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27 Feb 2012 06:02:41 am |
食品小売の省エネ |
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浪費の象徴スーパーマーケットの省エネ
今日殆どの食料品はスーパーマーケットで売られていると言っても過言ではないだろう。従来のスーパーマーケット程省エネには程遠いものはない。
お客がドアから入ると頭の上から夏なら冷風が、冬なら温風が吹き付ける。何度かまばたきをしなければならないほど眩しい照明が両側の商品陳列棚を照らしている。棚の谷間を歩いて行くと棚には冷凍食品、冷蔵食品、野菜、果物などがそれぞれの保存に適した温度の空気を吹き付けられて並んでいる。しかし、その間の通路はお客にとって快適な温度に保たれている。冷凍・冷蔵食品棚のそばの通路は夏でも暖房されているのだ。ここでは冷凍機と暖房機が同時に働いてしのぎを削っている。
巨大な空間、空気の流れや熱の伝搬等が考慮されていないレイアウト、断熱を考えていない陳列棚等、スーパーマーケットは75~80%の省エネが可能である。
世界最大の小売りチェーンWALMARTについてはこのブログではすでに何度か取り上げているが、ファクター5ではそれ以外のケーススタディも取り上げている。
図はスーパーマーケットの電力消費の内訳である。
Source: Australian Grocery and Food Council (2003) |
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Posted By : dantesforest |
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26 Feb 2012 03:40:57 pm |
パン工場の省エネ(3) |
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実際にパン工場はどのような省エネを行ったか
パン屋さんの省エネの話の最終回(3回)です。
ストーンミル・ベイクハウス(Stonemill Bakehouse)社はカナダで100年の歴史を持つ個人企業の製パン会社である。同社は2007年に「環境負荷ゼロ企業宣言」を出し直ちに節電プログラムと再生可能エネルギーからの給電を実施した。
同社は原材料のフードマイルの削減の為に地元産の有機栽培穀物に切り替えた。その為地域の河川は農薬による環境負荷が低減された。
包装材料やその他の消費財はリサイクル製品にした。製造機械には省エネの為の改造を行った。これらにより2008年には12%の節電を達成した。
同社のURL: http://www.stonemillbakehouse.com/
ファーガソン・プラレ・ベイクハウス(Ferguson Plarre Bakehouse)社はオーストラリアで100年以上の歴史を持つ個人企業で、1つの工場と50以上のショップを展開している。同社は「環境負荷ゼロ企業宣言」を出し強力な省エネプログラムを推進した結果70%の省エネを達成した。その主な内容は次の通り。
▼照明器具の取り換えとセンサーを使ったプログラム制御による最適照明。
▼欧州から輸入した最新のハイテクパン焼きオーブンの採用。
▼断熱処置とレイアウトを考えたオーブン室にオーブンを集合させる事で熱を閉じ込める事で熱効率の向上を図った。
▼冬場の寒冷期間には焼きあがった製品の冷却時に出る排熱をオーブン室に導入して熱を利用した。
▼冷蔵庫、冷凍庫の熱交換器の排熱を回収して給湯に利用。
▼太陽熱温水器による給湯。
▼10万リットルの雨水タンクを設備し従業員用トイレの洗浄に使用。
▼配送トラックをハイブリッド車にして25~30%の燃料の削減を達成。
同社のURL: http://www.fergusonplarre.com.au/History/Greenhouse-Challenge.html
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25 Feb 2012 01:52:10 pm |
製パン工場の省エネ(2) |
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中世のパン屋は環境負荷はゼロだった
昨夜遅くブログの為にパンの写真をネット上で探していたら、パンが大好きなぼくは余りにも美味しそうなパンの写真に刺激されたのか美味しいパンを食べている夢を見た。
パン焼きは中世の欧州においては村々に大きな石の窯が一か所有ってそこに石窯番人が居て決まった日の夜中から窯に薪をくべて熱する早朝の3~4時には丁度良い温度になると番人が火を取り出し窯の中を綺麗にして村人が来るのを待つ。村人はそれぞれパン生地を持ち寄って石窯に入れて焼きあがるのを待って持ちかえる。その一部をパン窯番人は駄賃として受け取り糧としていた。これがパン屋の始まりだと聞いたことが有る。
