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10 Oct 2012 04:17:59 pm |
アメリカのごみゼロ社会 |
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GreenBiz.com 2012-10-09 Anthony Zolezziの記事より。
あのアメリカが真剣に廃棄物ゼロを考え始めた。 使い捨て文化の家元であるアメリカがごみゼロ社会を目指している。
いま、アメリカはごみゼロ社会を作る努力をしているが、そこで重要な事は、結果が伴うと言うことではないだろうか。廃棄物を転用したり、利用したりするだけでは無く、使用する事で実質的な利益を生み出して行くところに本来のごみゼロ社会の意味がある。
これまでの廃棄物の処理の考え方は、出された廃棄物は廃棄物処理事業者が、分別し、粉砕し、燃やし、埋めるなどして貴重な資源を使用することは無かった。ひどい場合はコンテナに詰め込んで東南アジアの国に輸出するような例もある。これでは決してごみゼロ社会には近づく事は無い。
ごみゼロ社会では全ての製品はその製品寿命が終わった後の使われ方を予め決めておいて、設計の段階から次に使われる時のことが考慮されているシステムデザインである必要がある。
例えば1ℓのペプシのPETボトルは、全数ペプシ社によって回収され、またPETボトルに再生される。ジョンソン・コントロール社のサーモスタットの様な建築用の電気部品は、使用されているプラスティックの配合毎にプラスティックの色が決められている為に、製品寿命が終わった後、分解された時に色によって分別する事で又電気部品に再生される。アップル、デル、HPのPCは各PCメーカーが回収して全部品を再生する。自動車も全ての部品の次の用途が決められている。このサイクル型ごみゼロ社会に重要なのは次の4点である。
1. 製品のデザイン段階で全ての部品が次に何に使われるのか考慮したデザインになっていること。
2. 使用済みとなった製品の回収システムとロジスティックを整備する。
3. 製品の使用者に、その製品寿命が終わった後の使用用途を明らかにし、十分説明をして必ず決められたシステムに従って処理をするように啓蒙する。
4. 使用済み製品の価格を明らかにして、回収のインセンティブにする。現在iPhoneは200ドル(1万6千円)、インクジェットカートリッジは5ドル(400円)の末端価格で取引されている。
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09 Oct 2012 12:24:30 pm |
省エネ成功の5つの鍵 |
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GreenBiz.com 2012-10-08 Jake Hillerの記事より
省エネプログラムを成功させる5つの要素
アメリカのEDF Climate Corpsは全米100の企業の省エネプログラムのエネルギー消費の削減への取り組みを検証して、成功させる為に重要な要素は何であるかを探った。この調査結果は全米エネルギー効率協議会(ACEEE)がこのたび発表している。その要素は次の5つである。
1.企業トップの意識
企業のトップが省エネこそが経費削減の最大要因であると認識し、全社員に対し、常に省エネ意識の啓発を行っている。
2.資源投資
組織全体に省エネに対する実行力を付けるためには、相応の人的資源の投入と、必要機材や設備変更の投資が必要である。
3.社員
省エネ機器やシステムを導入しただけでは省エネは進まない。それを扱う社員の動機づけ、主体者意識を持つ事などを常に教育すること。
4.見える化、改善、計測と判定
啓蒙された社員を助けるツールとして、データの見える化を行い正しい現状把握ができるようにする事。絶えざる改善を続けて行くための提案システム、報償制度などの整備。データを計測する計測機器やシステムを保守点検する。判定値、警報閾値は状況に合わせて最適化する事。
5.成功談の共有
成功したケースは詳しく分析してサクセスストーリーにし上げて、全社的に共有する。企業トップや幹部社員は、機会ある毎にこのサクセスストーリーを話して褒め称え、顕彰する。報奨制度も必要。
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08 Oct 2012 04:22:54 pm |
意思の力が必要 |
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2012/10/3 ブカレスト ローマクラブのプレスリリースより
ファクター5の著者フォン・ヴァイツゼッカー教授が共同会頭に選出
国際的なシンクタンク、ローマクラブの年次総会が去る10月1〜2日にルーマニアの首都ブカレストで、ルーマニア・ローマクラブとルーマニア国立銀行の主催で開催され、世界の識者が最も困難な時代について議論を行った。
1972年に「成長の限界」は世界中に批判的な注目と人間性についての議論を巻き起こした。この提言の中で、人類の資源消費は地球環境の許容の限界を超えており、このまま消費と廃棄が続けば21世紀には経済発展は限界線に達すると警告し、人類は消費を更に増大しても、それに見合う満足は減少の一途をたどるだろうと予測した。
「成長の限界」の著者のデニス・メドウズ博士とヨルゲン・ランダ―ズ博士は、その後の40年間の開発と進歩を振り返り、この惑星の将来を予測する記念講演を行った。メドウズ博士は、我々は既に持続可能性を取り戻すチャンスを失った述べた。ランダ―ズ博士は最新のローマクラブの報告として、「2052―次の40年間の世界予測」を取り上げ、過剰消費と短期成果主義を改めない限りは、人類の滅亡の可能性が有ると指摘した。
この他、年次総会はErnst von Weizsaecker教授(当ブログの元になっているファクター5の著者)とAnders Wijkman博士を新たなローマクラブの共同会頭として選出した。
この後、各ワーキング・グループは困難な状況に立ち向かうべく、更に、更に発言を重ね、対策の強化を推進し、全世界の意思の力を結集してゆく為の議論が続けられた。
