ダンテの森    
04 Nov 2012   07:31:51 pm
人類は大きな生命の一部
トランプのカードハウスに住む人類

 持続性学 自然と文明の未来バランス(明石書店 林良嗣他編)と言う本の中のHans-Peter Dürr博士(ドイツ・マックスプランク研究所名誉理事長、ミュンヘン大学名誉教授)の講演の中から、かいつまんで紹介する。

 私たちは人類の将来をデザインできるのか、ということですが、もっと環境を考えた形で将来を設計しなければいけないと思います。(略)人類は生命体の一部であることを考えなければいけません。(略)自然は私たちがいなくても存続しますが、私たちは自然なくしては存続できません。(略)
 毎日エネルギーを送ってくれるのが、太陽です。私たちが使える唯一の資源です。(略)
 バイオシステムは、地球上に住んでいる動植物を指すシステムです。私たちは機械に慣れていますので、バイオシステムを複雑な機械だと思いがちですがそれは違います。(略)この不安定なシステムは、恒常性(ホメオスタシス)がバランスを取っています。恒常性を保つには、エネルギーが必要です。(略)太陽エネルギーが不可欠です。(略)

 Dürr博士は、私たちが住むバイオシステムをトランプのカードで作ったカードハウスに例えて、そのカードハウスの最上階で人類は地球に君臨していると錯覚しているのだ、としている。そしてこのカードハウスを安定させているのが太陽エネルギ―から得られる生命活動であるとしており、重要な事は、私たちは、大きな生命体のごく一部でしかないと言う哲学を持つことだとしている。

 持続可能性と言う言葉は、一定の状態を保持する静的なもののような感じを受けるが、そうではなく動的な生命活動を維持すると言うものであると論じている。

 そして、人類以外の全てのバイオシステムは太陽エネルギーだけで動いているのに、人類だけが、産業革命以来の200年間に地下から化石燃料を掘り出して使う別のエネルギーシステムを作ってしまったところに問題が有るとしている。

 Dürr博士は化石燃料を使う経済を、他人の財産を使う銀行強盗経済であると語り、この化石燃料に依存した経済システムが地球環境のバランスを壊していると指摘している。
カテゴリー : ブログ管理人 | Posted By : dantesforest |
03 Nov 2012   10:02:55 am
サンディは真珠湾攻撃
GrennBiz.com 2012-11-1 Marc Guntherの記事より
自然界からのパールハーバーだと受け止めるニューヨーカー

 アメリカは日本の真珠湾攻撃を受けて初めて第二次世界大戦に参戦を決意したように、アメリカ国民はサンディの攻撃で、真剣に地球温暖化と戦う決意が固まっただろうか?

 これは、単なる例えでは無い。「環境パールハーバー」と言う言葉は2008年頃から使われ初めていた。地球温暖化の影響は大変に遅い速度でしか現れていなかった為に、これを政治課題の中心に据えることは政治家にとって困難であった。かつてゴア大統領候補は「不都合な真実」で環境に政治生命を賭けたが選挙には敗れた。国民は、死者や大量破壊のような悲惨でドラマティックな変化を鼻先に突きつけられない限り、面倒な事には無関心を装って本気にはならない。

 近年、天候の激化は年々その激しさを増している。(ブログ2012/1/9,2012/7/21参照)2010年にはロシアの熱波で700人の命が奪われた。2011年にはオーストラリアの大洪水、その他パキスタン、マリなど記録的な被害の写真と見出しが新聞の一面を飾るが、それらは殆どのアメリカ人には直接関係の無い遠い、知らない国の出来事であった。

 しかし、サンディは直径1600kmにもなり、ニューヨークを襲った。マンハッタンのゴールドマンサックスの本社の周りには土嚢が積まれ、地下鉄は水没した。ニューヨーク州知事のAndrew Cuomo、ニューヨーク市長のMichael Bloombergは口々に地球温暖化対策に本気に取り組むと発表している。ニュージャージーのChris Christie知事ですら地球温暖化対策が必要だと表明した。

 ニューヨーカーは遠慮と言うものを知らない。このサンディの攻撃を環境からのメッセージと受けて、本気で地球環境保護にニューヨーカーが動き出せば、全米を動かし、さらに世界を動かす力となるかも知れない。

 昨年の3.11で、日本がエネルギー政策を見直す方向に一次見えたが、今はしぼんでしまっているが、アメリカが本気になれば日本の政財界も本気で環境保護に取り組むかもしれないので、ニューヨーカーに頑張ってもらいたい。環境保護とエネルギー問題は全く同一の問題である。
カテゴリー : 他メディアより | Posted By : dantesforest |
02 Nov 2012   04:19:49 pm
ゴミからコーラ
ゴミ埋立地からのエネルギーで操業するコカコーラ工場

 再生エネルギー開発企業、マスエナジー(Mas Energy)社(米国、フロリダ州、PonteVerde Beach, Florida, USA)は、ゴミ埋立地から発生するメタンガスを集めてエネルギー源として電気、温水、冷水の3種のエネルギー源を発生させ、コカコーラ工場を操業させると発表した。

 コカコーラ社によるとこのプロジェクトは米国環境保護局(EPA)の大規模グリーンパワー・リストの第三位に登録されたとしている。

 このプロジェクトでは、メタンガスを真空収集システムにより集め、燃焼ガス様に精製した後、パイプラインで約10km離れたエネルギーセンターに運ばれる。

 メタンガスはまずガスタービンを駆動して発電を行う。タービンから出た排熱はヒートポンプで温度を上げボイラーの水を蒸気にする。蒸気タービンで回されたコンプレッサーにより冷水が作られる。この一連のエネルギー変換効率は従来のコージェネよりも高いとの事である。

