ダンテの森    
26 Dec 2012   06:41:30 am
京都議定書離脱のカナダ
カナダのオイルサンドは中国企業が買い取り
2012-12-17 カナダ、オタワENS発

 2012年12月にドーハで開かれたCOP18で京都議定書からの離脱を宣言したカナダは2012年12月15日に離脱が法的に発効した。議定書署名国180ヶ国で離脱したのはカナダが最初の1ヶ国目である。日本は、第二約束期間(2013〜2020年)の地球温暖化ガス(GHG)排出量削減には不参加を表明している。

 カナダのハーパー首相は、カナダ国民に国民一人当たりのGHG排出量(カーボンフットプリント)が世界で最も多い事をひた隠しにして、京都議定書からの離脱を決めた。

 カナダは1990年にGHGが5.9億トンであったが、2010年には6.9億トンと17%の増加している。京都議定書では1990〜2020年に6%を削減すると約束していた。

 カナダ政府が今後ともCO2を排出し続けなければならない理由は、オイルサンドに有る。オイルサンドは1バレルのビチューメンと呼ばれる中間製品を得るためには4トンの土と砂を移動させ、数百リットルの熱湯を必要とするために、アラビアで原油を採掘する3倍のCO2が排出され、環境負荷が高い。このビジネスを続ける為にカナダ政府は京都議定書から離脱をした。

 カナダ政府はこの度、アルバータ州のネクセン社が保有していたオイルサンド開発・処理プラントを中国第三の企業である中国海洋石油総公司(CNOOC)に1億5千万ドル(1兆2千億円)で売却することを許可している。恐らくカナダの京都議定書からの離脱が中国企業との契約の条件であったのであろう。

 カナダ政府のハーパー首相は未来の世代から最も大きな間違いをした首相とのそしりをまぬかれる事は無い。

 新たな化石燃料を探す事をやめて、低エネルギー社会、持続可能な社会への移行のみが解決策であることが国家レベルのリーダーに届くまで「ファクター5」は訴え続ける。

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25 Dec 2012   06:27:26 am
ルーブルの照明をLED化
ルーブルと東芝が共同でLED照明器具とLED投光機を開発

 地球温暖化ガス(GHG)の40%は建築物から出されており、これを削減すれば新たなシェールガスなどの新たな化石燃料は必要ない。

 2012年12月24日の朝刊に東芝の2面分のカラ―見開き広告が出ていた。写真はルーブルの夜景で中央にピラミッドがひときわ明るく輝いている。欧州の人は照明に敏感である。ただただ明るい平面的な照明を嫌い、立体感と奥行きの有る照明を好む。また、照明器具や投光機の形にも周りとのバランスをこだわる。東芝は今回ルーブルと共同で照明のリニューワルプロジェクトを行った事で多くのノウハウを得た事だと思う。

 従来の外装照明には4500台の照明器具、投光機が使われ392kWhの電力であったものを器具の数も3200台となり消費電力は105kWhと73%の電力削減となった。ファクター5まであと一歩である。年間平均で一日12時間外装照明を点灯させたとして、年間700トン以上のCO2削減になる。このリニューワルプロジェクトは2013年には内部照明へと移るので、更なる消費電力の削減が楽しみである。

 ピラミッドでは、全反射型レンズを採用して光ビーム角度を制御することで従来11.6kWであったものがLED化で3.675kWと約70%の電力削減となった。

 ピラミッドの横の小さなピラミッド、ピラミディオンではピラミッドの1/5の光束を出す器具により、従来の4.8kWを0.433kWと90%以上の省エネとなっている。ファクター10である。

 ファサードは明―暗―明の照明設計で前のピラミッドを浮き上がらせる効果を演出した。ここで使われた投光機の合計電力は従来331.6kWであったものが、87.6kWと約74%の電力削減となっている。

