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02 Jun 2012 06:02:27 am |
世界のCO2排出量 |
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2011年の世界のCO2排出量は10億トン増加――2012/5/24 IEA発
国際エネルギー機関(IEA)の試算によると、2011年に世界のCO2排出は化石燃料の使用量増加により、31.6 ギガトン(Gt)の過去最高値に達した。これは2010年に比較して1Gt(3.2%)の増加である。GHG排出のトップは石炭で45%、続いて石油35%、天然ガス20%であった。
IEAの世界エネルギー・アウトルック2011の450のシナリオが目標とする、地球気温の上昇を2度に50%の確率で抑える事のできる為に、2017年にCO2が32.6Gt以下であるべきとする排出量レベルに肉薄している。450のシナリオはGDPとCO2のデカップリング(関係分離)を実現する為のものであるが、昨年の排出量の増加はそのシナリオの実現への道がさらに遠のいた感を与える。
2011年にOECD諸国は0.6%のCO2排出減に寄与した。最大のCO2増加は中国で7億2千万トン(9.3%)を主に石炭消費の増加によるものであった。しかし、中国はこの短期間に多大な省エネの努力を払った結果2005年から2011年の間にGDP当り15%のCO2減を達成している。もし中国のこの努力がなければ15億トン以上であったと推定できる。
インドは1億4千万トンでロシアを抜いて4位となったが、インドの一人当たりのCO2排出量はOECD諸国平均の15%に過ぎない。ちなみに中国は63%になった。
アメリカの2011年のCO2排出は9千万トン(1.7%)削減された。その主な要因は発電を石炭から天然ガスに切り替えたことと昨年の冬が比較的温暖であった為である。アメリカは2006年以来4億3千万トンの削減を交通機関の省エネにより達成している。EUは6億9千万トン(1.9%)削減している。日本は福島原発事故により石炭火力発電が増加した為に2億8千万トン(2.4%)排出量を増やしている。
http://www.iea.org/newsroomandevents/news/2012/may/name,27216,en.html |
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01 Jun 2012 05:56:40 am |
1kWhのエネルギー |
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エネルギーに対する常識がどうしても過小評価をしてしまう
ぼくたちがエネルギーをどんなに安いものだと思っているかを認識させる為に、ファクター5の著者のフォン・ヴァイツゼッカー教授は一般人相手の講演のときに良く話す例がある。
教授「私は環境学を学ぶ学生に時々問いを出します。ここに10リッターの水が入ったバケツが有るとする。それを海抜0メートルから世界最高峰のエベレスト山、8848メートルの頂上に持ち上げるのに必要なエネルギーは何kWh(キロワット時)かと言うものです。すると学生は携帯電話を電卓にして暫く叩いて見て、だいたい100kWh〜1000kWh位の数字を言います。」
これは純然たる物理学の問題ではあるのだが、ぼくたちのエネルギーに対する価値(価格)がいかに低いかを表す結果となる。当然、学生の中には物理や数学が得意な学生も居るはずだが、おおよそ答えはこの範囲に入るのだそうだ。正解は0.25kWhである。最近日本でもFIT(Feed In Tariff)電力強制買い取り制度の実施がはじまるが、その買い取り金額は1kWhが41円であるので、海抜0メートルから10kgの荷物を8848メートル持ち上げるのに10円の電気ですむことになる。これがぼくたちの常識とはかけ離れた感覚を与えてしまい、計算結果はきっと桁数を間違えたに違いないと0を3個ほど付けてしまうようである。
ちなみに1リッターのガソリンの熱量は約36000kJ(キロジュール)で、これは約10kWhの電力に当る。つまり1リッターのガソリンの持つエネルギーは400リッター(ドラム缶2本分)の水をエベレストの頂上まで持ち上げるエネルギーを持っている事になり、全部電気に換えることができれば410円で売れることになる。それくらいエネルギーは低い評価しか受けていないと言うことになる。
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31 May 2012 06:08:01 am |
太平洋巨大ゴミベルト |
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cnn.co.jpより
太平洋を漂う大量のプラスチックごみ、漂流域が拡大2012.05.22 Tue posted at: 14:56 JST
(CNN) 太平洋上を漂う大量のプラスチックごみなどで形成される「太平洋ごみベルト」が、これまで未確認だった北太平洋還流の西側にまで広がっていることが、非営利組織(NPO)が実施した海洋環境調査で分かった。
北太平洋還流は北太平洋を時計回りに流れる海流で、米NPOのアルガリータ海洋研究所など2団体は太平洋中西部マーシャル諸島から日本にかけて太平洋上をヨットで横断、海流の影響で大量のプラスチックごみが集積している太平洋ごみベルトの状況を調べている。
今回の調査では、これまで未確認だった海域も初めて調査し、海洋汚染の状況や海洋生物への影響を調べた。
その結果、同海域に米粒ほどの大きさの微小なプラスチック片が大量に見つかった。こうしたプラスチックごみは世界のどこの海へ行っても見つかるといい、調査団を率いる南カリフォルニア大学の研究生マーカス・エリクセン氏は、世界の海の「プラスチック化」が進んでいることを確認したと話している。