 当プラントでは年間4千8百万kWhを発生し、これは約2万トンのCO2排出量に匹敵する。
このプロジェクトはコカコーラ社の飲料水企業低炭素化戦略の一環である。

原文:URL
http://www.waste-management-world.com/index/display/article-display.articles.waste-management-world.landfill.2012.09.Landfill_Gas_Trigeneration_Plant_Supplies_Heat__Power___Cooling_to_Coca-Cola.QP129867.dcmp=rss.page=1.html

コカコーラ社のURL:
http://www.thecoca-colacompany.com/ourcompany/index.html
カテゴリー : 他メディアより | Posted By : dantesforest |
01 Nov 2012   07:40:59 am
日本語版「ファクター5」
持続可能社会へのシナリオ、グリーン経済革命の教科書、待望の日本語版

 2012年10月31日、当ブログの基本となっているドイツの環境学者、エルンスト・フォン・ヴァイツゼッカー教授の著した「ファクター5」の日本語版が、株式会社 明石書店(東京都千代田区外神田6-9-5、石井昭男社長)から出版される事に決定した。

 当著作の原著は2009年にエルンスト・フォン・ヴァイツゼッカー(Ernst von Weitzsäcker)、カールソン・ハーグローブ(Karlson Hargroves)、マイケル・スミス(Michael Smith)の3氏の共著で、英国の出版社Tailor & Francis社から出版された。副題は「持続的発展の為の方程式」と題され、資源を5倍に活用する事で持続可能な社会が作れると言う意味で「ファクター5」と名前が付けられた。1995年にエルンスト・フォン・ヴァイツゼッカー教授がエイモリ―・B・ロビンス、L・ハンター・ロビンス夫妻と共に著した「ファクター4」の続編となった著作である。「ファクター4」は副題が「半分の資源で、2倍の豊かさを」とされ「新しいローマクラブへの報告書」となっていた。

 「ファクター5」は2010年3月11日奇しくも東北大地震の1年前にドイツ語版がDroemer社から、内容の一部が著者により改定された上でリニューワル出版された。同年暮れには中国語版が「5倍級」として、2012年6月にはブラジルでポルトガル語版が出版され、2012年10月現在、ロシア語版が出版準備中であり、いずれもドイツ語版からの翻訳となっている。

 日本語版出版は2012年3月に著者から日本語版を出そうとの申し入れがあり、当ブログの管理人他、4名が日本語訳を進めている。監修と日本向けの章の執筆を名古屋大学環境学研究科の林良嗣教授にお願いしている。

 出版など手掛けた事の無い経験で、出版してくれる出版社を8ヶ月掛けて探し、5社目でやっと明石書店に辿りつく事が出来た。出版不況の中、この度決定してくれた明石書店の皆様に心から敬意を表するものである。一里塚を越えた思いであるが、これからがいよいよ翻訳グループの力の見せ所と緊張がみなぎっている。

 日本復興のシナリオとなる本としたいとの決意で一同決意を新たにしている。出版は2013年4月頃を目標にしているので、皆様の御期待と暖かい応援をお願いしたい。
カテゴリー : ブログ管理人 | Posted By : dantesforest |
31 Oct 2012   05:29:05 pm
有機LEDは更に省エネ
GreenBiz.com 2012-10-30より
まずは、携帯電話から実用化される有機LED ―― サムソン

 携帯電話がビッグビジネスである事は言うまでも無い。2011年1月現在で世界の契約総数は59億台と言われているので、その消費電力もバカにならない。

 その携帯電話の消費電力の中で大きなものの一つにバックライト照明がある。現在はLEDによる照明であるが、これを低電力のOLED(有機エレクトロ・ルミネッセンス・ダイオード)に換える事で約40%の電力を節約できる。

 このOLED技術で先行しているのは韓国のサムソン(Samsung)である。サムスンは米国アリゾナのベンチャー企業Colnatecと共同で携帯用のOLEDを開発している。

 携帯の照明がOLEDになる事で、年間260トンのCO2排出が減少すると言う試算が調査会社ElectroniCastから出されている。

 この技術が将来、一般照明や大型薄型TVに応用されるようになれば更に大幅な省エネが期待できる。

原文URL:
http://www.greenbiz.com/blog/2012/10/30/how-small-upstart-helped-samsung-beat-iphone-energy-efficiency

カテゴリー : 他メディアより | Posted By : dantesforest |
 
ページ: Prev 1 2 3 ...137 138 222 223 224 Next
Aug 2025 9月 2025 Oct 2025
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30     
にほんブ�前村
カテゴリー
Factor Five [220]
General [13]
ブログ管理人 [315]
他メディアより [577]
リーセント
北極海氷、2番目の小ささ
地球環境の救世主になるトランプ?
Oceans’18Kobeを訪ねて。
第三回国連環境総会
気候変動は国際社会の責任
トランプに消されるEnergy Star
トランプ大統領の誤算
ドイツ市民の誇り
水中CO2センサー
6年ぶりのメキシコ
アーカイブ
7月 2012[77]
6月 2012[80]
5月 2012[93]
4月 2012[97]
3月 2012[98]
2月 2012[68]
1月 2012[96]
12月 2011[100]
11月 2011[99]
10月 2011[109]
9月 2011[111]
8月 2011[97]
ユーザーリスト
Admin[5]
dantesforest[1120]
検索
組織化
Powered by myBloggie 2.1.4