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30 Jan 2013 10:14:30 am |
WWFジャパン声明 |
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気候変動対策を「取り戻す」ために安倍総理の所信表明演説に際してーーWWFジャパン
安倍総理の所信表明演説に対しWWF(世界自然保護基金)ジャパンは2013年1月28日に声明を発表した。小ブログとしては賛同の意を表する為に以下に全文を掲載する。
安倍総理は、本日(2013年1月28日)、第183回国会において、所信表明演説を行なった。演説内容は、経済再生や震災復興等の主要課題に論点を絞り、気候変動や地球温暖化に対する政策方針は示されなかった。WWFジャパンは、気候変動問題に対する言及が皆無であったことに失望の念を禁じえない。この事実が、安倍政権において気候変動問題の軽視に直結しないことを期待する。気候変動問題は、安倍政権がその関係を重視する米政権においても重要課題としてとりあげられる予定であり、今後、本国会内で行われる施政方針演説においては、明確かつ野心的な方針が示されることを期待したい。
気候変動対策を後退させるべきではない
気候変動に関しては、先の日本経済再生本部において、民主党政権が掲げた「25%削減目標」を「ゼロベースで」見直すとの総理指示が出された。東日本大震災および福島第一原発事故をふまえて、エネルギー政策の見直しが行われるため、それに伴って既存の気候変動中期目標が見直されること自体はしかたがない。しかし、その見直しが、気候変動目標の大幅な引き下げにつながることは避けなければならない。日本の目標がいたずらに引き下げられることは、世界にとっても、日本にとっても負の影響が大きい。
国際的には、気温上昇を「2度未満」に抑えるために必要な削減量と、各国が誓約した削減総量との間に大きな差があることが認識されている。国連交渉では、その差を埋めるために、いかにして排出量削減の水準を引き上げるかを議論している最中である。もしここで大幅な目標引き下げを日本が行えば、明らかにその流れに逆行し、困難な交渉が続いている国連交渉にさらに水を差すことになる。また2020年以降の新しい枠組み交渉においても、さらなる地位低下は避けられない。
日本は、他の先進国と共に、2020年の削減目標を向けてどのような対策を行っているかを隔年報告書という形で2014年1月1日までに国連に提出することに合意している。つまり、COP19が開催される2013年11月に「目標」を決めているようでは、本来は遅すぎるということも踏まえなければならない。
省エネルギーおよび再生可能エネルギー目標をより野心的・包括的に
政権が変わろうとも、日本にとって、今後の省エネルギーおよび再生可能エネルギーの推進の重要性はいささかも変わりえない。今後策定される「エネルギー基本計画」においては、これらについて、野心的な目標を設定して推進していくべきである。
特に省エネルギーについて、最終エネルギー消費について、産業部門や業務部門での更なる対策によって、2010年比30%減を目指すべきである。
再生可能エネルギーについては、日本の再生可能エネルギーのポテンシャルを最大限に活かすため、少なくとも、35%以上(3,500億kWh以上)を目指すべきである。また、熱や燃料利用も含めた目標を提示するべきである。
石炭重視政策からの転換を
気候変動政策の観点からは、化石燃料について、石炭重視の政策からの転換も必須である。昨今は、震災の影響を受けて、石炭重視の姿勢に拍車がかかっている。その一例が、2012年11月に発表された東京電力による石炭火力を想定した発電設備の入札である。こうした流れは、気候変動対策からの逆行がはなはだしい。よりCO2排出量が少ない天然ガスへのシフトを出来る限り進めていくべきである。
発送電分離を含む電力システムの抜本的な改革を進めること
自然エネルギー推進の大前提として、既存の電力システムの抜本的な改革が必要となる。地域内・地域間の系統連携の強化、発送電分離と電力自由化による電力事業のあり方の改革、電力需給のバランス調整を行なえるような次世代電力網・スマートグリッドの確立などの社会的インフラの整備についても、速やか行なっていくことが必要である。
原発ゼロ方針を確定的にすべき
原発については、2012年、民主党政権下で、「国民的議論」を経て、「原発に依存しない社会の一日も早い実現」を掲げ、「2030年代」にゼロにしていく方向性が示された。新しい政権の方針が違うとしても、国民の多くが「将来的には原発を無くす」という方向性を支持した事実は否定し難い。
原発については、段階的かつ確実に無くしていく方針を採択するべきである。
原文URL: http://www.wwf.or.jp/activities/2013/01/1115229.html
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29 Jan 2013 11:50:53 am |
東北の持続可能都市 |
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日本にもあったグリーン経済を指向する町――岩手県紫波(しわ)町
