲者の子孫は恐らく1億人に達していると思われ、その人達の心の底から日本人を許せる日は来るであろうか。自分を逆の立場に置き換えて考えて見たい。
フランス、ノルマンディーの小さな村はノルマンディー作戦の際に撤退するドイツ軍が村ごと破壊して行った。それを今も当時のまま手を付けずに記念碑として村全体を残してあり、年に一度慰霊祭が行われている。今年初めてその慰霊祭にドイツのガウク大統領が招かれて花束を捧げた。ドイツは、周辺の国々でこのような催事があると、必ず大統領や閣僚が訪れている。
また、ドイツには加害者としての戦争の記念碑がそこここに有る。ミュンヘンから地下鉄で行ける郊外にダッハウ(Dachau)と言う町が有りここにはユダヤ人強制収容所が有った。現在はその施設が全て復元され、小中学生や全世界からの見学者が絶えない。昨年8月にメルケル首相が訪れ「これは世代から世代へと残されて行かねばならない。子供たちは、ドイツがどのような過去を持っているのかを知るべきである」と語っている。
南京虐殺は無かったとか、有ったとしても死んだのは中国が言う20万人では無く2万人であったとか、従軍慰安婦を狩り出したのは軍では無く民間機関で有った等と言い訳をする人たちが居るが、それで被害者の気持ちが変わるとでも思っているのであろうか。北東・東南アジアの国々に攻め入り、一千数百万人の命を奪う戦争を引き起こしたと言う事実は変わらない。加害者の側が、罪の数の大小を論じても絶対に被害者側の心に届くことは無い。戦後、経済援助をいくらしたと言ってもそれも被害者に通じるものでは無いことを知るべきである。
そのような日本に、与えられた日本国憲法第九条は謂わば福音である。この九条こそ日本が戦争を憎しみ、戦争を忌み嫌う証拠ですと、近隣の国々に訴え続ける事ができるいわば金看板である。それを安倍政権は、骨抜きにして亡き者にしようとしている。 |
|
| |
カテゴリー : ブログ管理人 |
Posted By : dantesforest |
|
|
|
14 Aug 2014 12:30:37 pm |
国連MDGs部会原案 |
|
|
2030年に省エネ2倍――持続可能社会へ17目標<国連部会原案>
東京新聞2014年8月12日朝刊より
2030年までに貧困や飢餓をなくす一方で、省エネのペースを二倍に加速させるなど、環境保全と経済発展の両立を目指した17項目からなる「持続可能な開発目標(SDGs)」の原案を国連の作業部会がまとめた。国内の所得格差削減や女性差別の撤廃、廃棄食品の半減など日本の国内政策に影響する目標も多く盛り込まれた。
2000年に決まった「ミレニアム開発目標(MDGs)」に続く新たな国際目標で、MDGsが途上国中心だったのに対し、先進国も含めて努力を求めたのが特徴。2015年9月から開かれる国連総会で採択する。
原案は「すべての場所で貧困を撲滅」「海洋資源を保全し、持続的に利用する」などと貧困、飢餓、森林、エネルギー、漁業資源などの課題ごとに17の大目標を定め、さらに計169件のより具体的な目標を示した。
貧困、飢餓問題では、2030年までに「一日の収入が1.25ドル以下の貧困をなくす」などを盛り込み、MDGsを拡充。エネルギー分野は「すべての人に持続的な形でエネルギーを保障する」を目標とし、2030年までに再生可能エネルギー比率を大幅に拡大するほか、省エネによる世界のエネルギー利用効率の改善ベースを2倍に加速させることを目指すとした。
国連、持続可能な開発のサイトURL: http://sustainabledevelopment.un.org/?menu=1300
この国連のSDGsに従えば、2030年までに先進国は大幅な省エネを要請されている。これが達成されれば当然原発は必要なくなる。まさに「ファクター5」が主張する世界に近づく。小ブログが啓蒙している「ファクター5」はドイツの環境学者エルンスト・ウルリッヒ・フォン・ワイツゼッカー博士他が著した本で、5倍のエネルギー効率が現有の技術で達成できことが、建築、交通、農業、重工業の分野別に述べられている。パート2ではそれをこれまで実行されることを阻んできた要因、それを解決する方法が論じられている。
アマゾンから購入できる。URL: http://www.amazon.co.jp/BC/dp/4750339903/ |
