ダンテの森    
05 Dec 2012   12:17:26 pm
世界の電力事業者が協調
世界の三大持続可能エネルギ―ネットワークが協調体制に
2012年12月3日ドーハ発

 これまで、電力事業者の持続可能エネルギー対策はWEC、WBCSD、GSEPの三つの組織によって行われてきたが、この度協力体制を作りグローバル・エレクトロシティー・イニシアティブ(Global Electricity Initiative, GEI)を発足させた。

 GEIは、近年の気候変動を緩和する事を目標に、少しでも早い対応手段の模索の為に、まずデータ収集と現状分析を行い、対策を検討する。従来三つあった組織を一つにする事で、初めて世界規模の電力供給事業者の連合体が一丸となって気候変動に取り組むグローバル・プラットフォームができた。

 70億人の人々に安全確実にクリーンな電力を可能な限り安価に供給する事を世界レベルで実現する為には、政治、経済、消費者の協力が必要な事は言うまでも無いが、実際の業務を行い、ノウハウと投資力を持っている電力事業者がその実行の主体である。

 持続可能社会の実現へのスピードアップとスケールアップにはこのような世界規模の協力体制が必要であった。この業界が持続可能社会にとって重要な意味を持ち、指導的役割を果たす事が求められており、社会に対して的確に持続可能性に関する報告を行い、正しい進路の設定を可能にしなければならない。

 国連の潘基文事務総長からの要求は、発送電効率の倍増と世界規模での電力の補てんと共有の自由度の倍増が求められている。

 GEIはこれまでに、世界25の電力事業者からデータの提供を受けたが、これは世界電力供給量の10%をカバーしている。GEIは世界の3300の電力事業者をメンバーに持ち、世界の電力供給の50%をカバーしている。

GEIのYouTube(英語)
http://www.youtube.com/watch?v=lJkaUlTPSBA

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04 Dec 2012   09:35:35 pm
CFP認定製品
キヤノン株式会社の業務用コピー複合機9モデルがCFP(カーボンフットプリント・コミュニケーション・プログラム)宣言認定を受けた。

 (社)産業環境管理協会(JEMAI)は2012年4月からCFP試行事業を経済産業省から引き継ぎ、同年7月から本格運用を開始している。今回の認定はその第一号である。

 CFPは製品やサービスの原料調達から、廃棄・リサイクルまで製品ライフサイクル全体に渡って排出される地球温暖化ガスの量をCO2に換算して表示する事を目的にしており、2013年にはISO14067として国際標準化される。

 キヤノン(株)は環境ビジョン「Action for Green」の実現に向けてCFPに取り組んでおり、製品ライフサイクルの各段階における環境負荷の把握と削減を推進すると共に、ユーザーに対し印刷設定の変更などを通じて、より環境負荷の少ない使用方法の提案も行っている。

 例えば同社のカラ―複合機CR-DG01-12004の場合、カーボンフットプリントは3500kgであるがその内訳は、●原材料調達段階 900kg、●生産段階 100kg、●流通段階 43kg、●使用・維持管理段階(想定印刷枚数180.5万枚として) 2300kg、●廃棄・リサイクル段階 130kgとなっている。

 今後、各社がCFP値を表示して行くことになるが、ユーザーとしては自分が使っている製品がどのくらい環境負荷を与えているのかを知る事で、購入時の機器の選択や、使用時の注意を払う事が持続可能性社会でのマナーとなって行く。

キヤノン(株)のURL
http://web.canon.jp/pressrelease/2012/p2012dec04j.html

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03 Dec 2012   06:03:46 am
持続可能性都市
都市が握る地球の将来

 現在地球人口のほぼ半分は都市部で生活している。そして都市部が地球温暖化ガスの70%を排出している。都市部が占めるのは地球上の陸地面積の僅か2%である。そして、都市への人口の集中化は今後も続き、2050年には90億の人口の70%の63億人が都市生活者となる。この早さは、毎月一個のロンドンが生まれているような早さである。これが、持続可能な社会への重要なキ―である。

 70%の人口集中があるからこそ資源効率を高める方法も見出せる可能性があるからである。

 ある調査によると、2050年までに都市開発の為に費やされる公共投資の総額は2.8トリリオンドル(約20京円)になるとの試算がある。これからの都市にとって持続可能性ほど重要な機能は無いと言える。持続可能性によって都市が評価され投資も行われる。当然、持続可能性向上の為の投資も増える。

 ドイツの総合電機大手シーメンスは持続可能性都市を総合的に開発するビジネスユニット「インフラと都市」をこの企業の総力を上げて立ち上げた。この市場を年間30兆円市場と見て、市場リーダーになろうとしている。ロンドンに、2012年7月に「インフラと都市」の総合技術を展示するThe Cristalと呼ぶ常設展示場を作ったことは過去にこのブログでも取り上げた。

 シーメンスは東日本大震災で全壊した東北の都市を持続可能都市として蘇らせる計画を携えて日本政府に働きかけたが、取りあって貰えなかったとの情報がある。

 日本国内には持続可能性都市を総合的に扱えるような企業が無いので、国内産業保護政策としての無視であったと思われる。東北に世界の模範になるような持続可能性都市ができれば、それこそ、大きな希望が見えるのではなかろうか、日本の企業も一緒に参画すればノウハウも共有でき、巨大市場にも打って出るチャンスとなると思うものである。