今後はごみベルトを伝って大陸を横断する生物が存在するかどうかや、化学物質による汚染の程度についても調べる予定。
東京を5月30日に出港してハワイに向かう調査第2弾では、東日本大震災に伴う津波で日本から流されたがれきなどについても調査する。
太平洋ごみベルトについては2009年にも同様の調査が行われた。この時の調査で、海上を漂うプラスチックごみの量は過去40年で100倍に増え、その大部分が微小なプラスチック片となって濃縮されたスープのような状態になっていることが判明。こうしたごみは、微小なサイズとあまりの量の多さのためにすくい取ることができず、海洋の生態系に影響を及ぼすことが懸念されている。
http://www.cnn.co.jp/fringe/30006680.html
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30 May 2012 05:09:25 pm |
国連環境計画 |
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環境問題の解決には長期的な展望が肝要
我々が過去に経験してきた公害問題は企業や政府が地元の自治体、村、町、郡、市、県、州のレベルでの地元の利益を誘導する事で解決がはかられてきた。しかし、グローバル経済が進んだ今日、環境問題は国際間の協力と調整を必要とする。
現在、公害発生の可能性のある企業が、まだ規制の行き届いていないか、全く無い国を探して移転することをあきらめるようにと作られた政策が各国にはあるが、企業や金融商品はその政策からすら利益を得る事を考える。
環境問題は、公害問題のようにその被害は地域限定的ではない為に特定の地域に利益をもたらすことでバランスが取れると言う性質のものではない。いくつもの地域や国家にまたがる、人権、科学、インフラストラクチャー、会社法など多くの問題を含んでいる。
企業と公益の利害が衝突する場合に公益が単に一国のみで保護されていても、企業は、その事業を公益保護が十分にあるいは全く行き届いていない国に移して続ける事ができ、時にはそれを爆発的に増大することもでき、何の意味も持たない。
冷戦の時代には企業や市場は、西側諸国を共産主義の波から守る防波堤は国家に任せるしか無く、国家が定めるガイドラインやるルールに行儀よく従っていた。しかし1990年にソ連が崩壊してからは企業や市場は国家の存在は障害物でしかなくなり、グローバリゼーションの名のもとに市場支配がはじまり、世界的な規制緩和がはじまり、地球環境にとっては悪夢と言える状況が続いている。
環境問題の解決には、強力なリーダーシップのもとに100年単位での長期にわたる国際的な協調が不可欠である。現在環境問題は国連環境開発(UNEP、ユネップ)が一手に引き受けているが、UNEPは国連の下部組織であり、その権限には限りがある。
国連環境計画の広報ページ
http://www.ourplanet.jp/ |
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29 May 2012 05:59:12 am |
市場にできないこと |
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100年単位で考える想像力は市場には無い
この20年間、世界は不況に喘いでいる。政治家を含むリーダー達、企業家、経済学者達はなんとか新しい需要を喚起しようとやっきである。彼らにとって最も緊急な課題は、銀行、証券、保険会社を救済する事に有るように見える。2番目は民間の活力と信頼と信用の回復であり、3番目は国家が抱える巨大な債務を帳消しにするには、1980年代に行ったような大リストラを国家規模で徹底的に行うと言うケインズ理論による負債の組み換えをすると言う枠組みから一歩も出ていない。
国民にとって大切なことは法の上の正義が守られることを前提に、インフラ、教育、健康的な生活が送れる環境が整備されることであると言う考えにはアダム・スミスも反対はしないと思う。
市場というものは、利害が一致する権益内での技術革新や目標設定と実行そして資源の配分については積極的に器用にやってのけることができるが、全体観に立っての社会全体の枠組みを構築すると言う事は苦手なようである。
ファクター5を達成する最も優れた方法として、50年100年単位の長期間にわたり省エネ効率の向上の実績に応じたエネルギー価格の適正な高値誘導が、最も効果的で、最も効率的で且つ最も社会的であるとしている。しかし、このような政策を長期間に渡り実現するには長期にわたる強い政府が必要となる。長期にわたるエネルギー価格の適正な高値誘導によってはじめて、生産者、商社、消費者の消費連鎖において資源とエネルギーの価格は常に高くなり続けるものであるとの認識が作られ、社会全体が省資源、省エネルギーこそが最も効率が良く有効な持続可能な開発の方法であると言う事を身を持って知ることができる。そこに新たな智恵が生まれ、新たな社会の流れが生まれてくる。社会の最小単位である個人や家族において毎日の生活のなかで常に行われている決定の基準として、どうすれば資源やエネルギーを使わないようにするかと考えるようになることが、持続可能社会を作ってゆくものと考える。
持続可能な開発、持続可能性社会は100年単位の長期にわたるテーマで、人類が地球環境の一部に戻る為に必要なプロセスであると考えられる。冷戦終了後、世界を支配してきた市場は、消費者に対し、有る時は夢を与え、有る時は恐怖を与えながら、いかに短期間で成果を得られるかを追求してきた。彼らには四半期の結果がもっとも重要で、長期とは最長でも5年間でしかない。持続可能な開発は今後永遠に続けなければならないぼくたちの生活そのものなのだ。
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カテゴリー : Factor Five |
Posted By : dantesforest |
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