ダンテの森    
31 Dec 2013   06:14:22 pm
今年もあとわずか
皆様のお陰で、2013年一年間ブログ「ダンテの森」を休まずに続ける事ができました。心より感謝いたします。
ブログ管理人

 2013年は日本の環境政策は全く進む事は有りませんでした。安倍内閣は経済成長一辺倒で、環境問題は先送りにし11月のワルシャワのCOP19では地球温暖化ガス排出削減目標を大幅に下げて世界から大いにブーイングを受けました。

 6月には大気中の二酸化炭素の量が400ppmを超えた。これは有史以来と言うより300万年前から産業革命が始まる200年まえまでは250ppm付近で上下して来たものが、この200年間増え続けてとうとう400ppmを超えてしまった。人類の営みに起因すると言ってまず間違いない。そして、大気中の二酸化炭素濃度と地球の平均気温の関係も過去数万年のデータから関連が有ることが分かっており、過去数千年はほとんど偏差が0であったものが、1800年ころから100年間に0.6℃上がっている。200年で1.2℃である。

 1.2℃くらいどうってことないと思われるかも知れないが、海水の平均温度はだいたい15℃位であるが、これが1℃変わると大変に影響は大きい。1℃の温度差は場所によって異なるが、数千kmも移動した事になり生態系に与える影響は大きく、今年は北海道でサンマが大量になったり、マンボウまで上がったりしたことを見ても分かる。人間でも平均体温の36.5℃が1℃上がって37.5℃になるだけで、ブログ管理人などは頭が痛くなる。だれでも気分は悪くなると思う。地球も同じである。

 名古屋大学大学院環境学研究科では臨床環境学と言うことをやっている。これは地球を患者に見立てて、その原因系を探る「診断型分野」ことと解決の方法を探る「治療型分野」に分けて行う研究である。これまでは、気象学、化学、工学、経済学などばらばらであったものを診断と治療に分けて行う事で、新たな展開が期待できる。

 今年の良いニュースは、米国と中国が本気で環境問題解決に乗り出したと言う事である。米国や中国のように広大な面積を抱えていると当然、気候の狂暴化もあちこちで現れてくる。日本のように国土が狭いと気象変化を国内で感じる事は少ない。その為もあってか、米国、中国共に国民が気象の狂暴化を肌で感じてそれが地球温暖化に取り組む世論を高めているのでは無いかと思われる。いずれにしても、米中の2大国が本格的に環境に取り組む事の意義は大きい。

来年3月には、いよいよ待望の「ファクター5」が出版される。乞ご期待。

カテゴリー : ブログ管理人 | Posted By : dantesforest |
30 Dec 2013   03:51:26 pm
市条例で省エネ義務化
屋根を白色に塗装することを市条例で義務化――米国ロスアンゼルス市
SustainableBusiness.com 2013-12-19

 今週ロスアンゼルス市議会は全会一致で、2011年に制定された建築基準条例の改正を可決し、市内の全ての建築物の屋根を白く塗装するし、屋根からの太陽光熱の吸収を少なくすることを義務付けた。これによりロスアンゼルス市は、グリーン化の市条例で義務付けた全米最初の都市となった。白色屋根はすでにニューヨーク市が市の建築基準に取り入れているが、義務とはなっていない。

 明るい屋根の大都市報告書によると、ロスアンゼルス市では屋根の色を白色にすることで、ヒートアイランド現象を緩和することができるだけでなく、年間3千万ドル(30億円)の電気料金が節約され、地球温暖化ガスの排出量は自動車7万台分が削減される。これによりロスアンゼルス市のカーボンフットプリントは20%小さくなる。

 明るい屋根の色は白に限らず、明るいグレーや赤色系でも効果がある。明るい色は熱となる赤外線が屋根に吸収され屋根の温度が上がる事を緩和するとされ、最大27℃の温度差があるとされており、建築物の躯体の温度も3〜4℃下げるとされている。

 クールな屋根にすることは、最もコストをかけずに簡単に都市の地球温暖化対策ができる方法で、地球温暖化緩和策をこれから始めるには最適な方法と言える。

 ロスアンゼルス市の夏の平均気温は現在37℃であるが、このまま何もしないでおけば2050年には37℃になると言われており、温暖化とヒートアイランド緩和策が望まれている。

 ブログ管理人のマンションは今年が3度目の大規模修繕の年で、我がマンションの屋根も今回明るいグレーに塗られた。最上階の居住者の来年の夏は少し過ごしやすくなると思われる。日本では、まだまだ黒っぽい屋根が多いが、ロスアンゼルスのような条例を作った都市があるとは聞いた事が無い。最近、ときどき全ての壁が真っ黒な新築を目にするが、冬は暖かいかも知れないが、夏の事は考えていないのだろうかと不思議に思っている。機会が有れば、建て主さんに聞いて見たい。ロスアンゼルスではさしずめ、罰金ものであろう。

