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17 Feb 2012 06:03:01 am |
環境税(炭素税) |
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省エネリバウンドを防ぎ持続可能社会を築く政策
ファクター5の最終章ではエネルギーと資源の価格を上げて行く事が環境と人類の営みのバランスを取り持続可能社会を実現する方法の一つとして示されている。
さまざまな技術革新によって省エネや省資源が達成された場合、その実績に応じて環境税を課す事でエネルギーと資源の価格を上げて行くと言う方式である。それまで、ある金額で得られていた快適さや利便を省エネや省資源が達成された後も同じ金額を払い続けると言う方式である。最終消費者は従来と同じサービスを受けるのには同じ金額を払う事になる。こうしておかないと省エネや省資源で需要が下がると価格が下がり、価格が下がると次に別の消費先が作り出されてまた消費が増えると言う一番恐れるリバウンドが起きてしまう。
これにより生まれる新たな原資は、省エネや省資源を開発し、その為に努力や労務提供を行った企業や家庭に対しての報償や、リベート、補助に充てられ更ななる省エネ、省資源を推進する希望や力となるべきものである。
しかし、この方法が全ての業界に当てはまる訳ではない。例えば運輸業界や電力業界には別の方式が考慮されるべきであろうし、その他のいくつかの例外的な業種やグループの為になにがしかの原資のプールも必要になるかも知れない。
しかし、そのような例外はあくまでも期間を限られての措置であるべきで、特別権益を得られるようなグループができないような歯止めが必要である。
海外では、炭素税としてフィンランド、オランダ、スエ―デン、ノルウェ―、デンマーク、ドイツ、イタリア、イギリスで既に導入されている。
現在の民主党野田政権は消費税で精一杯で、環境税などとてもおぼつかないが、持続可能社会を目指す上で避けては通れない議論である。増税には何でも反対の政党が多いし、財界も労働界も反対が予想され我が国での成立は簡単ではない。
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カテゴリー : Factor Five |
Posted By : dantesforest |
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16 Feb 2012 07:05:45 am |
グリーン外食産業 |
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家庭料理が最もグリーン
レストランやファーストフードチェーン店が間接、直接に環境に与える影響は一般に考えられているよりもずーっと大きい。
カナダの団体の研究によると、一般人が家庭の以外でGHG(地球温暖化ガス)の排出をする要因のNo.1が外食であるとしている。アメリカ市民は平均的に食費の半分は外食に支出している。
外食産業が提供する料理は、一般人が同じメニューを家庭で調理して食べる場合の約15倍のエネルギー消費をしていると、この研究は報告している。
世界には800万のレストランと30万のホテルにレストランが有り、そのエネルギー消費は莫大なものとなる。
この研究はさらに世界展開している4つの代表的なファーストフードチェーンの省エネ活動を報告している。省資源、省エネルギー、グリーン購買、ゴミの低減、廃棄物のリサイクル等を行った4つのファーストフードチェーンではこの省エネの為の企業努力は、結果として財務状況を改善しており、グリーン化努力は決して財務面での負担にはならない事を証明したとしている。
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カテゴリー : Factor Five |
Posted By : dantesforest |
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15 Feb 2012 06:09:40 am |
LEED認証ビル |
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世界に較べて異常に少ない日本のグリーンビル
建築はGHG(地球温暖化ガス)総排出量の40%を排出している。
グリーンビルとは省エネ設計をされたビルの事を意味し、建物がグリーンに塗装されているビルの事を言うのではない。グリーンビルはGHGを減少させる最も安価で効率的で世界中どこでもすぐに実行可能な方法である。なにも新築に限らず、改築やリフォームでも達成できる。昨年10月17日にこのブログで紹介したが、ニューヨークのエンパイアステートビルが改築でグリーンビルに生まれ変わっている。
グリーンビルの外側に構造はもとより、内部もグリーンデザインでなければならない。内装材は有毒物資を含まないリサイクル材を使い、自然光を取り入れた省エネ照明、省エネHVAC(暖冷房)システム、室内空気品質と循環を考えた設計、リサイクルにより水の消費量の削減、ゴミ排出量の低減など、全ての点が評価され認証が与えられる。
エアフロー・センサーにより制御される空気の流れ、フローリングや家具の配置も空気の流れを考慮に入れて配置される。自分専用のマグを使いたくなるような充実したキッチンデザインは紙コップやペットボトルを減少させる。