 ルーブルにある7つのパビリオンの屋根の照明は最も明るい3000K(ケルビン)を達成し消費電力は26.4kWから7.74kWと70%以上の省電力となった。

 これらの照明器具は、防水構造(IP65)となっている。

 これまで原発一辺倒であったフランスも国民世論の盛り上がりには勝てず減原発を始めた。その為のシンボリックなプロジェクトであるといえる。

東芝のホームページでルーブルプロジェクトを詳しく説明している。
http://www.toshiba.co.jp/lighting/jp/project/louvre.htm

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24 Dec 2012   04:54:18 pm
クリスマスの意義
西欧文明とキリスト教とエネルギー依存型経済

 下の写真は、現在翻訳作業中の「ファクター5」の著者ヴァイツゼッカー博士からのクリスマスカードである。訳すと『私はローマクラブの共同会頭として日本語版「ファクター5」の発刊を嬉しく思います。なぜなら、ファクター5はもとより「ローマクラブへの報告書」であるからです。』とある。委託されたぼくの責任の重さをずっしりと感じている。

 今日は、キリスト教徒の最大のお祭りの一つクリスマス「聖霊降誕祭」である。正確には24日の日没から25日の日没までである。世界には22億人のキリスト教徒がおりこれを祝う。ちなみにイスラム教徒は13億人、ヒンドゥー教徒は11億人、仏教徒は4億人である。地球人口は70億人であるので、残りの11億人が無宗教であるのかどうかは定かでない。初めて会うドイツ人からは必ず日本でもクリスマスは祝うのかと聞かれる。それには「祝うよ、特にデパートはね。」と答える事にしている。君は、と聞かれると「ぼくは仏教徒だと答える。

 これらの世界宗教が始められたころ地球はまちがいなく持続可能社会であった。エネルギー源は太陽のみであった。人々は太陽の運行と共に営みを送っていた。一日で一番日照時間が短くなる冬至は、人々に生命の弱まりを感じさせ、自然に対する畏敬の念を抱かせたであろう。冬至が過ぎると日々日照時間が長くなるのを感じるにつけ、生命の新たな息吹きが感じられる。一年の最も重要なお祭りには最適な日であったのであろう。キリスト教徒の智恵が感じられる。

 200年ほど前に英国で起きた産業革命は、地底深く閉じ込められていた「禁断の果実」とも言える化石燃料を使う文明をもたらした。このエネルギー依存型文明がキリスト教をその基底に持つ西欧文明(西欧型経済)と共に世界に蔓延したことには異論は無いと思う。しかし、キリスト教会は19世紀に植民地で行われてきた自然破壊に対し声を上げる事は無かった。しかし、最近はかなり変わってきているようである。

 2012年12月19日のフィナンシャルタイムズ紙にクリスマスを迎えるにあたっての異例の寄稿をしたローマ法王ベネディクト16世はその中で『資源を公平に分かち合い、弱者を助けなければならない。強欲や搾取には反対すべきだ。……つつましく貧しい馬小屋の光景から何を学ぶべきだろう。』と持続可能性社会への復帰を呼びかけていると理解できるメッセージを出している。


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23 Dec 2012   07:52:39 am
中くらいかなおらが春
日常生活の「幸福度」ギャロップ調査 パナマなど中南米上位、最下位シンガポール、日本は59位で中くらい
Finance GreenWatch December 22nd, 2012

 米世論調査企業ギャラップ社は22日までに、笑いの頻度や休息時間の大小など日常生活の「充実度」に関する世界148カ国を対象にした調査結果を発表し、最も「不満」を抱いていたのはシンガポール国民だったと報告した。逆に満足感が最も多かったのは中米パナマと南米パラグアイだった。「幸福度」が高い上位10カ国のうち中南米諸国が8カ国を占めた。

 調査は昨年、148カ国の国民約1000人ずつを対象に実施。前日の生活で「十分休めたか」「何か面白いことがあったり興味を持てることをしたりしたか」「たくさん笑ったか」「敬意をもって接しられたか」などの5項目を質問。「はい」「いいえ」の回答率を比較対照することで、各国民のプラス思考や人生への前向きな態度、感情の表現度などを探った。