原文(英文)URL:http://www.sustainablebusiness.com/index.cfm/go/news.display/id/25413
カテゴリー : 他メディアより | Posted By : dantesforest |
29 Dec 2013   10:25:11 am
FITで電力会社が不当利益
年間1000億円も電気料金へ不当に上乗せか――再生可能エネルギー賦課金を巡る不可解
東洋経済オンライン 2013-12-17より、

 太陽光や風力など再生可能エネルギーの普及を加速するため、2012年7月に導入された固定価格買取制度(フィードインタリフ、通称FIT)。再エネで発電された電気を、その地域の電力会社が一定価格で買い取ることを国が約束する制度だ。電力会社が買い取る費用は、「賦課金」という形で電気料金に上乗せして集められており、今はまだコストの高い再生エネの導入を電気利用者全体(家計や企業)で支えている形だ。

 賦課金の総額は2012年度が1302億円で、2013年度が3133億円。これが利用者から電力使用量に応じて回収され、電力会社の買い取り資金として交付されている。しかし、この賦課金は買い取り費用の実態と比べ、過大に徴収されている疑いがある。しかも、その差額は13年度の1年間だけで数百億円から1000億円超に上ると見られ、現状を放置すればこの先も年々大きく膨らんでいく可能性が高い。

 問題は、賦課金の計算方法にある。毎年の賦課金は、「再エネで発電された電気の買い取り費用見込み額」と「制度運用の事務費用」から「回避可能費用の見込み額」を差し引いて計算される。回避可能費用とは、電力会社が再エネの電気を買い取る分、自社で発電せずに済むため、それによって削減(回避)できる燃料費などの発電費用をいう。

 経済産業省の計算に基づく13年度の買い取り費用見込み額は4800億円、事務費用は3億円で、回避可能費用の見込み額は1670億円。差額の3133億円が賦課金とされた。買い取り費用については、毎年定められる買い取り単価と予想買い取り量から導き出される。一方、回避可能費用については、電力会社が有するすべての電源のキロワット時当たり平均運転単価を、再エネ電力の買い取り量に掛け合わせて計算している。しかし、回避可能費用を計算するベースとして全電源の運転単価の平均値を使うのは、妥当性にはなはだ疑問がある。

 なぜなら、電力会社が再エネ電力の買い取り分だけ自社の発電量を削減する際、最も運転単価の高い電源から優先的に削減するのが経済合理的だからだ。

 つまり、運転単価の安い水力(東京電力の12〜14年度のキロワット時当たり単価見込みは0.02円)や原子力(同2.31円)を停めずに、最も単価の高い石油火力(同15.95円)やガス火力(同10.72円)を減らしたほうが経費削減につながるわけで、電力会社の電源運用もそういう考え方で行われるはずだ。

原文URL: http://toyokeizai.net/articles/-/26418

 このような水増し請求とも言えることを電力会社が独自に行うとは考えられず、当然経産省の指導があったものと考えるのが妥当である。これにより国民に再生可能エネルギーの固定電力買い取り制度は消費者にとって大変高くつくものであるとの印象を強め、エネルギーシフトなどせずに原子力発電を温存すると言う世論を強くしたい狙いがあるのだろう。同時に電力会社の懐も暖かくなるという、一石二鳥の政策なのだろう。国民は騙されてはいけない。
カテゴリー : 他メディアより | Posted By : dantesforest |
28 Dec 2013   01:41:48 pm
電力消費型家電
日本でしか見かけない家電製品・電気設備
ブログ管理人

 12月23日に続いて、日本でしか見かけない電力大量消費型の電気機器の話である。前回は、ドリンク自動販売機、トイレ便座ヒーター、インスタント・カップ麺について書いたが、その後いくつか気が付いたものがある。

 まず、電気保温ポットである。いつでもお茶が飲める電気保温ポットは大変便利であるが、いつでも熱湯を使えるようにしておくために電気を使う。標準的なポットは2.2リッターであるが、これを一日2回給水して沸騰させ、一日中使えるように保温させておくとすると、沸騰させるのに0.5kWh、保温に0.9kWhかかり、1日あたり1.4kWh消費し、年間約500kWh消費する。もし日本に5000万台の電気保温ポットがあるとすれば、石炭火力発電所3基分となる。保温式ではない電気ポットで毎回沸かすと、1/3の消費電力で済む。

 次は電気炊飯器であるが、これも保温機能が付いており、保温の為の電力消費は炊飯に必要な電力の約3倍で、やはり全国に5000万台の炊飯器があるとすると石炭火力発電所3基分の電力を消費している。