その頃の環境負荷を考えると、燃料は木材つまり再生可能エネルギーで環境負荷はゼロであった。村に一か所の窯であったのでその使用効率も大変高かった。まさに持続可能社会であった。
ファクター5に戻る。昨日書いたパン工場の省エネ化は環境負荷を下げるのみではなく労働環境も改善すると言う複合効果に目を付け、いくつかの国ではパン焼き工場の省エネをモデルケースとして取り上げる所が出て来た。
例えば1993~2003年にオーストラリア政府が行った「省エネ模範プログラム」がある。これに省エネの専門家とオーストラリアの製パン企業「ベーカー・出ライト社」が共同プロジェクト「パン屋のショーウインドー」を立ち上げた。
この研究の結果、オーブンの断熱設計、工場レイアウトと断熱設計、照明方法とデザイン、ガラスによる断熱技術などの改善により40%の省エネ=48%のGHG(地球温暖化ガス)排出量削減を達成した。但し時間の制約によりこの研究は電気オーブンにしか反映されていないが、ガスオーブンにも適用する事で同様の効果が得られるとしている。
なお、この研究は既に高度に省エネ化されていたとされる大規模製パン工場での研究であり、省エネが遅れている中小のパン屋さんに同様の改善をじっしすれば70~80%の省エネが期待される。
この結果は世界の製パン業界の環境負荷に対する意識の変化を促す事になり、カナダのストーンミル社やオーストラリアのファーガソン社は環境に負荷を与えない企業になるとの宣言をしている。
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24 Feb 2012 11:22:07 pm |
パン工場の省エネ(1) |
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最古の歴史のパン焼きは未だに低効率
パン焼きは地球上で最も古い産業の一つであり、その歴史は新石器時代に遡る。
この長い歴史から考えて、だれもが現代のパン焼きは相当省エネされているものと思うのであるが、実際は違う。現代のパン焼き産業における水とエネルギーの消費効率は驚くほど悪い。冷蔵庫、冷凍庫、電気オーブンで使用する電力とガスオーブンで使用するガスはファクター5の対象となる。
この産業におけるエネルギーが占める製造原価の割合は僅か3%に過ぎない為に省エネには見向きもされる事は無かった。しかし、これから持続可能社会を作る上で水とエネルギーの消費効率アップが求められるようになると、対策が必要な分野である。
殆ど断熱処理が考慮されていないパン焼きオーブンが出す高温は、そこで働く従業員の労働環境を著しく悪化させている。実際多くのパン焼き工場では劣悪条件下で働いてもらう為に特別手当を払う程である。
省エネを行う事で、地球環境にも労働環境にも優しいパン焼き工場を実現できる。詳細は明日に。
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23 Feb 2012 09:28:05 pm |
古デニムは資源に |
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環境問題に取り組むリーバイス
アメリカでは年間約1000万トン、日本ではその半分の服や繊維ごみが捨てられている。それだけ無駄な服が作られ売られているのだが、他のものと異なり必要な量だけを作れば良いと言うわけには行かないのがファッションの世界らしい。
一枚服を買ったら一枚服を寄付する。これだけの事で繊維ごみが大幅に減ると言うキャンペインをアメリカのスリフト・ショップ大手のグッドウィルと組んで行っている。
リーバイスはウォ―タ―レス・ジーンズも出している。これは従来一本のデニムを作るのに平均42リットルの水を使っていたのを1.7〜30リットルにつまり28〜95%の節水をおこなった製品である。
地球の為の品質タグも作った(写真)このタグには寄付マークだけでなく、地球に優しいファッションライフについて書いてある。「温水では無く冷水で洗いましょう」とか「乾燥機はやめましょう」とあり、その説明に温水の効果はあまり無いとか、乾燥機は大きなエネルギーを消費するので、デニムは外干しをしようと書かれている。また、かっこいい洗濯物の干し方コンテストなども主催している。
もうこれ以上着れなくなったデニムもリサイクルして建材としての需要が有るので絶対にゴミ箱には入れないでと訴えている。
リーバイスが行ったライフサイクルアセスメントの結果デニムは環境負荷が大変大きい事が判ってから、自社の環境負荷を軽減する努力を行って来たが、ユーザーに対しても使用時の環境負荷の低減を訴えている。
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