ダンテの森    
02 Apr 2012   08:14:27 am
車体の軽量化
世界のトレンドになった自動車の小型軽量化

 新低密度素材、高張力金属、生分解性プラスティックの使用により自動車の車体の軽量化、小型化が進んでいる。車重が軽くなるとエンジンや変速機などのパワートレインと呼ばれる推進機構に要求されるパワーは小さくても良い事になる。自動車の部品としては最も重いパワートレインが小型軽量化されると車体全体は更に軽くできる。EV(電気自動車)やHEV(ハイブリッド車)ではバッテリーが小型軽量化できやはり自動車全体が軽くなる。

 車重が軽くなると転がり軸受の摩擦が低減される為に推進エネルギーの効率は更に上がり、パワートレインはさらに小さくできる。

 ロッキーマウンテン研究所(RMI)によるとカーボンファイバーで車体を作ったことで燃費は50%向上したと有る。

 アルミニウムやマグネシウムは鉄に変わってエンジンの主要な材料になっているし、ボディーの板金にもアルミニウムが使われ始めている。

 タイヤも「エコタイヤ」等の商品名で販売されており2〜9%の燃費が向上する。

 車体の小型軽量化が世界のトレンドになって来ている事は2012年3月に開かられたジュネーブ・モーターショー(2012/3/21ブログ参照)で顕著になった。

カテゴリー : Factor Five | Posted By : dantesforest |
01 Apr 2012   01:01:41 pm
グリーンの波
真剣に日本の将来を議論する集い逗子マリーナサロン

 昨日、約10年ぶりで逗子マリーナサロンに参加した。このサロンは経営コンサルタントの横山一浩さんが主宰するサロンでオープンな雰囲気で、湘南に住む多士済々が集まり、ジャンルを問わず熱く語りあう集まりである。

 昨夜のテーマは「東日本大震災1年経って、これからどうすべきか」であり、集まった10名は真剣に日本の将来を憂いて議論を戦わせた。どこかの党が法案を党議決定するかどうかで何十時間議論したと言うが、新聞報道で伝わって来る報道を見る限り、昨夜のサロンの議論の方がよほど国政レベルには近いと感じた。

 その中で、日本の持つ省エネ技術を国策として世界に広めるべきと言う話は、全くその通りであり、コンドラチエフの第6の波は「グリーンの波」としてわが日本から起こすべきであると思う。

 今、中国、インドが建設ラッシュであると言う話が有ったが、そこで使われるセメントをジオポリマーセメントにする手立てを考える必要がある。

 GHG(地球温暖化ガス)全体の7%を排出しているセメントを現在のポートランドからジオポリマーに代える事で80%〜90%低減する事ができる。

 産業革命時代にイギリスで発明されたポートランドセメントは石灰石を1800度のキルンと呼ばれる回転窯で焼結する時に多量のCO2を出すのがその主な要因である。ジオポリマーセメントは別名古代セメントとも言われローマ時代の建築物は全てジオポリマーセメントで作られている。最近の研究でエジプトのピラミッドの巨石はジオポリマー・コンクリートであるとの事が分かった。化石燃料の利用が無かった時代のコンクリートは当然熱エネルギーを必要としないので、CO2の発生量が少ないわけでる。その上寿命はポートランドセメントの100年程度に対しジオポリマーは数千年を経ても実際に建造物が残存しており長寿命は実証済みである。ポートランドはカルシウム系に対しジオポリマーはアルミ系のバインダーである。またフィラ―には産業廃棄物である石炭火力発電所から出るフライアッシュや高炉スラグが使える。中国に無限にあるボタ山も全て利用が可能である。

ジオポリマーセメントについて詳しくは山口大学の池田攻教授の資料を紹介する。
http://www.crc.yamaguchi-u.ac.jp/techno/note/ikedadoc.pdf
カテゴリー : ブログ管理人 | Posted By : dantesforest |
31 Mar 2012   07:18:31 am
環境問題は厄介
人類が犯した大きな間違い。

 環境問題と言うのは厄介な問題であるとの認識が世の中にはびこっている。技術革新を全て止めて中世の生活に戻すのかとかいうレトリックは40年も使われているが、これは間違いである。

 我々人類は過去に狩猟中心の生活から農耕に移った事で土地利用を100倍にした。つまり同じ面積の土地で100倍の人口を養えるようになった。100倍の食糧を土地から得られるようになったが、そこで人類が起こした間違いは自然には何も返す事をしなかったことである。

 森を焼きはらって耕地を作り作物が取れなくなるほど土地が痩せると、次の森を焼き払うだけで森をもとに戻すことをしなかった事から間違いが始まった。

 そして産業革命が起きた。William Stanley Jevonsは150年前に、その時から70年前を振り返ってJames Wattの蒸気機関は石炭の効率を4倍にした素晴らしい発明であったと褒め称えた。しかしその時、この発明により石炭の消費は減るどころか10倍以上に跳ね上がっていた。James Wattの発明は効率アップと言うより消費社会への招待であったのである。そしてこの考えが今日まで続いている。