 夜間電力使用の給湯ボイラーは、消費者にとって割安な夜間電力料金で風呂、シャワー、洗面所、台所でいつでも温水が使えるとあってほとんどの家庭で使用するようになった。しかし、このシステムは配管が長く、温水が配管を暖めるまで相当の温水を流す必要がある。平均して、貯められた温水の30%は配管を暖めるのに使われる為に、水の消費も電気の消費も実際に使う温水の3割増しがそのまま流されている。風呂場、洗面所、台所にそれぞれ個別に電気あるいはガスの瞬間温水器を設備すれば長い配管を暖める必要が無い為に1/3のエネルギー消費が少なくなる。夜間電力料金が安いからと言ううたい文句であるが、不必要な電気エネルギーを消費する非効率な装置である。欧州の多くの国ではタンク型の温水器はこの理由から使用が禁止されている。

 日本の電力会社は台所の熱源も火を燃やさないので安全であるとの理由でオール電化が売りこまれており、多くの家庭がオール電化に切り替えたが、エネルギー効率の面からはガスには遠く及ばず非効率であり、電力会社の宣伝にごまかされたと言えよう。かく言うブログ管理者の住むマンションもオール電化に15年前に変えたが、日本の電力会社の口車にまんまと乗せられた格好である。マンションでは個別の瞬間湯沸かし器に付け替える事もできず、忸怩たる思いである。このように、電力を無駄に使わされる羽目になっているのが、日本の電力事情である。
カテゴリー : ブログ管理人 | Posted By : dantesforest |
27 Dec 2013   06:56:58 pm
菌類が両生類を駆逐
わずかな環境バランスの変化は生物多様性に大きな影響を与える
ブログ管理人

 世界的に感染が広がり、中米などでカエルなどの両生類の大量死を引き起こしているカエルツボカビ菌が、日本を中心にしたアジアが発生源の可能性があることが国立環境研究所などの調査で分かった。日本のオオサンショウウオなど両生類の多くが同菌に感染しながら死んでおらず、菌の遺伝子の種類も海外の25倍と多様だからだ。米国では感染したオオサンショウウオが死なない理由を解明し、両生類絶滅を食い止めるための研究にとりかかるという。

 カエルツボカビ菌は真菌の一種。水を媒介に広がり、感染すると皮膚が硬化し、皮膚呼吸ができなくなるなどして死んでしまう。

 写真のコスタリカ原産フライシュマンズ・グラス・フロッグやコスタリカの両生類はカエルツボカビの急激な増殖により、この数年で絶滅の危機にさらされている。研究によると、平均気温の上昇とカエルツボカビの増殖には関連があるとされている。

 中央アメリカ・パナマの国立公園では1998年に同菌が確認され、約2カ月間でカエルの種が6割以上絶滅し、生息数も9割以上減った。オーストラリアでも年間100キロのスピードで菌が広がったことが報告され、「両生類にとって過去最悪の感染症」といわれている。

 カエルツボカビ菌はアフリカ原産のアフリカツメガエルがペットや実験動物用に輸出されるとともに世界的に広がったというのが通説だった。日本でも平成18年12月、外来のペットのカエルで初めて確認され、専門家らが緊急事態宣言を出す大騒ぎになった。

 ところが、国立環境研究所が北海道から沖縄まで全国1千カ所で約5500の両生類の検体を検査したところ、全体の3%が菌に感染しているにもかかわらず、大量死が発生していないことが判明。菌の遺伝子も海外では2種類にすぎないのに、日本では50種類あることが分かった。

 さらに、世界でカエルツボカビ菌が広がり被害が出たのは1980年代だが、日本ではそれより100年近く前の1902(明治35)年のオオサンショウウオの標本からもこの菌が検出された。このことから、日本では同菌が昔から自然に存在し、日本の両生類は抵抗力を持つようになっている可能性が高いという。

 米国・ワシントンのスミソニアン国立動物園は日本から譲り受けたオオサンショウウオでこの謎を解明、研究するとしている。

 韓国や中国でも日本と同様、カエルツボカビ菌の被害が出ておらず、この菌はアジアが起源の可能性が高い。同菌についての脅威は日本ではないと思われるが、環境破壊や地球温暖化などの影響で、両生類が危機的状況であることには変わりはない。
[/imgl]
カテゴリー : ブログ管理人 | Posted By : dantesforest |
 
ページ: Prev 1 2 3 ...53 54 222 223 224 Next
Jul 2025 8月 2025 Sep 2025
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31       
にほんブ�前村
カテゴリー
Factor Five [220]
General [13]
ブログ管理人 [315]
他メディアより [577]
リーセント
北極海氷、2番目の小ささ
地球環境の救世主になるトランプ?
Oceans’18Kobeを訪ねて。
第三回国連環境総会
気候変動は国際社会の責任
トランプに消されるEnergy Star
トランプ大統領の誤算
ドイツ市民の誇り
水中CO2センサー
6年ぶりのメキシコ
アーカイブ
7月 2012[77]
6月 2012[80]
5月 2012[93]
4月 2012[97]
3月 2012[98]
2月 2012[68]
1月 2012[96]
12月 2011[100]
11月 2011[99]
10月 2011[109]
9月 2011[111]
8月 2011[97]
ユーザーリスト
Admin[5]
dantesforest[1120]
検索
組織化
Powered by myBloggie 2.1.4