ダンテの森    
06 Nov 2013   12:22:38 pm
環境ただ乗り国日本
手ぶらでCOP19に参加して「ただ乗り」を目論む日本
ブログ管理人

 「優れた政治家というのは、頭が切れる必要は無い。よく官僚に説明をさせて、それを正しく理解し、しばらくのあいだ記憶が保持できる、それだけでいい。日本国の総理大臣とは、その程度のものなのである。」これは、ある小説に描写されている日本の行政のトップ内閣総理大臣に必要な資質である。

 2007年6月6日〜8日まで、ドイツ・ハイリゲンダムにおいてメルケル首相が議長となりG8サミットが開かれた。そこで、日本の総理は発言を求め、気候変動・エネルギー効率について他のG8諸国の首脳に対して次の外務省の記録の様な提言をしている。

 今次G8サミットでは、気候変動が大きなテーマとなった。総理から、先に発表した日本提案「美しい星50」を紹介し、世界全体の排出量を現状に比して2050年までに半減することを全世界の共通の目標とするとともに、次期枠組みを構築するに当たっての「3原則」を提案した。その結果、こうした内容を軸に議論が行われ、2050年までに世界全体の温室効果ガスの排出量を少なくとも半減することなどを真剣に検討することでG8首脳の合意が得られた。

 この首相とは、安倍首相(第一次安倍内閣)その人である。

 間もなく11月10日〜22日まで、ポーランド・ワルシャワでCOP19(国連気候変動枠組条約締約国会議)が開催される。ここに日本政府は2005年比で3.8%減と言う目標を提出し、2009年に鳩山首相によって国連総会席上で発表して大喝采を受けた2020年までに25%削減と言う国際公約を正式に撤廃しようとしている。6年前に言った事などまるで無かったかのような変貌であるが、確かにこれが日本の首相に必要な資質「しばらくの間記憶を保持できる」と言うことであろう。

 1990年の日本の温暖化ガス排出量(CO2換算)は12億6千万トンであったので、京都議定書の第一約束期間(2012年迄)の目標は-6%で11億8千万トンであった。2005年の実績は13億5千万トンで、その-3.8%は13億トンとなり京都議定書での約束より3.2%ポイントも上回るもので、あきらかな目標引き下げで、もはや目標とは言い難い。ちなみに日本は京都議定書第二約束期間からは離脱しており、第二約束期間の目標値は無く、現在国際的には鳩山公約の2020年までに25%が生きたままである。

 今回、EUは25%、米国、中国もそれぞれ意欲的な目標値を掲げて参加する意気込みであるが、日本はこのような目標でCOP19に参加して、世界から「ただ乗り日本」との汚名を着せられる事は間違いない。石原環境大臣が将来の日本の首相の資質を備えているとすれば、全く問題無く乗りこなしてくるのであろう。日本と言う国そのもの資質がその程度と世界から思われてもしかたない。
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05 Nov 2013   11:33:57 am
消えるレジ袋
自然環境を破壊するプラスチック袋削減を決議ーー欧州議会
ENS-Newswire 2013-11-04 ブリュッセル発、

 EU加盟国の28カ国は今日、買い物用の軽量プラスチック袋、いわゆる「レジ袋」の使用の削減を採択した。いかなる方法で削減を図るかは各国に委ねられた。

 これはEUとしての禁止法では無いが、将来そのような禁止法が制定されることは今後検討される。EC委員会としては、この類の規則が与える影響の規模は各国事情により異なる為に、各国がそれぞれ最も効果的と判断する方法で対処する事が期待されている。今回の提案では、各国がこの目標達成の為の最上の方法を選ぶ事が求められている。

 レジ袋の問題は、ほとんどが一度しか使われない事にある。その為に大量に消費されるが、廃棄された後に自然環境に放置されると100年近くも形を変える事なく残り続けて、自然環境や生物、特に海洋生物に害を与える。

 欧州全体で年間、約100億枚が消費されている。いくつかの加盟国では、既に対策を講じてその効果が出ている。まだ対策を取っていない国がこれら先行諸国の例に倣って実施する事で、80%の削減が可能であると予測されている。2010年には欧州において98.6億枚が製造されている。これは一人当たり年間198枚となる。

 一人当たりのレジ袋消費量は国により大きく異なる。環境意識の強い、デンマークとフィンランドでは年間一人当たり4枚の消費であるが、ポーランドでは466枚で、ポルトガルやスロバキアもその程度である。アイルランドとデンマークではレジ袋税が実施されているが、この効果も有ると思われる。

 技術的アプローチとしては、包装の方法とゴミ処理の二つに分けた戦略が考えられよう。厚み50ミクロン以下のプラスチック袋の製造を禁止する方法も有る。2011年にEC委員会が行った調査では、生分解性プラスチックの使用が最も望ましいとの結果がある。また、課税する、有料を義務付ける等、国情に合わせたアプローチが考えられる。

