ダンテの森    
22 Feb 2012   11:17:51 pm
ドイツの原発停止
原発なしでも電力の安定供給は可能である事を証明

 昨日のブログに毎日新聞のドイツで原発停止でも電力輸出と言うニュースを取り上げたが、その後このニュースを他のメディアが取り上げた様子が無いので、再度取り上げて解説をする。

 ドイツはもともと原発で23%の電力を賄っていたが、2000年に当時の社民党(SPD)と緑の党の連立政権下で2020年までの原発完全停止を決定した。しかし、2010年に現政権であるキリスト教民主同盟(CSU)と自由民主党(FDP)の連立が電力会社ロビーの意見を取り入れ、原発の平均12年間の運転延長を認めた。しかし、2011年3月11日の福島の事故を受けて、巻き起こった全国規模の数万人単位の原発廃止デモが起き、その後の地方議会選挙で政権党が大敗する事態を受けて、メルケル首相は急きょ方針を転換し2020年までに全廃する事を決定した。ちなみにメルケル首相は科学者出身で理論物理学の博士号を持っている。

 ドイツでは1998年に電力の自由化が行われ国内に1000以上も電力会社が出来、需用者は自分の好きな電力会社を選んで自由に契約ができる。言うまでも無く発電と送電は別会社である。

 2000年には早々とFIT(電力固定買い取り制度)が法制化され電力会社は家庭等の屋根のソーラーパネルで発電された電力を決めれた高額で買い取らなければならなくなった。この制度の導入により、個人のソーラーパネル発電、小さなコミュニティー単位での風力発電などが増加した。

 他方使わない努力では、パッシブハウスなど建築の省エネ化も政府の補助金により推進され、厳冬のドイツで暖房が従来の10%〜20%と言うほんのわずかのエネルギーで出来るようになり、エネルギー需要が大幅に下がった。

 その為に今年のような寒波が来てもエネルギーバランスが黒字になると言うエネルギー経営が出来ている。

 原発なしでもCO2の排出量を削減する事ができると言う事を証明しているニュースだ。

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21 Feb 2012   05:56:24 am
脱原発でも電力輸出
ドイツ:脱原発でも電力輸出超過(毎日新聞 2012年2月20日)

 【ブリュッセル斎藤義彦】東京電力福島第1原発事故後に「脱原発」を決め、国内17基の原発のうち約半数にあたる8基を停止したドイツが昨年、周辺諸国との間で、電力輸入量よりも輸出量が多い輸出超過になっていたことが分かった。脱原発後、いったんは輸入超過に陥ったが、昨年10月に“黒字”に転じた。太陽光や風力などの再生可能エネルギーの増加と、全体のエネルギー消費量を抑える「効率化」が回復の要因だという。厳冬の影響もあり、電力不足の原発大国フランスにも輸出している。

 欧州連合(EU)加盟27カ国など欧州の34カ国の送電事業者で作る「欧州送電事業者ネットワーク」(ENTSO−E、本部ブリュッセル)の統計。冬はエネルギー消費量が最も多いことから、ドイツ政府は「(脱原発決定後の)最初の試練を乗り切った」(レトゲン環境相)としている。

 ドイツは昨年3月の福島第1原発事故後、17基の原発のうち旧式の7基を暫定的に停止し、その後、1基を加えた8基を昨年8月に完全停止した。震災前は周辺国との電力収支が輸出超過だったが、昨年5月に輸入超過に転落した。フランスからの輸入が前年の3割増になるなど昨年9月まで輸入超過の状態が続いた。

 しかし、昨年秋に入ってから好天が続き、太陽光や風力など再生可能エネルギーの発電に有利な条件が整った。また、ドイツ政府が住宅の断熱化などエネルギー効率化を推進したのに加え、原油価格の高騰も手伝って、エネルギー消費量が前年比約5%減になった。このため昨年10〜12月の電力収支は輸出超過を回復。11年の通年で約4200ギガワット時の輸出超過になった。

 今年2月に入り、欧州各地で氷点下10度を下回る厳冬になると、電気暖房が全体の3分の1を占めるとされるフランスで原発をフル稼働しても電力が足りなくなった。このため、2月の17日間のうち6日間は電力需要の多い午後7時ごろを中心にドイツからフランスへの輸出超過になり、電力の7割を原発に頼るフランスが脱原発のドイツに依存する事態になった。

 昨年のドイツの発電量に占める原発の割合は約22%から18%弱程度に低下する一方、再生可能エネルギーは約20%に上昇した。さらに、褐炭、石炭、ガスなどが微増しており、原発の目減り分を補っている。

 一方、日本では再生可能エネルギーによる発電量(10年度)は全体の約10%にとどまり、太陽光や風力など水力以外の新しいエネルギーは約1%に過ぎない。

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20 Feb 2012   05:54:08 am
生ごみからメタン燃料
スーパーやレストランの生ごみが自動車用燃料に

