ダンテの森    
09 Nov 2012   12:35:31 pm
東西2大国の政権交代
東西大国の指導者は着々とグリーン経済への変革へ手を打っている

 11月6日にはアメリカの大統領選がオバマの再選で終わった。アメリカのグリーン経済への移行を目指している経済人は、息をつめて選挙の行方を見守っていたが、今ほっと胸を撫で下ろしているところだ。

 昨日11月8日には十八大と呼ばれている中国共産党第18回全国代表大会が開催された。これは10年間続いた胡錦涛総書記最後の共産党大会であり世界第二の大国の政権交代である。

 オバマ大統領が第一期目の在任中にアメリカ経済を持続可能性社会を目指すグリーン経済に変革する準備を着々と進めて来ている事は昨日11月7日のブログで書いたが、胡錦涛総書記も中国の第12次5カ年計画(2012年8月29日のブログ参照)で持続可能性社会への変革の為に「省エネ・エコ産業発展計画」を発表し、2015年に省エネ・エコ産業の総生産額を4兆5000億元(約56兆円)に設定している。その為にこれからの3年6ヶ月の間に30兆円の予算を計上している。中国の年間国防予算は約8兆7千億円であるので、国を賭けての改革である。習近平次代総書記がこの路線を踏襲して進めてくれる事を祈るばかりである。

 シーメンスは昨年、中国国家発展改革委員会と1985年に締結した合意文書を延長し、第12次五カ年計画期間より長い期間内に、産業のリニューワル、技術革新、省エネ技術、環境負荷軽減、中西部地区の発展整備などの重要分野で全面的な提携を継続するとしている。このように賢明な企業はグリーン経済を見据えて手を打っている。

 しかし、オバマ大統領の演説にも、胡錦涛総書記の演説にも経済路線をグリーン経済に切り替えると言う事に触れたと言う報道を見た事が無い。これは、マスコミが報道しないのか、実際に指導者達が語らないのかは分からないが、何故か東西の二大国のいずれの国においても「無言実行」の形で進められているようである。環境問題は国民の理解がまだまだ得られないからなのだろうか。

 日本では、指導者も国民も環境問題については語りもしないし、行動も起こさずひたすら無関心を装っているだけである。
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08 Nov 2012   12:21:10 pm
オバマ大統領再選
これからがオバマ政権本当の仕事のはじまり

 昨日は、はじめてアメリカ大統領選の開票をライブで見た。年金生活者の特権だ。民主党のうまい選挙戦術が効を為した形でオバマが再選された。

 2008年のオバマブームのChange! Yes, We can Do!などのキャッチコピーは無いが、4年間の多数党である共和党との政権運営の難しさが身にしみている様子が良く分かる、協調と話し合いで一つのアメリカを作ると言う勝利宣言であった。

 本年、2月にオバマ政権は2013年度予算案を出している。この予算は全体的に、従来のエネルギー依存型のアメリカの経済構造を変えて行き、海外からのエネルギー輸入に依存しない経済を構築しようとするものである。その中に「持続可能エネルギーと運輸」と言う、再生可能エネルギーへの投資と交通インフラの整備を行う事で運輸部門のエネルギー消費を下げる事を目標にしている部門がある。オバマ大統領はこの予算の実施で、新たな雇用の創出と、グリーン経済への移行を始めようとしている。

 この予算の原資としているのは、年間40億ドル(3200億円)の化石燃料への補助金のカットと、イラクとアフガニスタンからの軍の撤退によって浮く軍事予算から充当しようとしている。ロムニーは選挙運動のなかで、自分が当選したなら一番に大統領令を出して予算実行を阻止するとするターゲットになっていた。

 昨日の勝利宣言の中では、この予算については触れられる事は無かったが、オバマがこれから取り組む大きな仕事である。この予算の実行にあたっては、石油メジャーや産軍複合体のロビーや共和党の利益代表議員のあらゆる反対が予想されるので、共和党との協調なしには実行不可能と思われる。

 母なる地球(環境)が選挙戦の最後に送ったハリケーン「サンディー」の応援で再選を果たしたオバマ大統領を祝福すると同時に、環境政策の実現と成功を期待する。

 環境関連の予算がまとめられたpdf(英文)がダウンロードできる。
http://files.eesi.org/budget_factsheet_022912.pdf
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07 Nov 2012   02:35:16 pm
ファクター5プロジェクト
幅広く読んでいただける本を目指すと決定

 今日は、いつもと違って僕たちのグループの事を書きます。このブログは持続可能な社会を目指しており、その基本的な考え方は資源を今の5倍有効利用すれば持続可能な社会は作れると言うもので、それはドイツの環境学者エルンスト・フォン・ヴァイツゼッカー博士の近著「ファクター5」から学んだものです。

