ダンテの森    
13 Mar 2012   07:45:38 am
下水熱の再利用
2012/03/08 環境ビジネスより
http://www.kankyo-business.jp/

関西電力など、未処理下水を熱源に利用したヒートポンプシステムの実証試験を開始

関西電力、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)、大阪市立大学、総合設備コンサルタント、中央復建コンサルタンツは、都市域の下水管路網を活用した下水熱利用・熱融通技術の実証試験設備の実証実験を開始すること発表した。

現在、民生部門におけるエネルギー消費は、冷暖房・給湯用が家庭部門で約55%、業務部門で約40%を占めている。ヒートポンプは、冷暖房・給湯のエネルギー消費削減に最も効果的な機器だが、機器単体の改良だけでは削減効果が限定的であるため、熱源や利用側等を含めてシステム化し、効率的に作動させる技術の開発が求められてきた。2012年度末までに総合効率1.5倍以上を有するシステムの確立を目指す。

都市部等の下水は、冬季は外気よりも水温が高く、夏季の昼間は外気よりも水温が低いため、従来のボイラーに替わる給湯用や暖房用ヒートポンプの熱源水や、冷房用の冷却水としての活用が期待されているが、日本の下水の熱源利用は、ほとんどない。そこで今回、都市部を流れる下水を「熱源」ととらえ、下水熱の利用度を高めるために、既存の下水管路網を対象に、給湯や冷暖房を需要とする建物の熱利用を可能とする下水熱利用システムを開発することになった。下水熱利用システムは、未処理下水用の熱交換器とヒートポンプからなっており、熱交換器の性能評価や耐久性評価も行う。

今回は、大阪市千島下水処理場内に、未処理水を用いる下水熱利用実証試験設備を構築し、実証試験を開始する。今後、冬季と春季までの実証運転を行い、下水熱利用システムの実証を実施。2012年の夏季には、下水熱融通効果を実証するための試験設備を追加構築し、秋季と冬季に実証試験を開始する予定。
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12 Mar 2012   05:51:48 am
エコ・フットプリント
理想的な位置にある日本

 ファクター5の著者フォン・ヴァイツゼッカー教授は持続可能な社会とは、地球と人類の関係のバランスを取る事で有り、エコロジカル・フットプリント(EF: Ecological Footprint)を最小に人間開発指数(HDI: Human Development Index)を最大にすることであるとしている。

 エコロジカル・フットプリント(EF)とは地球の環境容量を表す指標で人間活動が環境に与える負荷を、資源の生生産と廃棄物の浄化に必要な面積で表したものである。一人の人が生活を維持するのに必要な陸地及び水域の面積(ヘクタール/人)で表す。アメリカがトップで9.6ha/人、ドイツは4.5、日本は4.4、中国は1.6、インドは0.8である。

 人間開発指数(HDI)はその国の国民がどの程度レベルの高い生活をしているかを示すもので、次の3つの指標の平均値から算出される。
■平均余命指数
■教育指数(成人識字率、総就学数)
■GDP指数

 図は縦軸にEFを横軸にHDI指数順位をとってプロットしたものである。右下に来るほど、持続可能性が高いと言える。

 日本は右下に位置し先進国中ではトップレベルの持続可能性を持っている事になるが、EFはまだまだ大きい。

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11 Mar 2012   12:44:49 pm
大震災から1年
エネルギーについて真剣に考える日としたい

 大震災から1年。犠牲者の御冥福と復興への前進を厳粛に祈念いたしました。

 ぼくがこのブログを書く決意をさせたものは東北大震災と福島原発事故だ。2011年3月21日付けのオーストリアのウイーン新聞(Wiener Zeitung)にフォン・ヴァイツゼッカー教授はインタビューに答えて「私たちは100年後には、あのフクシマが原発時代の終焉の始まりであったと言う事になるでしょう。」と答えていたのを読んだ時である。

 ファクター5には持続可能性社会を築く為の省エネを具体的な例を挙げて、資源を5倍に使う方法が既に有る事を書いている。彼は既に15年前にも前著「ファクター4」で50以上の例を挙げて資源を4倍に使う方法を述べていた。しかし、この15年間に省エネはおろかエネルギーの消費量=GHG(地球温暖化ガス)の排出量は増加の一途をたどっている。