日本政府に先駆けてグリーン経済への移行を目指している町の事が、総合雑誌「潮」1月号に紹介されていた。
岩手県のほぼ中央に位置し盛岡市と花巻市に挟まれた人口3万4千人、24%は農地、60%は森林、自給率が170%の地方都市である。
この町には1988年に竹下首相がばらまいた1億円を使って掘り当てた温泉を利用した、「ラ・フランス温泉館」と言う施設があるが、この施設は太陽光温水パネル、太陽光発電、廃熱回収ヒートポンプシステム等を備えた低エネルギー施設で、必要なエネルギーの30%しか化石燃料に由来するエネルギーは使っていない。その為、3.11直後に鉄路、道路が分断され東北地方の資源供給がストップした当時にあっても、通常営業を続ける事ができ、沿岸の大槌町で被災した100人をこの施設で受け入れている。
この町は日本に環境基本法が施行された1933年に「ごみポイ捨て禁止条例」を全国で3番目に制定している。2000年には「新世紀未来宣言」で、紫波の環境を100年後の子供たちによりよい姿で残して行くと宣言しており、目標を2010年に設定して「環境・循環基本計画」が作られ、経済(Economy)、環境保護(Ecology)、地球を意識する(Earth Conscious)の3つの頭文字から「エコ3」と名付け、有機資源の100%循環活用を行う施設を2001〜2004に整備して、2010年には目標達成を宣言している。
畜ふんを処理して堆肥を製造し、「えこ3堆肥」として町内の農家に販売、製材所から出る端材、森林の倒木や間伐材から粉炭、木酢液を製造して土壌改良剤や堆肥発酵促進剤として利用、さらにペレットにしてボイラーやストーブ用に販売している。
現在駅前開発のプロジェクト「オガール」があるが、約10ヘクタールの町有地に木造3階建ての町役場庁舎、2棟の民間商業施設、57戸の住宅が建設されるが、建設するのは地元の大工、木材は町内産を用いて200年の歳月に耐える建築を目指すとしており、木ペレットで運用する温熱供給施設から暖房用エネルギーを地域供給し、化石燃料の削減を目指している。これらの事業は全て民間事業が行っており、第3セクター事業の予算・収支はホームページで公開している。
学校教育にも環境教育が取り入れられ「新世紀未来宣言」を副読本として、子供たちによる植林も進められている。町内には環境や福祉関係のNPO法人が16団体有り活動を行っている。
紫波町のホームページURL:
http://www.town.shiwa.iwate.jp/
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28 Jan 2013 04:38:51 pm |
マイクロソフトの研究 |
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持続可能性への正しい政治判断を援助するシミュレーションシステム
2013-01-17のマイクロソフト・グリーン・ブログより
もし、巨大なコンピュータモデルが地球環境を予測してくれて政治的決断に役立つことができれば良いのにと思う人は多いだろう。
マイクロソフト社のコンピュータ・エコロジーと環境科学グループ(CEES)は、このような研究を進めている事をネイチャー誌上に発表し、世界の同様な研究をしている研究者に協力を呼びかけている。
マイクロソフトCEESの責任者、ドリュー・パ−ベス(Drew Purves)は英国ケンブリッジの同研究所と国連環境計画(UNEP)世界自然保全モニタリングセンター(WCMC)とこの研究を始めたが、当初はいったい何時終わるのかも分からない状態であったが、自由な雰囲気で討議を進める事ができ、思ったより早く開始後2年で、従来巨大すぎて実現不可能と思われていた一般的生態系モデル(GEM)を作り上げることに成功した。
このモデルを使うと短時間に、種の保存に関する政治的判断を行う事が可能になった。このモデルの元になっているのは、大循環モデル(GCM)と呼ばれる、地球上の海洋、陸地、大気の物理的、化学的反応のシミュレーションを行う数学モデルである。科学者はGCMを用いて、地球の気候のメカニズムを理解しようとしている。地球温暖化による気候変動を予測しているのはGCMによるものである。このモデルの確度は高い評価を受けている。このモデルを用いて生物多様性(GEM)を作る事は、決してたやすい事では無いが不可能ではない。マイクロソフトとUNEPは2年間を費やしてプロトタイプの陸上と海洋の生態系のモデルを作ることに成功した。
海洋と陸上の大小全ての大きさの草食、雑食、肉食の動物をプログラムして、それらをCO2サイクル・シミュレーションに組み込む事で、生物多様性をシミュレートしようとするものである。
しかし、生物のデータは世界中の研究者の協力なしには得ることができない。それを担っているのが国連環境計画(UNEP)である。
この記事を読んで思う事は、日本には「京」と言う世界最速を誇るコンピュータのハードウエアはあるが、それが持続可能性社会を目指す研究に使われているのであろうかと言う疑問である。少なくともメディアの報道からは聞こえてこない。ご存知の方がいたら教えてほしい。
原文のURL:
http://blogs.msdn.com/b/microsoft-green/archive/2013/01/17/microsoft-research-tackles-ecosystem-modeling.aspx
