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09 Feb 2013 10:45:16 am |
環境問題の歴史 |
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中国には日本と同じ軌跡をたどってほしくないが
中国北京のスモッグ公害PM2.5が話題になっており、メディアはそれを中国攻撃の材料にしようとしている。公害の歴史はその国の発展の歴史と結びついている。アメリカでは1943年頃から公害が社会問題化され最初の公害規制法は1947年にカリフォルニア州で制定された。1974年には数々の環境関連の法律が整備され、ピッツバーグやロスアンゼルスに青空が戻って来ている。
日本は1945年の敗戦直後から石炭を主要エネルギー源とした産業復興がはじまり、大気汚染公害が社会問題化する。
1962年に日本初「ばい煙の排出の規制等に関する法律」が制定される。1965〜1975までは年率10%と言う高度成長経済に伴い、イタイイタイ病、水俣病などに代表される大気、水質、騒音などの環境問題が社会問題化する。これは1973年の第一次石油ショックまで続く。1967年に公害対策基本法が整備される。
1975〜1984年は安定成長期に入り、公害関連各法が整備され効果が出てくる。1971年には初めてCO2が規制の対象にもなりこの頃の日本は正に環境先進国であった。しかしこの期間の後半から決められた規制値をクリアされなくなる傾向が強くなる。生活に直接影響を及ぼしていた大気や水質汚染が改善され国民の監視が厳しく無くなったせいもあってか、目標値が達成されなくても問題視されなくなる。この頃から日本の失われた20年がはじまり現在に至っている。
この様な一国の環境問題の変化を表す方法として「環境クズネッツ曲線」と言うものがある。(下図)タテ軸には環境負荷の度合いを、ヨコ軸には一人当たり国民総生産を表したものである。未開の段階が左下で、この頃のこの国は貧しいが美しい(日本では1945年以前)。そこから経済発展がはじまり、国が豊かになるにつけ環境負荷は増加する、豊かだが汚い時期(日本では1965〜1974年)になる。次に国は豊かになり環境対策に潤沢な資金が投入され効果が表れてくる段階(日本では1980年頃)であり日本では約35年間かかっている。
現在の中国を環境クズネッツ曲線にあてはめると頂点の手前であろう。ただ、日本と異なるの中国経済の規模が格段に大きく地球環境に与える影響が大きいことである。中国政府は第12次五カ年計画で2012年7月から3年6ヶ月の間に3720億ドル(約34兆円)の財政出動を行って環境対策を行う事を決定しているので、習近平政権の最重要課題であるが、日本がお手伝いできる事が多々あると思う。しかし、北京からスモッグが無くなり美しい冬空が戻って来るのは後数年は掛ると思うが、中国が1975年から近代化がはじまったことを思うとかなり早いペースで頂点を迎えようとしている。日本のメディアは冷静に推移を監視して報道をすべきである。
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08 Feb 2013 11:23:09 am |
飯田市に円形交差点 |
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環境に優しいラウンドアバウト型交差点は欧州では常識
天竜下りで知られる長野県の南端に位置する飯田市はリンゴ並木の美しい街である。この飯田市と名古屋大学工学研究科が環境に優しい円形型交差点を導入した。
欧州では最近、このラウンドアバウトと呼ばれる円形交差点が積極的に導入されている。理由は環境負荷が少ないからである。信号は電気を消費する、日本全国には20万基の信号機が設置されており、少なく見積もっても60万kWの電力を消費している。これは原発半分以上に相当する。その上車がストップ・スタートする為に無駄な燃料消費が増える。信号機のメンテナンスにも費用が掛る。しかし、信号機は一基数百万円と高価で、信号6社と言われる信号機メーカーが独占する市場で彼らにとっては美味しい仕事が奪われる、有りがたくない話であるので、かなりの反対が予想される。ちなみに、パリの凱旋門は巨大なラウンドアバウトである。
以下は毎日新聞から。
毎日新聞 2013年02月07日 地方版より、
飯田市が、同市東和町の五差路信号交差点で昨年から進めていたラウンドアバウト型円形交差点10+件への改造工事がほぼ終わり、信号機を撤去し円形交差点として運用を始めた。同様の円形交差点は既に市内にあるが、国際交通安全学会によると、信号機を取り外し円形交差点に改造するのは全国初。
交差点中央に車が入れない直径13メートルの島を作り、その周囲に時計回りの一方通行の環道(かんどう)を作った。環道への進入は全て左折、環道から出る時も全て左折になる。ラウンドアバウト型は、環道を走る車が優先的に走る仕組み。この交差点では環道に進入する車が一時停止する。5日は信号を撤去し、島の部分を暫定的に赤いコーンとポールで区切った。
