ダンテの森    
27 Sep 2013   10:21:36 am
IPCC気候変動報告書
地球温暖化の原因は人類の活動に起因するとする確率は95%
ブログ管理人

 診断の結果、病状は今後どれくらい悪化するかは予断を許さない。原因は生活習慣に有る事は明確である。しかし、患者はその生活習慣を変えようとはしない。

 豊かになった工業先進国は化石燃料を燃やし続け地球環境を傷めることを止めようとしない。地球温暖化は深刻さを増し、気候の狂暴化による、干ばつ、台風、竜巻、大雨、洪水などによる損害は年ごとに巨額になり、将来の大きな負の遺産となっている。

 2009年のローランド・エメリッヒ監督の終末映画「2012」のような、地球規模の急激な破壊はまだ起きていない。環境学者達は、この映画のような事にはならないだろうとしている。しかし、学者の中には地球環境負荷がある一定のレベル「ティッピング・ポイント」を超えた時に、何かが引き金となって、ドミノ倒しのように災害の連鎖が起こり、それが世界に広まって地球規模の同時大災害が発生する可能性は有るとする人たちもいる。

 今回IPCCが7年ぶりに国連に提出した第五次評価報告書(AR5)は、世界3000人以上の環境・気象学者の論文を精査し、数百人の科学者がまとめ上げたもので、この地球温暖化は95%の確率で人類が引き起こしたものであるとした。これは科学的知見であり、これを政治的に操作する事は許されないとしている。

 5%の不確定要素が有るということは、医学の世界においては、ある薬の効果には5%の不確定要素が残っていると言う場合、治療効果有り判断され、治療薬として認めらる判断基準である。

 病状が悪化することでどのような症状がでるかは予想する事はできないが、重篤な状態で病気は間違いなく進行している。治療法は大量に燃やしている化石燃料を大幅に減量することである。高脂血症の患者に、低カロリー食にする様に処法をしているのだが、太った患者は一向に食生活を変えない。これが今の地球の状態である。

 今回のIPCC、AR5の報告は、これまで環境懐疑派に与えていた議論の余地を無くし、懐疑派の議論を封ずるもので、その意義は大きい。
カテゴリー : ブログ管理人 | Posted By : dantesforest |
26 Sep 2013   10:55:54 am
危険な都市東京横浜
世界で最も危険な都市ランキング1位、東京と横浜
Huffingtonpost.jp, NewSphere, 2013-09-25

世界危険な都市TOP3は東京、大阪、名古屋 その理由とは

 スイスの再保険会社スイス・リーは9月18日、河川の氾濫、高潮、津波、暴風、地震などを総合して検証した結果、東京と横浜が世界で最も危険な都市だと判断したことを発表した。

 さらに、人的損害ベースではフィリピンのマニラ、中国の珠江三角州地域が危険な都市の上位にあがっている。損失する稼働日ベースでは、大阪が2位、名古屋が3位と日本の都市が独占する結果となった。

Swiss Reのサイトからこの報告書(英文pdf)がダウンロードできる。
http://media.swissre.com/documents/Swiss_Re_Mind_the_risk.pdf

【地震を感じたらすぐに避難を】

 津波の警報システムは、一般的に、地震の位置、地震の強さ、震源の深さ、活断層の動きを測定するものだという。

 日本気象庁では、揺れを記録する200台の地震計、震度を算出する600台の震度計に加え、1000台以上のGPSシステムを日本海溝に広範囲に設置している、とワイアード誌が報じている。

 しかしながら、ロンドン大学(UCL)の災害リスク軽減研究所は、「地震警報は、主に地震の発生を探知することで発令される」ため、警報が発令されてから行動を開始しては遅いとしている。「もし地震の揺れを感じたら警報を待たずに内陸、あるいは、小高い土地に移動するべきだ」とし、「海岸近くで地震を感じたら、津波に巻き込まれる危険があるので、直ちに避難するのが最良の自己防衛だ。」と助言している。

【都市部の人口集中で被害が拡大】
 国連の発表によると、2050年までに世界の総人口の68%に当たる63億人が都市部に集中すると予測されるという。<中略>

 スイス・リーのミーガン・リンキン氏は、「世界中の都市政策に関わる人たちが、今回の調査報告を利用して、自然災害の危険性を理解し、その発生から市民を守るために必要な方策を取ることを期待します。」と述べている。

ハッフィントンポストURL: http://www.huffingtonpost.jp/2013/09/25/dangerous-city-ranking-top3_n_3986362.html?utm_hp_ref=japan
カテゴリー : 他メディアより | Posted By : dantesforest |
25 Sep 2013   11:23:42 am
持続可能な消費
買い物をチェックする環境アドバイザーを設置――これは宣伝の為のギャグでは無い
ケルニッシェ・ルントシャウ、2013-09-24より、