 現在僕たちのグループはボランティアでこの本をドイツ語から日本語に翻訳を進めています。この本が明石書店から出版される事が決定した事は11月1日にお知らせしました。

 昨日来日中のフォン・ヴァイツゼッカー博士と我々翻訳チームが東京でミーティングを持ちました。現在、博士は東京で開かれている国連環境計画(UNEP)の国際資源パネル(IRP)の議長として来日しています。

 ファクター5日本語版は英語版、ドイツ語版の内容に加えて、3.11と言う新しい課題を得た環境先進国日本へのメッセージを加えて行く事と、対象を専門家や学者・学生だけでなく一般の方々に広く読んでいただけるものにしようと、決まりました。これからが僕たちの戦いが始まりだと、全員決意を新たにしています。来春出版に向けて頑張りますので、皆様のご支援をお願い致します。

写真はフォン・ヴァイツゼッカー博士(右から2番目)を囲むボランティア翻訳グループです。右から3番目は応援してくれているPaul Kuhn氏です。
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06 Nov 2012   12:05:45 pm
国際資源パネル
国連環境計画(UNEP)国際資源パネル(IRP)の第11回定例会議が東京で開催

 今日、2012年11月6日から10日までの日程で、国連環境計画(UNEP)国際資源パネル(IRP)の第11回定例会議が東京で開かれる。

 当ブログの基となっている「ファクター5」の著者であるエルンスト・フォン・ヴァイツゼッカー博士(Dr. Ernst von Weizsaecker)はこの会議の共同議長である。この会議については余り報道もされないと思うので、紹介しておく。

 この会議は2007年に設置されその目的は、独立性、一貫性を保ちながら、資源の持続可能な活用、ならびに資源活用のすべてのライフサイクルにおける環境負荷について、権威ある科学的評価を与える事を目的としている。

 国際資源パネルは、最新の科学的データを提供する事で、人々に対し天然資源利用=環境負荷と経済成長の切り離し「デカップリング」に対しての理解を深める事に貢献しようとしている。

 国際資源パネルが提供する情報は、政治的実現可能性と政策立案の為の基礎資料として役立てることと、それらの計画実施に当ってのモニタリングと評価を行う為のデータとなることで、政策実行を援助するものである。

 ここで言うデカップリングとは、ある一定の経済産出量を作り出すのに必要とする資源の利用を減らし、さらにそれにともなう経済活動の為に発生する全ての環境負荷をできるだけ低く抑えることを言っている。

 図は、資源と環境影響(負荷)と経済活動ひいては幸福度がどのようにデカップリングされて行くべきかを表したものである。

国際資源パネルのURL:
http://www.unep.org/resourcepanel/Home/tabid/106603/Default.aspx

デカップリングのURL:
http://www.unep.org/resourcepanel/Portals/24102/Decoupling%20summary%20(Japanese).pdf

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05 Nov 2012   11:34:59 am
環境問題のレベルの低さ
環境と言う漠然とした「クラウド」のなかで蠢く利権

 2012年11月5日付けの朝日新聞デジタルに、政府が主導する東京電力福島第一原発周辺の除染で、現場作業員に税金から支払われる「特殊勤務手当」が本人に支給されていない事例が相次いでいることが分かった。元請けのゼネコンに続いて下請けがいくつも連なる多重請負構造の中で手当が「中抜き」されているとみられ、環境省は実態調査に乗り出す(以下略)とある。

 先日、友人の産業廃棄物処理会社の社長と話した時に、福島の除染関係の仕事の中抜きはひどいと聞いていた。かれの話では、福島原発内の作業者の場合、東電は一人1日40万円を出しているとの事で、それが元請け、一次下請け、二次下請け、三次下請けを経て実際に作業をする業者に渡るのは10万円で、作業員には日当5万円になると言う。しめて35万円が「中抜き」されていると言うのだ。原発事故を良い事に不当に利益を得ている企業がうようよ居るのだ。監督官庁の怠慢なのか、癒着なのか、現場に貼りついているマスコミの記者達にはそのような情報は入らないのであろうか、大変不思議に思う。

 東電が4000人規模の福島本社を作ると言うが、業者癒着がさらにひどくなるのでは無いかと危惧する。電力村、原子力村の不透明性は一向に良くなる兆しが無い中で、電力会社が自分たちのやり易い体制を整えようとしているだけなのではないのだろうか。

 都市ゴミや畜産廃棄物からバイオ・ディーゼルやバイオガス発電をすると言ったプロジェクトを日本で始めようとしている海外のプラントメーカーの場合も、ゴミ処理や畜産廃棄物処理業者の利権構造への対応には苦慮していた。

 ぼくが、はじめて会った人に、環境問題に取り組んでいますと言うと、胡散臭い顔をされる事が何度かあった。僕自身、環境問題に興味が有りますかと掛ってきた電話に相手をしていたら、メガ―ソーラーに出資しないか等の勧誘であった事も実際に有ったので、無理のない事だと思わざるを得ない。

 こういった面からも環境問題への取り組みの難しさを感じさせられる。

朝日新聞デジタル原文URL:
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20121105-00000005-asahi-soci
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