「成長の限界」は正しかったと検証するスミソニアン・マガジンを日本語訳したサイトのURL:
http://www.nexyzbb.ne.jp/~omnika/roma1972.html
ローマクラブのプレスリリースURL:
http://www.clubofrome.org/cms/wp-content/uploads/2012/04/Press_Release_of_03-10-2012-Annual_Conference_of_the_CLUB_OF_ROME_2012_in_Bucharest_-_Romania.pdf
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07 Oct 2012 10:16:08 am |
スマートグリッドとEV |
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小型火力発電所になり得る電気自動車
電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド(PHEV)自動車を家庭の電源につなぎ、自動車を充電するだけでなく、逆に自動車の電池に蓄えられた電力を家庭の電源として使うと言うのが話題になっている。
一方、電力の分配をしている電力線網を賢くすると言うスマートグリッドと言うのも話題になる。スマートグリッドはアメリカで始まった言葉であるが、各家庭にある電気メータにコンピュータを組み込んで、消費電力を逐次中央に光ファイバー経由で報告をするのみでなく、ネットワーク経由で家庭の家電をスマートフォンやPCから制御もできる。オバマ政権は2009年に34億ドル(2700億円)の予算で国家プロジェクトを立ち上げ、GE、シスコシステム、グーグル等が参加している。中国では第五次5カ年計画に4兆円(50兆円)をスマートグリッドに充てている。日本では10電力会社が、日本は既に最高の技術レベルで送配電網はできているので必要ないと消極的である(これは全くの嘘である事は、311の後の計画停電騒ぎで馬脚を表した。)が、2011年に電力村嫌いの菅政権が予算を付けて5年間に4000万台のスマートメータを付けることが始まっている。
スマートグリッドが機能するようになれば、どの地域にどのくらいの電力需要が有るかを正確に把握ができ、データが集まればシミュレーションを行って精密な需要予測が可能になる。再生可能エネルギーの発電量予測や、工場等の大口需要予測を計算に入れて、需要と供給のバランスから電力の販売料金、買い取り料金を見積もる事も可能になる。家庭では安い時間帯に電気を買ってEVやPHEVに充電しておいて、高い料金の時に売電する事で設けることも可能になる。
ここで注意したいのは、PHEV自動車エンジンで発電して充電した電気を高く売る方が儲かる等と言う事には間違ってもならないような税法上の仕組みが必要な事である。それでないと、火力発電所に変わって自動車が発電所になるだけで、化石燃料の消費は火力発電所よりも大きくなる事は間違いが無いからである。省エネリバウンドのリスクはどこにでもある。
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カテゴリー : Factor Five |
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06 Oct 2012 10:55:30 am |
低電力消費の昇降機 |
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安全性に問題が有る為に現存するのは世界で5台ほど
超高層ビルに設置された最新のエレベータでは、降下する時のかごの重さから発生する回転力で発電する回生制動で省エネをしているが、エレベータは運転と停止の連続なので、機械的、電気的なエネルギーロスは大変大きい。殆ど電力を使わないエレベータが有る、と言うか昔は有った。
ぼくがまだシーメンスの研修生だった1970年に、ベルリンの事務所に、パータノスタ(Patanosta)と呼ばれる回転式の昇降機が有り、実際に使われていた。これはエレベータが2本並んで有り、中をたて長のわっか状にチェーンがつながって、ぐるぐる回っており、そのチェーンに人が乗るかごがたくさん付いて居る。各階には2つの乗り場が常に開いておりドアは無く、左は降りるかご、右は昇るかごがつぎつぎとつながって動いている。下の階に行きたい人は左の乗り場で上から下りてくるかごの床が乗り場の床と同じ高さになった時に、ポンと飛び乗る。上に行きたい人は右のかごに同じようにタイミングを見計らって乗る。待ち時間は殆どゼロである。速度は大変遅く階段を使うのと余り変わらない早さなので、急ぎの時は階段を使って駆け上がった方がよほど早い。
輪になったチェーンにかごが付いたものをぐるぐる回すだけなので、殆ど電力の消費は無く、究極の省エネエレベータである。しかし、安全性の問題が有る為現在は殆ど無くなっており、世界に現存するのは5台ほどとの事である。2012年に転倒した81歳の人が安全装置の故障の為に緊急停止しなかった、かごと床の間に挟まれて死亡すると言う痛ましい事故が発生している。
かごの床面と乗り場の床面が一定以上離れると、光検知センサーが動作し、間に人や物を検出すると緊急停止する。ぼくも何度か止まったかごで待たされた事があるが、止まった途端にかごに乗っている人からブーイングの声が出される。たいてい止まる原因は急いでいる人が、すでに段差が有るパータノスタに構わず飛び乗った為に安全装置が検知して緊急停止する。だから、ブーイングなのだ。
2006年に日立エレベータが最新のテクノロジーと組み合わせて安全性を高めたパータノスタを開発すると発表したが、その後完成したとのニュースを見ていないが、究極の低エネルギーで動く昇降機なので是非、開発を進めてもらいたい。
英語版ウィキペディアのURL:
http://en.wikipedia.org/wiki/Paternoster
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