 キウイはニュージーランドから、バナナはエクアドルから、このリンゴは隣の州のもの、このジャガイモは地元産、こちらのジャガイモはエジプトからですと、買ったものを説明しどれだけのフードマイレージで、CO2何グラムに相当するとアドバイスしてくれる環境コンサルタントが常駐するスーパーで買い物をする。

 食料品の買い物で考えなければならない事は、新鮮さと味だけでは無い。個人のエネルギー消費量を少なくしようとすれば、フードマイレージを考えた買い物をしたい。ケルン市民の多くが「環境都市ケルン・プロジェクト」に賛同して持続可能性の高い消費をしようと考えはじめている。

 このプロジェクトはライン・エネルギー会社が主催し、環境保護プロジェクトとして地元のスーパーマーケット・チェーンREWEと共同ではじめたものである。スローガンは「賢く買おう」である。消費者の購買行動、ゴミの減量、省エネを推進してCO2排出量の削減にガイドしようとするものである。

 REWEでは来春からケルンの10店舗に環境の専門家を常駐させて、消費者の買い物をチェックして、希望の消費者にアドバイスを行う「環境アドバイス・サービス」をはじめる。

 同社の営業担当役員、シュテファン・ヴァイス(Stefan Weiss)氏は、北西ドイツの587店舗の責任者である。「これは決して宣伝の為のギャグではなく、当社の長期戦略なのです。持続可能性を一部の人の運動から広く一般の消費者の普通の消費行動にして行くためです。」と語る。

 REWEでは店舗の建物の低エネルギー化や運搬トラックの排ガス削減に取り組んで居り、本年12月にレーベンニッヒ(Loevenich)にこれまでで最も低エネルギーの「グリーン店舗」をオープンする。同社の新入社員はこの店舗で同社の環境戦略を体験し教育を受ける。

 プロジェクトの主催者が地元のエネルギー会社であると言うのに驚かされる。日本では、いまだにいかに消費者にエネルギーを使わせるかを考えているのがエネルギー会社であるのに、ドイツではその反対の事を行っている。スーパーも売上重視では無い。持続可能性を考えた企業のとるべき行動はこのような形になって行く。日本でも20年後にはこうなっているのだろうか。


原文(ドイツ語)URL: http://www.rundschau-online.de/koeln/nachhaltigkeit--das-ist-kein-marketing-gag-,15185496,24427892.html

カテゴリー : 他メディアより | Posted By : dantesforest |
24 Sep 2013   12:14:54 pm
持続可能な魚養殖
但し、養殖は正しく行われないと環境を汚染する
GreenBiz.com, 2013-09-20 Christiana DesMaraisの記事より

 食卓に乗っている天然魚のほとんどは漁獲量制限ぎりぎりか、制限量を超過して取られた魚であると思って間違いない。魚の需要は増加の一方で、国際価格は上昇の一途で、先月の鮭とマグロの価格は史上最高を記録した。

 魚の養殖は魚資源の保全には貢献できそうであるが、それは正しい方法で実施される必要がある。魚の養殖は、殺菌剤、抗生物質、その他の化学薬品投与による食べた場合の健康に与える影響の問題だけではなく、周辺の水質汚染や生態系への影響、マングローブの伐採などの問題を多く提起している。その他に、養殖場で感染した魚が養殖場外に逃げ出した為に天然魚に疾病が伝染する等の問題も発生している。

 それでも魚の養殖は食糧問題の解決策の一つとして注目されている。2021年には天然・養殖合わせて魚の生産は1億7千万トンになり、牛、豚、鶏を超える。養殖の割合は現在3%であるが、2021年には33%になると推測されている。

■世界鮭イニシアティブ(Global Salmon Initiative, GSI)
 この団体には世界の15社の鮭養殖企業が加盟しており、現在世界の鮭生産量の70%を占めている。

■オーストラリアの持続可能な魚養殖
 オーストラリアでは一般的な食用魚バラマンディ(スズキ目の大型魚)の養殖では、10年前から水の循環システムで、タンクやプールの水をフィルターしてリサイクルする事で、環境汚染をしない方法を実現している。タンクに入れた稚魚は成長に従って別のタンクに移され成魚になるとプールに移される。タンクやプールは赤外線センサーで魚の密度が常に監視されており、魚の過密化を避けている。水はフィルターされ魚の排せつ物は集められて、農業用肥料として販売される。年間900トンの魚の生産で、2.5トンの肥料が出荷されている。

■ヒラマサの養殖で環境保護NGOから認定
 オーストラリアのクリーン・シー(Clean Sea)社は、ヒラマサ養殖で環境保護NGO, Friend of the Seaから認定された南半球で初めての企業である。しかし、稚魚の捕獲ができず2013年と2014年は生産を停止している。