 1人当たりの国内総生産(GDP)では世界でも最上位級のシンガポールでは、これら5項目に「はい」と答えたのは46%。一方、貧困国とされる中米ハイチや国内紛争が依然続くアフガニスタンではこの比率は55%で、

 質問の5項目への「はい」の回答率では、パナマとパラグアイが85%。エルサルバドルとベネズエラの84%、トリニダード・トバゴとタイが83%、グアテマラとフィリピン82%、エクアドルとコスタリカの81%などが続いた。日本は72%と肯定の比率が高い部類に入った。

 逆に低かったのは、シンガポールを除き、アルメニア49%、イラク50%、グルジアとイエメン、セルビアの3カ国が52%、ベラルーシ53%、リトアニアとマダガスカルが54%、アフガニスタン55%などだった。内戦が長引くシリアでは60%だった。

 ラテン系の国の幸福度が高いのと、紛争地域や最近まで紛争地域であった所の幸福度が低いのは理解ができるが、ぼくの知っているシンガポールからはとても幸福度が低いとは思えないのだが、最近急激な変化があったのだろうか?

ギャラップ調査の原文URL:
http://www.gallup.com/poll/158882/singapore-ranks-least-emotional-country-world.aspx#1

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22 Dec 2012   07:15:50 am
ファッションの無害化
ナイキ、アディダス、H&Mに続き、ザラとリーバイスも有害物質排出撤廃を宣言
NY GreenFashion.com 2012-12-20より、

 多くのアパレル企業が、生産工程で有害物質を海や川に流していることはあまり知られていない。こうした行為を禁止しようと、2011年から環境NPOのグリーンピースが「デトックス」キャンペーンを展開している。

 これを受け、これまでに、ナイキ、アディダス、プーマ、H&M、エスプリ、欧州のファストファッションブランドC&Aやマンゴー、中国のスポーツアパレルのリーニンが、有害物質の排出撤廃を宣言している。そして、ザラとリーバイスが、先月今月と、立て続けに排出撤廃を宣言した。

 ファッション製品は、生産時にさまざまな化学物質が使用され、その中には、人体に有害な物質も含まれている。先進国では使用が禁止・規制されている物質でも、生産している国では規制がなかったり、有名ブランドの服であっても別会社が生産しているためブランド側が規制を徹底していなかったりと、さまざまな事情により、今でも有害物質が海や川に排出されている。

 グリーンピースが2011年に発表した調査結果では、環境ホルモン物質のノニルフェノール・エトキシレートに特化していたが、先月発表された最新の調査結果では、アゾ染色により生成される発がん性物質アミン類や、有害なフタル酸エステル類が高濃度で検出されたことにも言及している。ノニルフェノール・エトキシレートも、依然141製品中89製品で検出された。

 2012年11月末には、ザラの親会社であるインディテックスが"排出量ゼロ"宣言を表明した。
2020年1月1日までに、法的に規制されている物質だけでなく、人体に有害なすべての物質の排出量を、ザラを含む傘下の全ブランドの全生産工程でゼロにすることを約束した。さらに、具体的な行動計画として、 2013年4月末までに改訂版の禁止物質リストを公表し監査を受けること、2013年3月末までに中国の10工場と他国の少なくとも10の工場で、工場ごとに排出した有害物質の情報を公開すること、それ以外の中国の30工場と他国の少なくとも50の工場では2013年12月までに対応することなど、厳格な方針を打ち出し、今後8週間の間に更なる実行計画を発表することを約束した。

 一方、リーバイスは、公式なプレスリリースとしてではないが、12月に入ってからウエブ上で声明を発表しており、ザラと同様に、2020年1月1日までにサプライチェーン全体ですべての有害物質の排出量をゼロにすることを約束し、具体的な行動計画を発表した。

目前に迫ったクリスマス。大切な人に贈るプレゼントは、環境に配慮したものを選びたいものである。

グリーンピースのデトックスURL:
http://www.greenpeace.org/international/en/campaigns/toxics/water/detox/
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