円形交差点は、信号がないため、停電の時も車がさばける利点があり、東日本大震災後に再評価された。また、速度抑制による重大事故防止▽五差路、六差路の制御も可能▽無駄な信号待ち時間の解消▽信号機設置・維持管理費削減−−などの利点がある。一方、交通量が多いと車をさばけない弱点もある。
市は交差点改造にあたり、逆送防止のため環道への進入路に角度をつける▽一時停止を促すため環道入り口路面に白い破線を描く−−などの事故防止策を図った。
プロジェクトリーダーの名古屋大大学院工学研究科の中村英樹教授(交通工学)は「電力に頼らない良いことずくめの方法。最初は戸惑っても2回目からは何の問題なく走れる」と話した。また牧野光朗・飯田市長は「環境文化都市のシンボルになる。飯田から全国に広げていきたい」と話した。
毎日新聞記事原文URL: http://mainichi.jp/area/nagano/news/20130207ddlk20040005000c.html
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07 Feb 2013 12:00:08 pm |
熱帯雨林を取り戻す |
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パルプ大手のAPP社がインドネシアでの熱帯雨林保護を宣言。
GreenBiz.com 2013-02-06より
2013年2月5日、アジア・パルプ・アンド・ペーパー(APP)社は熱帯雨林伐採に反対する環境保護団体の運動に応える為にインドネシアの森林での伐採を一切停止し今後は森林保護を進めると宣言した。
同社は、森林保護政策を発表し、泥炭採掘を含む全ての森林破壊につながる業務を停止すると発表した。さらに温室効果ガスの排出量を減らす為に泥炭地の管理を改善し、地域社会やその他のステークホルダーとより緊密に協力して行くとしている。また、この戦略はインドネシアのみでなく中国を含む全てのAPPの事業所に適応するとしている。
これまで、同社は様々な環境対策を約束したが、それらは環境保護団体から「グリーンロンダリング(緑洗浄)」と批判されていたが、今回の戦略はまじめなものとして評価されている。
グリーンピースは、今後のAPPの動きを厳格に監視して行くとしているが、この計画が実行に移されれば、インドネシアの熱帯雨林は劇的に改善されることが予想される。APPの戦略は他の紙パルプ、パーム油、大豆、肉牛の生産者達に、人類の唯一の生息地である地球環境を破壊する事無く、持続可能なビジネスを続ける方法があることを示唆することになる。
環境保護団体は過去数年にわたり、アディダス、クラフト、マテル、ハスブロ、ネッスル、カルフール、ステープル、ユニリバー等を含む100社以上からAPPの紙パルプを原材料とする紙製品をボイコットする約束を取り付ける戦いを進めて来たが、その勝利の証であるとしている。
グリーンピースは、もう一つの紙パルプ大手のアジア太平洋資源インターナショナル(APRIL)社にもAPPと同様の決定をするように書面で通知を行った。
インドネシアと同じく赤道に位置し、熱帯雨林を擁するコスタリカでは森林保護が持続可能性ビジネスとなる先例を示している。(2013-01-07のブログ参照)
原文URL:http://www.greenbiz.com/news/2013/02/06/asia-pulp-paper-commits-end-rainforest-destruction
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06 Feb 2013 04:29:59 pm |
温室効果以外の気候変動要因 |
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都市部のエネルギー消費が気候変動に影響していると言う研究結果
カリフォルニア州サンディエゴ2013-02-05発(ENS)
カリフォルニア大学スクリップス海洋学研究所の気象学者Gung Zhang博士のチームの研究によると北半球に集中している大都市が排出するエネルギー(廃熱)が北半球の平均気温を1℃上昇させていると発表した。
これまで、北半球の温度上昇は、大気中のCO2濃度と気温変化の全地球モデルで行ったコンピュータ・シミュレーションの結果よりも上回っており、整合性が取れなく原因不明とされていた。
Zhang博士のチームはこれに着目して研究を進めた結果、化石燃料を燃やす事により大気中にCO2が増加するする事による温室効果に加えて、都市部から排出される廃熱が直接北半球の気温に影響を与えているとの仮説を立て、建築物や自動車が排出する熱量を問題視した。