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02 Dec 2012   12:11:31 pm
持続可能な農業
何億年も自然が営んできた生き残りの戦略を学ぶ

 何処までも続く緑の牧草地や麦畑、梅雨時の整然と田植えをされた青々とした水田風景を見ると、豊かな大地の恵みに感謝と言う気持ちが湧く気がする。しかし、自然から学ぶ学問「バイオミミクリ―」の研究者たち、バイオミミックス達から見ると、何とも不自然で、グロテスクで危なっかしい光景に映るらしい。

 本来原野には何百種もの植物が混在して生きている。それらは殆ど多年生で、光合成を行って種子を作っている。マメ科やイネ科の種子には炭水化物やタンパク質など動物が必要としているものが集められている。これらの植物は決してデタラメに生えているわけでは無く、厳しいルールに従っている。そこには何億年もの間に経験した、何十年サイクル、何百年サイクルの気候の大きな変化にも耐える事のできる戦略が用意してあると言う。

 これらの多年生の植物のあるものは地上すれすれに、あるものはその上数センチに、さらにその上、中には数メートルの高さに達するものもある。これらはそれぞれの高さで太陽光を受けて光合成を行う。地中も又同じである。根の浅い植物から何十メートルもの深い根が層をなしている。これらの根の活動のお陰で、多種のバクテリアや昆虫が土壌をコロイド状にして空気を何メートルも地下まで運び、水は何キロもの地下まで浸透する事ができ、大量の水を保存する事ができる。このような自然原野は少々の長期的な気象変化にもびくともしない力を備えている。何年も降雨が無いと深い地中まで根を貼る植物が元気になり、水分を地表近くまで運び全てが枯れることは無い。大量の雨が降っても全ての種子が流される事は無い。それは長い歴史の中で学習して作った戦略なのだ。

 人類は数万年前に農耕を始めた。大草原を耕す事で、多年生の根を絶やして人間の生活に都合の良い一年生の穀類を植えて来た。細かく耕された表面の土は、雨が降ると流される。その下の層は固く踏み固められているので水を浸透させず、地下にまで雨水が届く事は無い。何万年の内に農耕地はやせ衰えた。産業革命で化学肥料を合成することを知った人類は、この痩せた土地に窒素酸化物を大量に混ぜて穀物と牧草だけを育てた。現在の農業は、穀物や、牧草から人類が得ているカロリー以上の化石燃料を使ってやっと成り立っている。つまり現在の農業は持続可能性はない。

 原野の持つ、生物多様性から学んで多年生の食用となる植物を混作栽培することが90億人の食糧問題を解決できる、唯一の持続可能性が有る農業であると気づき、やっと研究が始まっている。

 同質のものを大量に耕作してきた人類は、同質の人間も大量に作って来たことが持続可能ではない社会を作ってきたのでは無かったのかと、ふと思った。
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01 Dec 2012   10:47:10 pm
幸福度の数値化
GDPは幸福の尺度では無い。

 2012年8月20日のブログで環境を表すものとしてIPATの式と言うのがあることを紹介した。これは、環境負荷(I) = 人口(P) × 一人当たりGDP(A) × 技術的環境改善係数(T)の事である。このうち環境負荷(I)を数値的に表す方法はいくつかある。例えば環境フットプリントや一定のサービスを受け取る為に消費する資源の量を表すMIPS(Material Input Per Service)等がそれである。

 難しいのは生活品質である快適性や幸福度を数値化する事である。IPATの式では単純に一人当たりGDPをパラメータAとしているが、GDPが幸福度を示しているとは言えない。

 何がいったい人を幸福にするのだろうか、幸せな結婚、やりがいのある仕事、友人、社会の一員としての自覚などで得られる幸せの方が、資源を消費することで得られる幸福よりも大きい。この事は持続可能な生活様式への地ならしとして重要なことであ、ここには節約、辛抱、あきらめなどの暗いイメージを伴う言葉で表されるものではない。

 ファクター5で提唱する資源効率の改善は、全体的システム改善で行うもので、桁外れに大きな改善で持続可能な消費をもたらすものである。その結果、鉄鋼生産量は何メガトンも減り、電力会社は何ギガワット時も電力を作る必要が無くなり、それらに携わる人件費も下がりGDPは低くなる。しかし、GDPが下がる事を恐れることは何もない。GDPは単に売上の尺度に過ぎないからである。生活の快適度や幸福度には直接関係がない。

 この説明に良くあげられるのは、自動車事故である。事故を起した車を修理する為にかかる部品代や人件費、もしけが人が出れば医療費がかかりそれを払う保険会社の仕事が増える。これらは全てGDPを押し上げる。しかし事故を起こした当事者が幸せであるはずは無い。

 また、地球温暖化の為に潮位が一メートル上昇する為に沿岸に有る都市は莫大な費用を掛けて大規模な土木工事を行うが、これもGDPを押し上げている。これが人類に幸福を与えているとは言えない。

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