 使い捨ての買い物袋など、50年前には想像もつかなかったものであるが、今は僅か数分間の使用でゴミと化すレジ袋が溢れており、正しく処理されないレジ袋は、100年間もの間自然環境を破壊し続ける。特にレジ袋が海に達した場合には、海洋生物に与える被害は甚大である。地中海だけでも、250億個のプラスチックゴミが浮遊している。海洋生物の267種は浮遊プラスチックを、餌と間違い呑み込む。北海の鳥類の94%の胃袋からプラスチックが発見されている。絶滅危惧種の、ミドリガメ、ウミガメ、オサガメ、黒足アホウドリ、イルカやクジラ類が全てプラスチック被害を受けている事が分かっている。

 このEUの決定により、近いうちに欧州からレジ袋が消えることになることが期待されている。日本では一人当たり年間300枚のレジ袋が消費されている。

原文URL: http://ens-newswire.com/2013/11/04/eu-countries-will-each-choose-how-to-limit-plastic-bags/
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04 Nov 2013   10:41:32 am
進む海洋温暖化
海洋温暖化のペース、過去1万年で最速
Dan Vergano, for National Geographic News 2013-11-01より、

 地球温暖化により生じた熱を、海洋がこれまで推測されていた以上に吸収している可能性があることが、インドネシア沖の海底堆積物をもとに算出した、過去1万年間の海水温の記録によって判明した。同時に、1950年以降、太平洋の海水温が上昇するペースが、それまでとの比較で15倍にまで速まっていることもわかった。

 「通常の自然環境下では、海洋は気温の変化に対して緩衝材となるものだ。だが現在では、我々は完全に均衡から外れている」と、この研究の主著者で、ニュージャージー州にあるラトガース大学所属のヤイル・ローゼンタール(Yair Rosenthal)氏は述べている。

 海洋は地球温暖化により生じた過剰な熱のうち約90%を吸収すると考えられていることから、近年、海洋の熱吸収能力に注目が集まりつつある。 過去100年間で、海面は全世界平均でおよそ18センチ上昇しているが、このほとんどは、海水が熱を吸収する中で起きる「熱膨張」によるものとみられている。 今世紀のうちに、海面はこの熱膨張効果によりさらに61センチ上昇し、世界各地の海岸に影響を与えると予測されている。しかもこれには、氷河の融解による海面上昇は含まれていない。

 今回の研究で、ローゼンタール氏をはじめとする研究チームは、有孔虫の分析を行った。有孔虫は殻を持つ小さな生物で、海底に堆積し、過去1万年間の海水温の状況を今に伝えている。この小さな単細胞生物の殻に含まれるマグネシウムとカルシウムの比率から、殻が形成された時点の海水温がわかる。そこで研究チームでは、この比率の変化を調べることで、過去の海水温の変動を把握した。 研究チームは、インドネシア沖の2つの地点について、水深455〜920メートルの範囲で海底を調査。2つの調査地点は、はるか昔から太平洋の水が混ざってきた場所の典型として選ばれた。

 古気候の専門家で、コロラド州ボールダーにある米国海洋大気庁(NOAA)国立気候データセンターのデイビッド・アンダーソン(David Anderson)氏はこの研究について、複数の地点でさまざまな水深を調査した点で、過去の海水温に関する研究をさらに進歩させたものだと評価しており「(海洋の)水深1000メートルまでの水域について、地球のエネルギーバランスの変化に伴う海水温の変化の様子を明かす研究は、どんなものであれ興味深い」と述べた。

 太古の有孔虫の殻を分析した結果、全体的に見て、およそ7000年前から中世に至る時期には、海水温が長期的に低下していたことが判明した。調査対象となった水深全域において、低下幅は摂氏2.7〜3.8度ほどの範囲にあった。 殻の記録から、西暦1200年前後の温暖期に海水温が一時的に上昇したことを示す証拠も見つかった。さらにその後には、西暦1550〜1850年の間に訪れた小氷河期により、水温が下がっていた。

「今回の調査からわかったのは、海が地上の気温変化を吸収するには数十年の年月がかかるということだ」と、ローゼンタール氏は指摘している。「現在、温暖化が進んでいることは明らかだが、(海洋が)これまで考えられていた以上に(温暖化の)緩衝材として大きな役割を果たしている可能性が出てきた」。 「しかし、確信をもって断言する前に、我々はさらに海洋について理解を深める必要がある」と、ローゼンタール氏は釘を刺している。

 今回の研究は「Science」誌の11月1日号に掲載されている。

原文URL: http://www.nationalgeographic.co.jp/news/news_article.php?file_id=20131101001
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03 Nov 2013   10:37:51 pm
環境首都北九州市
世界の環境首都を目指す北九州市はOECDから選ばれたモデル都市
ブログ管理人

