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17 Apr 2012 07:22:16 am |
エネルギー浪費の歴史 |
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化石燃料の浪費は人類の特権か
地球上に住む全ての生物は太陽光のエネルギーだけでその営みを続けている。正に持続可能社会である。その地球上で唯一の例外は人類である。人類のみが太陽光エネルギー以上の資源を使用している。古くは森林を伐採して熱源にし、産業革命以降は石炭、石油などの化石燃料をあたかも無尽蔵に有るかの如く浪費しそれでも足りなく原子力発電まではじめた。
我々の頭には、豊かな生活=資源の消費、より豊かな生活=より多くの資源の消費と言う公式がまるで公理の様に刷り込まれてしまっている。省エネと言うと、売上の減少→経済の後退→豊かな生活からの決別という風に考えられがちである。
産業革命以降のわずか200年の間に地球人口は10億人から70億人になった。そしてエネルギー消費量はその間60倍に増えている。現在エネルギーの消費の80%は先進国の10億人が消費している。中国、インド、ブラジル、ロシア、インドネシア等の30億人がそれに続こうとしており、彼らは先進国の10億人と同じくエネルギーを消費する権利が有ると主張している。まだ何のエネルギーの恩恵にもあずかっていない人々がさらに30億人いることを忘れてはならない。先進国はエネルギー消費を増やさなくても豊かさが得られることを身を持って示す使命がある。
自然界では樹木は太陽光のエネルギーだけで、人類の作りだした大発明であるプラスティックと同じような機械的性質を持てる木材を作り出す。そこには化石燃料も、熱も、圧力も必要としていない。クモが吐き出す繊維は人類の最新技術の炭素繊維に勝るとも劣らない機械的性質を有するが、それを作るのには熱も、圧力も使っていない。
人類は持てる英知を使って資源の浪費をせずに快適な生活ができる方法、つまり持続可能社会を作れるはずである。
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Posted By : dantesforest |
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16 Apr 2012 06:01:10 am |
水資源の再利用 |
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ライン河の水は10回リサイクルされている
水資源に関しては旧来から存在する水利権と水質汚染対策の規制がうまく絡み合って大変幸運な状況が形成された。
水資源利用の優先順位は工業先進国において、1960〜1970年代の河川、湖沼、海洋、地下水の水質汚染問題への解答として、国境を越えての規制が導入されて行った。2000年10月にEUで採択されたEU水枠組み指令で、EU地域の水質を持続可能に利用でき生態学的に健全な状況にする事を目的にしている。これ以外に1983年採択のEC飲料用水指令がある。
最新の標準値は現在の水道水に含有される可能性のある48の微生物と有機物質について細かく数値で規定されている。これらは定期的に検査され報告されている。人口密集地域にあってはより厳しい標準が適用され水道水の供給配管システム内に検査地点を定めて検査が行われている。
水道水の供給企業は水道水の元となる河川、湖沼、貯水池、地下水に対する数々の水質規制がより厳しく掛けられるように議会に対してのロビー活動を展開している。その目的は彼らがより清浄な水を原料として入手できるようにする為である。
これが効をなして都市排水、工業排水に対する規制は大変厳しいものとなった。そのお陰でEUの水質は著しく改善された。例えばスイスに源流を発しドイツ、フランスの人口密集地域と重工業地域を流れ、オランダから北海に注ぐライン河の水質は浄化が進んだ。ライン河から取水されて再び放流される水の水質は河に放流ご直ちに取水しても上水道として利用が可能な程である。このお陰でライン河の水は10回以上再利用されており、ファクター10を達成している。
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Posted By : dantesforest |
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15 Apr 2012 06:43:30 am |
環境マネージメント |
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省資源技術は過去には更なる資源消費を招いた
21世紀の最大の課題は経済発展における環境マネージメントである。
人類がこれまで経済発展と言うと必ず資源消費の増加が伴っていた。資源とは木材であり、石炭、石油、水、その他の鉱物資源のことである。森林の減少や油田開発による自然破壊が起きてもそれが経済発展にブレーキをかける程の障害にならない限り問題にはされる事がなかった。気候変動でさえ、この状況を変える事は無かった。
ニコラス・スターンは「我々が次の10年間にできることは、今我々が直面している環境問題は20世紀の世界大戦や経済危機で失ったものより更に大きなものを失うであろう。そしてこの失おうとしているものは、取り返す事が非常に困難であるか、全く不可能である。故に我々は緊急に決定をしなければならない。」と言っている。
しかし、これは簡単な問題ではない。何故なら経済界は経済は発展を続けなければならないものとしており、その為にはもっと資源の消費が必要であると考えているからである。
ファクター5の第一部では省資源は我々の生活の快適度を損なう事無く達成できる事を数々の実例を上げて説明している。しかし過去の経験によると、省資源技術が成功した分野では、更に消費が増える結果となっている。これを省資源のリバウンド効果と呼んでいるが、この問題を克服せずに環境問題の解決はない。
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カテゴリー : Factor Five |
Posted By : dantesforest |
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14 Apr 2012 05:58:11 am |
新素材と環境負荷 |
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ライフサイクルアセスメントで評価をする事が必要
炭素繊維を製造する際には、石油を精製して得られたアクリロニトリルを紡糸、焼成して炭素繊維にする。この際1000℃以上の高温で焼成するので、炭素繊維1トンを製造する際に20トンのCO2を排出し、一見環境負荷が高いように見える。
しかし、この炭素繊維の環境への影響を、LCAライフサイクルアセスメントという手法により、原料採掘から炭素繊維製品の使用、廃棄までを含めたライフサイクルで評価する事ができる。その結果、自動車に炭素繊維を使用して車体構造を30%軽量化した場合は炭素繊維1トン当たり50トン、航空機で機体構造を20%軽量化した場合は1400トンの削減効果が10年間のライフサイクルで得られる。
例えば、日本の乗用車(軽自動車を除く保有台数4200万台)や旅客機(保有機数430機)に炭素繊維が採用され、軽量化による燃費向上を図れば、そのGHG削減効果は3200万トンになる。これは、2006年の日本国内CO2総排出量(13億トン)の約1.5%に相当し、炭素繊維はCO2削減効果は大きい。
東レが2011年に発表したコンセプトカーTEEWAVE AR1(写真)はCFRPモノコックボディーで重量900kgと従来のEV車の2/3と軽量である。航続距離185km、最高速度147km/h、最も大きな特徴は衝突安全性が2.5倍になっている事である。
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Posted By : dantesforest |
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13 Apr 2012 05:56:50 am |
新素材による省エネ |
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カーボンファイバー技術で航空機の燃費を向上
ボーイングの最新鋭中型旅客機「787ドリームライナー」。従来機よりも燃費が良く、巡航速度も高速で、長距離路線を効率よく運航できると期待されている。また、日本企業が機体製造の約35%を受注したことでも話題となった。
一般的な航空機の機体は、アルミ合金(ジェラルミン)でできている。だが787は、機体重量70トンの半分以上が「炭素繊維強化プラスチック」(CFRP)で構成される。この炭素繊維複合体は東レの製品で商品名はトレカ(TORAYCA)である。
CFRPは低密度高張力で鉄と較べると比重は1/4、引っ張り強度は10倍、比弾性は7倍と優れているため機械設計の自由度が広がる。787型機の窓の高さは従来の39cmから47cmに、面積は約1.5倍になった。 気密度が上がり1800m高度の気圧に保つことができるので、高度が変わっても耳がツ―ンとする度合いが少ない。主翼の全長を25%長くする事ができ航続距離が15,200kmに伸びた。
これらの結果燃費は従来機の20%向上した。
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