■新開発のエビ養殖法
 米国ミズーリ大学のデイビッド・ブルーン(David Brune)氏が開発した、分割方式のエビ(ホワイト・シュリンプ)の養殖法は、養殖池に羽根車を設置して水面を撹拌する事で緑藻大量に発生させる。緑藻はエビの排せつ物を養分にして育ち、エビは緑藻を餌に育つ完全な循環システムである。通常1年以上かかるところを120日で成長すると言う。

原文(英文)URL: http://www.greenbiz.com/blog/2013/09/20/5-ways-companies-are-cleaning-fish-farming
カテゴリー : 他メディアより | Posted By : dantesforest |
23 Sep 2013   07:52:55 pm
環境懐疑派に朗報
国連は地球温暖化の進行は予測より遅いと認めた
ドイツ、ヴィルトシャフト電子版、2013-09-20

 地球温暖化の速度は、これまで発表されていたよりも緩慢である事が分かった。IPCC(気候変動に関する政府間パネル)が、第五次評価報告書(AR5)として今週金曜日(9月27日)に発表する。この最新の報告によると、1998年〜2012年までの14年間の地球の平均気温は0.05℃/10年の上昇で有った。前回の第四次評価報告書(AR4)では1951年〜2012迄の温度上昇は0.12℃/10年とされていたので、これに較べるとかなり緩慢な温度上昇であると言える。

 2007年に発表されたIPCC(AR4)では今後の温度上昇を0.2℃/10年と予測し、この発表をしたことでIPCCはノーベル平和賞を受賞している。

 第五次評価報告書で何故、これほど大きな差が出たかについては、予測していなかった急激な気候変動が、世界各地で数多く発生したためとしている。また、報告の中にはコンピュータ・シミュレーションがCO2の温暖化効果を過大評価したと思われる可能性が排除できないとの記述がある。

 現在の欧州の地球温暖化対策は全て、このAR4で発表された予測に基づいて対策が取られている。欧州議会の自民党(FDP)代議員のホルガー・クラーマー(Holgar Krahmer)氏は、この新しい報告により、直ちに環境政策の修正を行う必要性が出てきたとし、一部の産業にとって致命的とも言える、CO2排出権取引の強化政策を取りやめるべきであると、ドイツの新聞ディ・ヴェルト(Die Welt)に語っている。

この記事を掲載したドイツの雑誌、Wirtschaft Magazin電子版のURL:
http://www.wirtschaft.com/20130920-bericht-un-klimarat-sieht-erderwaermung-deutlich-verlangsamt-138915

 このような、環境懐疑論者はそれ見た事かと地球温暖化対策の緩和を主張する好材料であるが、0.05℃/10年は決して少ない上昇では無い。100年で0.5℃、200年では1.0℃の気温上昇であり、過去2万年に渡って0.5℃程度しか気温が上昇していない事を考えるとこの変化は十分に大きいと言える。ましてや、現実に気候の狂暴化は、世界各地で発生しており我々が身近に感じるものとなっている。その上、CO2濃度は本年7月に400ppmを突破し過去数十万年に無かったレベルに達した。

 恐らく、安倍政権はこの発表をまるで鬼の首を取ったように発表し、日本が2013年から始まった京都議定書の第二約束期間から脱退し、2020年までのCO2削減目標も無くしてしまった「環境政策」を自画自賛することであろう。そしてそれを太鼓持ちのマス・メディアが囃したてるであろう事が予想される。

 エネルギーを必要以上に消費をする上に組み立てられている今日の経済に持続可能性が無い事は明らかである。少ないエネルギー消費で豊かな暮らしができるような、新しいパラダイムにして行くのがグリーン経済への移行である。例えIPCCの予測の数値が変わったところで、地球の温暖化が人類の営みに起因していることには変わりは無い。人類は地球に住む生命体の一部であり、他の生命体の生存を脅かす権利は持っていない事を知るべきで、これから繰り広げられるであろう、反環境対策キャンペインに騙されてはならない。ブログ「ダンテの森」は正視眼で見守って行く。
カテゴリー : 他メディアより | Posted By : dantesforest |
 
ページ: Prev 1 2 3 ...72 73 222 223 224 Next
Jul 2025 8月 2025 Sep 2025
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31       
にほんブ�前村
カテゴリー
Factor Five [220]
General [13]
ブログ管理人 [315]
他メディアより [577]
リーセント
北極海氷、2番目の小ささ
地球環境の救世主になるトランプ?
Oceans’18Kobeを訪ねて。
第三回国連環境総会
気候変動は国際社会の責任
トランプに消されるEnergy Star
トランプ大統領の誤算
ドイツ市民の誇り
水中CO2センサー
6年ぶりのメキシコ
アーカイブ
7月 2012[77]
6月 2012[80]
5月 2012[93]
4月 2012[97]
3月 2012[98]
2月 2012[68]
1月 2012[96]
12月 2011[100]
11月 2011[99]
10月 2011[109]
9月 2011[111]
8月 2011[97]
ユーザーリスト
Admin[5]
dantesforest[1120]
検索
組織化
Powered by myBloggie 2.1.4