 そこに起きた福島原発事故は果たして私たちにエネルギーについて真剣に考える事を始めさせただろうか。残念ながら政府、産業界、学会、マスコミは原発が無くなることによるエネルギー不足の事を心配するのみである。昨年夏、関東は猛暑に襲われた、政府と東電は電力使用量制限の輪番制を発表して、産業界は曜日による大口需要者の使用制限を行って「危機」を乗り切ったとしている。その為に関東の電車まで間引き運転をした。電鉄が消費する電力は2%にも満たないのにである。出勤曜日が変わった産業に勤務する人の生活パターンが変わった事は大変であったかも知れないが、他に関東一円に居住している2千五百万人の人の生活にどれだけ支障をきたしたのであろうか。

 エネルギー問題は決して石油の代替エネルギー源を探す事ではない。石炭、LNG、オイルサンド、メタンハイドレート、ウランこれらは全て化石燃料で問題解決にはならない。再生可能エネルギーはまだ高コストであるが、これから徐々に広まるに従いコストは下がるが、なぜもっとエネルギーを必要だと思うのか。

 世界のエネルギー総消費量の40%が建築物で消費され、22%が運輸で消費されている。もし全ての建築物をパッシブ設計のグリーンビルにする事ができれば建築物が消費するエネルギー量は8%になり省エネされた32ポイント分だけで原発54基分を大きく上回る。エネルギーはそのくらい無駄に使われているものなのだ。

 東北復興は単なる復興ではなく持続可能社会の建設にして行きたいものだ。
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10 Mar 2012   11:07:40 am
全米酪農省エネ大賞
アメリカの酪農家の省エネ努力

GreenBiz.comの3月9日付けのニュースから

 GHG(地球温暖化ガス)排出量の多い食品を考えた時最初に“牛乳”を思い浮かべる人は少ないだろう。しかし、酪農とエアラインが同じくらいGHGを排出していると聞くと耳を疑う事だと思う。

 乳牛が出すゲップ、おなら、排せつ物から出る大量のメタンガスと飼料を栽培した時に使われた化学肥料の製造工程で排出されたCO2の合計で、牛乳が農場を出荷する時には既にGHGの3/4は排出されてしまっている。

 それ以外にも、乳製品の製造には大量の水の使用と排水による環境負荷が大きいし、飼料となる穀物を栽培する為に森林が伐採される事による環境破壊も伴う。

 多数の酪農家はGHGの削減に取り組んでいる。

 4年前に設立された全米酪農持続性協会(US Dairy Sustainability Commitment)では毎年省エネに取り組んだ優秀な農家を表彰している。今年もさる3月8日にその授賞が発表された。

 授賞した酪農家は、排せつ物の処理と省エネを同時に可能にする「嫌気性消化法」によるメタンガスの抽出を行って農場内の熱源と電力を賄い余剰分は売電すると言う設備投資を行った。同時にこの農家では回転数制御が可能な搾乳ポンプの導入で搾乳ポンプの使用電力を60%削減している。



原文URL:
http://www.greenbiz.com/blog/2012/03/09/sustainable-dairies-cream-crop
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09 Mar 2012   05:59:12 am
化石燃料は高くつく
エネルギー価格に神経質にならなければならない理由

 何故ファクター5ではエネルギー価格を上昇させる事にこだわるのか。新しい省エネ技術が世の中に認められれば、その技術は自動的に市場に認められそれなりの価値を生むのではないかと言う考えがある。

 携帯電話は世の中に出て来て全く新たなコストを消費者に押しつけたが消費者はそれをすんなり受け入れている。iPodは音楽の販売形態をCD購入から対価を支払ってダウンロードすると言う新たなビジネスモデルを作り、これも消費者に受け入れられた。このどちらも全くそれまでには無かったものなので消費者は受け入れた。

 ソーラーパネルとバッテリーとLEDランプを組み合わせたソーラーライトは今後、後発発展国にはこれまで無かったものだから受け入れられる事であろう。

 しかし、ファクター5で取り上げている省エネは照明、暖冷房、移動と言うサービスを受けるのに必要なエネルギーの量が画期的に少なくなると言うものであって、決して新しいサービスを提供するものではない為に新たな価値として認められにくい。

 照明、暖冷房、移動と言う同一サービスを受けるのであるから以前と同じ対価を払えば良いだけの事である。同一サービスに対する同一価格を消費者は負担する。その為の環境税であるが、それであっても強い抵抗が予想される。省エネで生まれた価値は携帯電話やiPodのような目に見える新しいサービスでは無いからである。

 多くの消費者にとって電気は電気でしかなく、それが石炭から作られようが太陽光から作られようが、同じ価値しか持たないからである。

 既に世界でもトップクラスのエネルギー価格になっている日本のことをフォン・ヴァイツゼッカー教授は日本はすでに世界の先端を進んでいると真面目に称賛している。

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