いくら省エネ設計のビルでもその立地が公共交通機関ではアクセスできないような場所にあってはグリーンビルとは成りえない。
グリーンビルで働く人たちの病欠率も下がり、仕事の能率が上がる事も報告されている。
LEED(Leadership in Energy and Environmental Design)認証制度は商業ビルや住宅のグリーン度を調査して認定を与える制度である。2011年現在、11,363の商業ビルがLEED認証を受け、32,773が申請中である。日本では2011年11月に東京の飯野ビルがLEEDプラチナ認定を受け、今年に入ってNTTファシリティーズビルがLEEDシルバー認定を受けたが、世界の中では著しく少ない。
日本はそろそろエネルギーを作り出すよりもエネルギーを使わない事の方が、優れた持続可能性社会への道である事を学ぶべきである。
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Posted By : dantesforest |
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14 Feb 2012 05:46:33 am |
メタンハイドレート |
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マスコミが一斉にはやし立てるものにろくなものは無い
ここのところマスコミが騒いでいるものにメタンハイドレートがある。やれ日本はこれで資源大国になっただの、燃料を海外に依存するのはもう終わりなどとかまびすしい。まもなく愛知県沖で採掘実験が始まるからである。
とまれ、3.11まではマスコミはこぞって原発こそ唯一の石油に代わるエネルギー源だと言っていたのを忘れてはならない。だいたいマスコミが一斉に同じ事を言う時はろくでも無いと言う事をそろそろ学習してはどうだろうか。
メタンハイドレートはメタンガスが氷の籠に閉じ込められたものである。メタンガスはGHG(地球温暖化ガス)としては大変パワフルでCO2の21〜23倍強力な効果を持つ。氷に閉じ込められていたメタンガスは気体になるとその体積は170倍になる。メタンガスはCO2よりも空気よりも軽くガスそのもので大気中に放出されると短時間で高高度に達する。但し、寿命は短く10〜20年で消失する。(CO2は100年以上)しかし、地球温暖化が問題となっているこの今、それを加速するようなメタンを石油の代替として掘り出す事が良いのだろうか?
メタンハイドレートは人が直接作業する事のできない水深500m以上の深海で取り出す事になるが、つい最近メキシコ湾のBPの深海石油掘削プラットフォームの大事故があったような事が起きて生のメタンが大気中に放出されるような事は絶対に無いのか十分検証はできていない事が問題なのである。何故ならメタンハイドレートの研究そのものが新しいもので1970年代から始まったものだからだ。
ぼくらにはもう失敗は許されない。
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Posted By : dantesforest |
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13 Feb 2012 05:55:56 am |
技術者の良心 |
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経済が縮小しても幸福を得る技術の開発
雑誌「潮3月号」に掲載された「ファクター5」の著者フォン・ヴァイツゼッカー博士が述べている事を紹介する。ブログ管理人のぼくも技術者のはしくれとして身にしみる。
概して技術は、もしその技術によってさらなる欲望と便利さの拡大が見込まれる場合、その技術には資金が援助され、さらに開発される事になります。それは市場での成功をもたらすからです。その他の人間と同様に、科学者や技術者は報酬を受ける仕事に対して(より一生懸命)取り組むという傾向があります。それは決して責められることではありません。教師、僧侶、職人もまた、彼らが成し遂げ、もたらすものに対して報酬を得ます。
しかし、私たちが、従来のようなさらなる経済の拡大はもはや有益ではないことや、気候の安定性、もしくは生物の多様性を守るために経済の縮小がなされなければならないことを認識しつつある今、私たちは科学や技術の進むべき道を考えなければなりません。これが、「ファクター5」で述べられている事です。
もし私たちが、1キロワットの電力から、または一杯のバケツの水から五倍の幸福を得られるならば、理論的には、私たちは今日の五分の一のエネルギーと水の消費によって、幸せな生活と便利さを豊かな国々(OECD先進国)の10億人にもたらす事ができますし、エネルギーや水の量を増やすことなく、貧しい国々(中国インド等の発展途上国の30億人と後発発展国30億人)の人々の経済的な富を五倍に増やす事ができます。
(カッコ内はブログ管理人による。昨年地球の人口は70億を超えた。2050年には90億に達する。現在の資源を5倍に使う以外に人類が生存できる道は無い。)
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Posted By : dantesforest |
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