 環境問題と言うと、進歩にブレーキをかける障害に他ならないとの考えがぬぐい去れないが、消費の増大がそもそも進歩と言えるものだろうか。

 ところで、再生可能エネルギーを推進する人達にもこの考えから抜け出せない人達が多くいる事は大変残念なことである。

 もし、我々がエネルギー効率を上げる努力をしてもその効率が上がった分は別の消費が増えると言うこれまでのパターンを続けるのであれば今後も人類は自然環境には何もお返しをしないと言う事になってしまう。

 かつてロナルド・レーガンがやったように環境問題には目をつむって消費は拡大させることは市場には歓迎されるかもしれないが、これは絶対に繰り返してはならない。彼の政権の環境大臣James Watt氏は環境を守るどころか自然から最大限取り出せるものは取り出すべきであるとの考えで市場から歓迎された。

 だから環境問題は火急の最重要課題なのだ。

カテゴリー : Factor Five | Posted By : dantesforest |
30 Mar 2012   05:41:34 am
研究所の省エネ
紺屋の白袴―意外に遅れている研究所の省エネ

 今日の研究施設、特に自然科学分野の研究施設のエネルギー消費は高く一般の事務所棟に較べて時には100倍もの消費をするものも有る。その上、研究施設の省エネは遅れており僅かに2%程度である。

 アメリカ、カリフォルニア州のローレンス・バークレイ国立研究所(LBNL, Lawrence Berkeley National Laboraory)の省エネ・プロジェクトチームによると、自然科学分野の研究施設の省エネは、現在の快適性と安全性を損なうことなくファクター5(80%)が達成可能であるとしている。

 LBNLが2006年に完成した6層8800平方メートル、建設費75億円の鉄骨とガラス構造で熱反射性屋根の分子工学研究棟はLEEDゴールド認定を受けている。(LEED認定については2011/11/25を参照) 同棟は同等の研究を行う他の施設に較べ85%の省エネを達成した上で、再生可能エネルギー電力と契約した事でゼロエミッション(排出ガスゼロ)を達成した。

 LBNL全体としては自らが開発した省エネ技術を実際に自ら応用する事で省エネを進めるプロジェクトを推進している。2009年からはオバマ政権が国営施設が率先して省エネを図るべきとの方針を出したのを受け、省エネ、廃棄物の減少、水資源の節約が徹底して行われた結果、年間5%の省エネが推進された。その結果として2010年には6万トンのGHG(地球温暖化ガス)の排出を低減した。

 LBNLは4200人の研究者を擁し過去に12人のノーベル賞受賞者を出している。

 LBNLのホームページのURL(英語のみ)は次の通り。
http://www.lbl.gov/

カテゴリー : Factor Five | Posted By : dantesforest |
29 Mar 2012   05:39:44 am
HVACの省エネ
建物の省エネはまずデザインと構造から

 世界のGHG(地球温暖化ガス)排出の40%は建築物からである。

 HVAC(Heat Ventilation and Air Conditioning暖冷房と換気)装置が消費する電力はアメリカでは30%、欧州では56%、中国では61%となっている。

 HVACが消費する電力は建築物の設計時に太陽光の入射角度と方角、建築物の大気との接触面積の最小化が図られたデザイン、室内の空気の流れを考慮した設計、外断熱工法等、いわゆるパッシブハウスの設計をする事でファクター5、80%の省エネが可能である。

 窓ガラスに赤外線のみを反射するフィルムを貼る事で70%の太陽光熱をカットできる。(2011年8月16日参照)

 暑い地域では屋根を白くペイントする事で10℃の温度差が確認されている。

 昼間は気温が高くても夜間には大気の温度が下がる地域では、夜間に大気を取り入れて建築物全体を冷やすことで翌日の日中に備える事ができ、日中の冷房の運転時間を短縮できる。

 第一には省エネする事を考え、どうしても足りない分を暖冷房に頼ると言う考え方が重要である。建築物の構造には手を下さずに、太陽光パネルやヒートポンプで再生可能エネルギーを作り出す事を先に考えるのは本末転倒である。
カテゴリー : Factor Five | Posted By : dantesforest |
 
ページ: Prev 1 2 3 ...180 181 222 223 224 Next
Jul 2025 8月 2025 Sep 2025
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31       
にほんブ�前村
カテゴリー
Factor Five [220]
General [13]
ブログ管理人 [315]
他メディアより [577]
リーセント
北極海氷、2番目の小ささ
地球環境の救世主になるトランプ?
Oceans’18Kobeを訪ねて。
第三回国連環境総会
気候変動は国際社会の責任
トランプに消されるEnergy Star
トランプ大統領の誤算
ドイツ市民の誇り
水中CO2センサー
6年ぶりのメキシコ
アーカイブ
7月 2012[77]
6月 2012[80]
5月 2012[93]
4月 2012[97]
3月 2012[98]
2月 2012[68]
1月 2012[96]
12月 2011[100]
11月 2011[99]
10月 2011[109]
9月 2011[111]
8月 2011[97]
ユーザーリスト
Admin[5]
dantesforest[1120]
検索
組織化
Powered by myBloggie 2.1.4