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27 Jan 2013 01:19:58 pm |
米国のグリーン経済元年 |
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周到に準備された第二次オバマ政権の気候変動政策
2013年1月21日のアメリカのオバマ大統領の就任演説によると、気候変動政策は第二次オバマ政権の次の戦場であると捉えているようである。(大統領演説については1月22日のブログ参照)この大統領演説の1週間前の2013年1月11日にホワイトハウスは国家気候アセスメントの報告書案を発表している。
これは全文1193ページに上る報告書であるが、この報告書は全米、北は北極海から南は赤道近くの海洋、沿岸、平野、砂漠、湖沼、河川、山岳各地の地方のあらゆる分野の専門家による調査結果をまとめたものである。これまでアメリカ政府は国連IPCCの報告に対し、懐疑的であったが、今回はアメリカ国内のデータのみを用いて、アメリカ人の専門家による調査で有るので、反環境保護のロビーストや学者達の反論も少ないと思われる。選挙運動期間中には環境問題にはあえて封印をして環境保護反対の共和党支持者との対立を避け、当選後直ちに動き始めたところにオバマ大統領の真剣さが伺える。
この報告書案の調査結果の最初の項目には、1895年から2012年までに全米の平均気温が1.5度F(0.833℃)上昇したが、その80%(0.666℃)は1980年以降に上昇したとしており、気候変動は人類は化石燃料を燃やした結果であるとしており、これまでのアメリカ政府の主張である地球温暖化と化石燃料の使用の関連は更なる科学的な検証が必要であるとするものから、大きく前進している。
報告書案の全文(英文1193ページ、150MBと大きいので注意!)は次のURLでダウンロードできる。
https://idc-insights-community.com/energy/clean-energy/smartbuildingscatalystsforasecondtermwhitehouseagenda
今回のオバマ大統領の就任演説の目玉と言える環境への取り組みは、決して思いつきで発表されたものでは無いことは明らかである。このような大規模な調査と報告書の作成には数年の歳月と膨大な人員が投入されて可能である。またこの国家気候アセスメントは全米各州の大学や研究機関が参加して行っている。つまりオバマ大統領は自分が再選される事を前提に周到に準備をしてきたことは明白である。オバマ政権の真剣さが感じられる。
やっと、最大のCO2排出国のアメリカが重い腰を上げグリーン経済への移行へと踏み切った。2013年はアメリカのグリーン経済元年となる事は間違いない。中国は昨年策定された第12次五カ年計画(2012年8月29日のブログ参照)で3年6ヶ月に30兆円の予算でグリーン化を推進すると決めている。安倍政権は環境問題に触れることは無いが、ぼくたちは「ファクター5」を出版する事で日本のグリーン経済元年として行きたい。
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26 Jan 2013 10:12:55 am |
東電は汚染水を海へ放出 |
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東電は処理後の汚染水を海洋投棄へ方針転換ーー保管しきれない為
Finace GreenWatch 2013-1-24
各紙の報道によると、東京電力は24日、福島第1原発で増え続けている放射性物質を含む汚染水を、除去処理後に海に放出する方針を示したという。現在は、処理した水は原子炉内で循環させているほか、汚染水については建屋内で保管しているが、貯蔵量が限界に達しているため。東電は、基準値以下に処理した水を放出するとしているが、地元住民の反発だけでなく、魚介類汚染の懸念もある。
東電の方針は、廃炉計画を議論している原子力規制委検討会の場で明らかにされた。東電は「法令で定められている濃度未満に処理し、関係者の合意を得ながら行う」と説明した。東電はこれまで汚染水の海洋放出については「関係省庁の了解がなければ行わない」としていた。
福島第1原発では、原子炉に注水し燃料を冷却。使い終わった水は放射性セシウムを除去して再び原子炉で循環させている。原子炉建屋には汚染水が増加、貯蔵タンクを追加設置してしのいでいる。
基準値以下に処理できるなら、放出せず冷却水として循環させるのが基本。それ以外に汚染水が積みあがるということは、建屋内で放射能濃度の高い作業等が行われているため思われる。これまでも2011年3月11日の事故後にかなりの汚染水を放出しているはずだが、それらの情報開示も不十分で、今後の分だけ「関係省庁の了解」で進めるといっても、信頼できるのか。海外では、東電による海洋汚染、魚介類汚染への不信感が引き続き高まっている。海洋は世界とつながっているので、日本の国内だけの問題ではない。
Finance GreenWatch URL: http://financegreenwatch.org/jp/?p=25708
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