大都市は、北半球の北米大陸の東西沿岸部、ユーラシア大陸の東西沿岸部に集中しており、この大都市部からの廃熱の総量は北半球の大気の流れに影響を与えるのに十分なエネルギー量を持っているとしている。2006年中に消費されたエネルギーの総量は16テラワットであったが、北半球にある86の大都市で消費されたエネルギーは6.7テラワットであった。
化石燃料を燃やす事により排出されるエネルギーの量は、地球が太陽から受けているエネルギーの量に比べてほんの僅かなものに過ぎないので、人類の営みが地球温暖化の原因とは言えないとの議論があるが、この研究結果は北半球の都市の限定された面積(地表面積の1.27%)から連続して集中的に放出される高い熱エネルギーによって北半球の大気に影響を与えているとする。建築物と自動車がその主たる原因であるとしている。
因みに、この研究は全地球的気候変動モデルを扱っており、従来議論されているヒートアイランド現象とは全くことなるアプローチをしていることが強調されている。研究の詳細は「Nature Climate Change」誌で2013年1月27日に発表されている。
この研究結果も「ファクター5」が目指す、建築や交通のエネルギー消費を1/5にしたいとする方向が間違っていない事を裏付けている。
原文URL:http://ens-newswire.com/2013/02/05/waste-heat-from-cities-has-global-climate-effects/
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05 Feb 2013 03:37:45 pm |
ドイツのエネルギーシフト |
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エネルギーシフトをグリーン経済への移行の先取りとポジティブに推進
NGO/NPO「気候ネットワーク」のサイトから
温暖化防止のために市民の立場から行動するNGO/NPOである「気候ネットワーク」のホームページにドイツのエネルギーシフトについて書かれているので紹介する。
「ファクター5」の提言がドイツ国内でどのように実現されつつあるのかが分かる調査・報告である。これは同NPOが提携しているドイツのハインリッヒ・ベル財団の記事の翻訳であるが、まさに「ファクター5」に書かれている内容が報告されていて大変興味深い。
1.ドイツのエネルギーシフトは野心的であるが、実現可能である。日本の失われた20年の期間にドイツ産業界はグリーン経済 への移行の為の試行錯誤を重ねてきて、やっとグリーン経済への移行の実感を掴みつつある。
2.ドイツではエネルギーシフトをエネルギーヴェンデ(Energiewende)と呼び一般的に頻繁に使われるが、市民やコミュニティ ー主導で行われている。ドイツ産業を支えているのは中小企業であるが、地域の中小企業が小グループの研究会の様なグ ループを作ってコミュニティーと共にエネルギーシフトを検討しており、その中からグリーン経済が形成されてきている。
3.ドイツはエネルギーシフトを戦後最大のインフラ事業と考えている事。グリーン経済への移行は全ての産業分野で行われて いる。例えば、エネルギー源を化石燃料から再生可能エネルギーに転換するには2000億ユーロ(約25兆円)の投資が必 要になるが、そこには新たな雇用が創出される。2012年現在で40万人が再生可能エネルギー市場で生まれた。化石燃料 は輸入され、補助金が出されているが、輸入が最小限になれば、出動される補助金も最小となり国家財政に寄与すると同時 にエネルギー安全保障を堅固なものにする。
4.ドイツはグリーン経済社会におけるマーケットリーダーとなる。過去20年間に築いたグリーン経済の産業基盤でドイツの大企 業と中小企業は世界のマーケットリーダーとなることを目指している。
5.グリーン経済は大企業と中小企業が対等に競争できる市場を目指す。
6.ドイツは気候変動対策と脱原発を同次元の問題と捉えている。
7.ドイツのエネルギーシフトはグリーン経済への移行を意味し、単に化石燃料(原発を含む)から再生エネルギーへの転換を意 味するものではない。資源とエネルギーの効率向上をはかる事で低エネルギーな社会構造を作ることに有る。例えば地球 温暖化ガス全体の40%を占める建築物分野での省エネルギーは大きな効果を生む。2050年までに80%(ファクター5)の 省エネを目指している。(下の図参照)
8.ドイツのエネルギーシフトは定着している。1994年に憲法にあたるドイツ基本法に環境保護が加えられて、担当政権党がい ずれの党になっても環境保護への姿勢はぶれる事が無い。(2012-07-10のブログ参照)
などが書かれている。原文のURLは次の通り。 http://www.kikonet.org/research/get.html
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