|
| |
カテゴリー : 他メディアより |
Posted By : dantesforest |
|
|
|
10 Aug 2014 02:06:27 pm |
農薬は薬か毒か |
|
|
グリーンピース・ジャパンの意見広告
朝日新聞2014-08-08朝刊11面(全面広告)
グリーンピース・ジャパンは以前から日本の農業が多量の農薬を使用していること、日本政府は異常に多い農薬残留濃度を許可していることなどを追及するキャンペーンを続けている。去る8月8日の朝日新聞朝刊の11面に全面広告で意見広告を行っているが、これが実に具体的で良く解る。グリーンピースのホームページでこの全面広告を探して見たが見つけられなかったので、要約して掲載する。
質問です。農薬は、薬ですか、毒ですか。
2013年、EUはミツバチの保全と人体への影響を懸念して、ネオニコチノイド系農薬3種の使用制限を決定しました。
ミツバチの大量死の一因と言われるネオニコチノイド系農薬。EUでは「予防原則」にもとづき、2013年12月からクロチアニジン、イミダクロプリド、チアメトキサムの3種類の農薬のEU全域での販売と一部使用禁止が始まりました。欧州委員会は今後2年以内に、これらの農薬に関する新たな科学情報を見直し、禁止を取りやめるか、暫定的に継続するか、恒久的に禁止するかを決定します。
日本でのネオニコチノイド系農薬使用量は、この15年で3倍に増えています。
日本では、稲作・畑作を問わず多くの農業でこのネオニコチノイド系農薬を使っています。その理由として、水溶性で植物の中にしみこみ、効果が長持ちすることがあげられます。さらに日本ではこの農薬の残留基準を緩くしようとしています。従来の基準に比べサトウキビは20倍、春菊は50倍、カブの葉にいたっては2000倍と、極端な緩和がなされようとしているのです。それに対し消費者がパブリックコメント送り、グリーンピース・ジャパンが集めた反対署名が校を奏して、政府は今年3月異例の「再審査」をすることを決めました。
CCD(Colony Collapse Disorder)蜂群崩壊症候群と呼ばれるミツバチの失跡現象が世界中で報告されています。
1990年代、世界各地で突如発生しはじめたミツバチの大量失跡、大量死。一説によれば、2007年春までに北半球のミツバチの1/4が消えたと言われています。
欧州食品安全機関(EFSA)は科学的意見として、ネオニコチノイド系農薬がヒトの神経と脳の発達に悪影響を与える可能性を指摘しています。<略>
アメリカのオバマ大統領は「ミツバチその他花粉媒介生物の健康を促進する連邦レベルの戦略の策定」という覚書を発表し、ネオニコチノイド系農薬についての調査を命じました。<略>
イチゴ、ブドウ、トマト、ナスなど、農作物100種類のうち、71種類は、ミツバチの花粉媒介によって受粉し、実りがもたらされています。<略>
国際自然保護連合は、ネオニコチノイド系農薬がミツバチだけでなくミミズなどその他の生物にも影響するとの研究成果を発表しました。<略>
残留農薬の基準は、きゅうりの場合、日本では2ppm、EUでは0.02ppm。トマトの場合は、日本では3ppm、EUでは0.05ppm。
残留農薬の基準は、日本とEUで大きく異なります。基準が厳しいEUに比べると、日本の基準は緩く設定されています。ネオニコチノイド系農薬クロチアニジンで比べると、きゅうりは100倍、トマトは60倍、茶葉は71倍とEUに比べて格段に高い残留が許容されているものもあります。
以上がグリーンピースの意見広告からであるが、一部略させていただいた。日本でネオニコチノイド系農薬を製造しているのは住友化学で、この企業の社長であった米倉氏はついこの間まで日本経団連の会長をしていた人物である。経団連の会長を出すと、年間数億円と言う会長経費を出身企業は負担することになる。企業は当然その見返りを期待する。欧州が禁止しているのに日本では緩和をしようとしていることとは全く関係が無いのだろうか。
|
|
| |
カテゴリー : 他メディアより |
Posted By : dantesforest |
|
|
|
ページ: Prev 1 2 3 ...28 29 222 223 224 Next |