 スーパーマーケットの野菜果物売り場から運び出された、熟れ過ぎたトマト、茶色く変色したバナナ、いたみはじめたイチゴはこれまで産業廃棄物として処理されるか、最も有効に使われたとしてコンポストになる位であったが、これらを発酵させてメタノールに変え自動車燃料に変えると言うプロジェクトがドイツでスタートした。

 ドイツ、フラウンホーファー研究所の界面工学バイオケミカル研究所の開発である。これらの生ごみで一番難しいのは、毎日搬入される生ごみの種類が異なる点である。有る日はトマトが多く、有る日はイチゴが多い、それにより発酵微生物にとっての餌のphや糖度が異なる事である。

 これを解決する為に受け入れタンクをいくつかに分け、発酵パラメータ毎に分類しておき、これらからベストミックスを作る事で常に最も効率の良い発酵を行わせる事が可能となる。コンテナー毎の内容物によりデータベースに自動的に保存されているパラメータから、どのコンテナーから何リッターを発酵タンクに送るかを自動的に制御する。

 生ごみから作られたメタンガス燃料は燃焼後は天然ガスの半分しかCO2を出さない上に天然ガスとは違い化石燃料ではなく地球に優しい。
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19 Feb 2012   09:55:17 pm
環境税の長期戦略
資源とエネルギーの価格を長期的に上昇させる

 だんだんと問題の核心に近づいて来たので内容が難しくなってきたが、大事なところなので我慢して読んでいただきたい。

 ファクター5では持続可能社会を実現する方法として環境税の導入により長期的に原材料及びエネルギーの価格が上昇し続ける政策を提案している。

 その中心的な考え方は、資源生産性とエネルギー効率の向上の度合いに従って原材料とエネルギーの価格が着実に上昇し続ける様な政治的合意を形成すると言うものである。

 その価格決定方針の基準となるべき条件は次の通りである。

―管理と制御の単純性
―予測とその信頼性
―社会と経済界の受容性

 政治はこれらを完全なるガラス張りの中で行って行く事が重要となる。

 資源生産性の向上と省エネの達成度合いを測定し、次年度を予測し、原材料とエネルギーに課する環境税を決定する事で価格の上昇を軌道に乗せて行く必要がある。

 この政策が回転し始めると、平均的な資源生産性の向上と省エネを実施している限り原材料とエネルギー価格の上昇が家計や企業の税務状況を悪化させる程のインパクトを与える事は無い。しかし、依然原材料とエネルギーの浪費を続ける人々や企業のとっては値上げはインパクトとなるであろうし、その逆に平均以上に資源生産性や省エネを進めた家庭や企業は利益が増加する事になる。

 この戦略が最も経済的におおきなインパクトが働く国々は、中国、バングラデシュ、米国、日本、ドイツ、エジプト等の原材料、エネルギーを輸入に頼っている国々である。

 これらの国々では、資本や知的資源を可能な限り国内に残すことを考えながら資源やエネルギー輸入に依存しない産業構造の変更をある程度考えなければならないだろう。しかし、この様な措置が必要な国の数は限られており、大多数の国では低炭素社会経済への移行は可能としている。
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18 Feb 2012   10:35:05 am
グリーン・ファッション
緑色を着ることでは有りません。

 染色は、環境負荷がとても高い工程である。(2/8 NY Green Fashionより)

 環境負荷削減に力を入れるスポーツウェアブランドのナイキによると、一般的な染色方法では、1kgの繊維を染めるのに100-150リットルの水を必要とし、年間のポリエステル繊維の染色量は2015年までに3,900万トンになると予測されているとされる。

 繊維が服になるまでの過程で、エネルギーの75%、化学薬品の65%、水の85%が染色工程で消費される。たとえ素材にオーガニックコットンやリサイクルポリエステルなどを使っても、染色時に大量の水や有害な化学物質を使用すれば、サステナブルとはいえない。

 ナイキは、水を使わない染色技術を開発したオランダのダイ・コー社と長期戦略提携したことを発表した。

 ダイ・コー社が開発したのは、超臨界二酸化炭素を使う染色技術。水も助剤も使わず、乾燥も不要、エネルギー使用量を削減でき、そのうえ使用した二酸化炭素を再利用できるというもの。超臨界二酸化炭素とは、臨界点以上の温度と圧力下においた二酸化炭素のこと。気体と液体の中間のような状態で、気体のような拡散性と、液体のような密度を持つ。コーヒーの脱カフェインや、天然香料の抽出、CO2ドライクリーニングなどにも使用されている。

 水を使用しない染色技術を商業利用可能なレベルで実現したのは、同社が世界初で現状ではポリエステルのみ利用可能だが、その他化学繊維や天然繊維にも対応できる技術を開発中としている。

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