 パリ、シカゴ、ストックホルム、北九州この4つの都市から何を連想するだろうか。OECDが選んだ「環境と経済成長を両立させているグリーンモデル都市」である。

 北九州市のホームページでは、同市の環境への取り組みは本格的である事が分かる。世界の環境首都と言うタイトルをクリックすると、「公害克服の技術と経験を生かし、環境国際協力や循環型社会づくりを進めるとともに『世界の環境首都』を目指したまちづくりを行っています」とある。

 昔は石炭取引で栄え1901年創業の八幡製鉄(現新日鉄住金)が有る鉄鋼の街で、1960年代には、ばい煙と死の海の公害都市であった。同市の反公害運動の歴史は古く1965年には婦人会が中心となって始めた「青空がほしい」運動が行政を動かし、環境改善の市民意識は今も高く、家庭ゴミ発生量は一人当たり506グラム/日と全国平均1030グラムの半分である。

 鉄鋼と窯業が主要産業であるが、1970年のオイルショックによりエネルギー効率を高める省エネ技術、熱回収技術が積極的に取り入れられ、省エネ、省資源型産業発展の基礎が根付いた。

 北九州市の北橋健治市長は「アジア諸国には環境に配慮すると、経済が弱くなるとの思いこみがある。北九州モデルでそれを打破したい。」と語っている。同市のホームページには環境家計簿が用意されている。これは、市民が毎月の電気・ガスなどのエネルギー料金を打ちこむ事で、その月のCO2排出量が分かるようになっており、市民の環境意識の向上に役立ててもらうのがその目的である。この環境家計簿は次のURLでダウンロードできる。

環境家計簿URL: http://www.city.kitakyushu.lg.jp/kankyou/file_0368.html

 世界は今、ものすごい勢いでグリーン経済へと転換しつつある。しかし、日本は旧来のエネルギー依存型産業路線を変える気はなく、安倍政権になって環境軽視が露骨になった。昨年12月に政権を奪取するやいなや、京都議定書第二約束期間からの離脱にはじまり、2020年までにCO2を25%削減するとした鳩山首相の国際公約を反故にし、間もなくポーランドのワルシャワで始まる気候変動枠組み条約会議COP19には目標値は持たず手ぶらでの参加である。欧州各国に加え、米国、中国がかなりレベルの高い目標値を掲げるであろうと言われているCOP19では「ただ乗り日本」のそしりをまぬかれないだろう。最もそのようなニュースは日本では報道されることは無い。小ブログは、COP19の様子は可能な限りお伝えして行きたい。
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02 Nov 2013   12:57:43 pm
米の気候変動対策
米国政府が気候変動対策の為の省庁の枠を超えた協議会他を設置
ENS-Newswire ワシントン、2013-11-01発、

 オバマ大統領は、気候変動対策の為の省庁の枠を超えた省庁トップによる協議会と地方政府の首長を集めたタスクフォースを設置した。

 オバマ大統領は現在、既に地球温暖化の影響が顕著になってきており、対策と緩和策を策定し実行する為にホワイトハウス主導で、連邦政府25の省庁の閣僚からなる協議会と全米の自然災害が顕著な8州と19都市の首長からなるタスクフォースの二つの会議体を設置すると発表した。

 地球温暖化が与える気候変動の影響については、平均気温の上昇、集中豪雨の増加、山火事の増加、干ばつの増加、永久凍土の溶解、海水の酸性化、海面上昇などが頻繁に発生して、コミュニティー、自然資源、生態系、経済、住民の健康に大きな影響を表しはじめている。このリスクに対処する為には、連邦政府内における周到な準備、省庁間の綿密な連携と計画の調整が肝要となる。

 そして政府が各州、都市、民間団体、NPOなどとの連携をとれる仕組みを作って対応する事で始めて納税者の気候変動からのリスクを緩和する事が可能になると考える。それにより経済、インフラ、環境、自然資源の保護が可能となる。

 このオバマ大統領の発表は、2012年10月29日に東海岸を襲い大被害をもたらしたスーパーストーム、サンディーの災害から発想を得たものであると多くの関係者は語っている。

 エネルギー長官のアーネスト・モニズ(Ernest Moniz)氏は「このスーパーストーム・サンディー被害一周年は、災害時に重要インフラが経済、健康、安全保障に与える影響の大きさを思い起こさせてくれる。国家として、我々が責任の分担を明確にして、被災地住民への災害時における行政サービスを準備しておく必要がある。」と語った。

 カリフォルニア州選出の上院議員で環境民生委員長のバーバラ・ボクサ―(Barbara Boxer)氏は「スーパーストーム・サンディー、カリフォルニアの山火事、コロラドのの洪水やその他の巨大災害が全米にわたって発生している。これは我々が既に、気候変動の真っただ中にいる事をしめしており、その被害は納税者に数十億ドル(数千億円)単位で負担を強いている。オバマ大統領が連邦政府の新たな気候変動に対処する為の機構を設置したことを歓迎する。」と述べた。

原文(英文)URL: http://ens-newswire.com/2013/11/01/obama-creates-interagency-council-and-task-force-on-climate-2/
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