ダンテの森    
20 Aug 2011   06:39:05 am
ジオポリマーセメント
コンクリートを変える古代の技術
ジオポリマー・セメントと言うセメントが有る。最近の研究によるとエジプトのピラミッドの巨石は自然の岩を運んできたのではなくジオポリマーコンクリートを打ったものではないかと言われている。一般に今セメントと言っているのはポートランドセメントで石灰石を巨大な回転釜で高温に焼いて作る。石灰石を掘り出すのに多大なエネルギーを使い製造工程でも大量のエネルギーを使う。それに対しジオポリマー・セメントは材料はどこにでもある珪素で製造工程で熱は余りいらないので、ポートランドセメントにくらべ80%もエネルギーを節約できる。その上強く、コストも安く、塩害に強くながもちする。産業革命のさなかに発明され180年間製造され続けてきたポートランドセメントは現在世界のCO2全排出量の7%を出しており、今も製造され続けている。中国、インドの建設ラッシュでその需要は急激に増加している。4000年前の土木技術を忘れた現代科学技術には、どうしてもエネルギーの大量消費に依存する傾向があるようです。

ジオポリマーセメントの論文です。
http://www.crc.yamaguchi-u.ac.jp/techno/note/ikedadoc.pdf

カテゴリー : Factor Five | Posted By : dantesforest |
19 Aug 2011   07:45:43 am
地下点滴灌漑農業
水資源の最大の消費先は農業

私のマンションのベランダにはいくつかのプランターが有り、年中色とりどりの花が咲いています。家内がプランターに水をやっているのを見ていると、必ずプランターの底から水が出てくるまで水をやっているのです。底から水が出る前に水をやるのを止めれば無駄が無いわけですが、これと同じ事が農業でも行われています。
地球の将来について語る時に水資源問題は避けて通る事ができません。また、現代の農業が莫大な水資源と農薬を消費する産業形態になっておりその為に消費されるエネルギーは膨大です。地下点滴灌漑と言う方法は浅い地下にチューブを張り巡らし作物の根の近くで点滴をするほどの水を与える方法です。この方法で80%の水と95%の農薬が必要無くなります。

カテゴリー : Factor Five | Posted By : dantesforest |
18 Aug 2011   09:31:34 am
世界一多い自販機
なんでこんなに自販機ってあるの?

私の自宅から駅までの徒歩14分の道のりに22台の自販機があります。目的地の駅から会社までは徒歩1分ですがそれでも4台有ります。皆さんの通勤・通学路に何台ありますか?東京都の石原都知事が目の仇にしている自販機は日本全国に500万台とも600万台とも有ると言われています。これは、他の国と比べると全く比較にならない多さです。野立ちの自販機は限られたスペースに設置するためにとにかく小さく作られ、満足な断熱ができていません。寒風の中で熱い缶コーヒーを温め、道路の照り返しが40℃にもなる猛暑の中で冷たい飲料水を提供する為には全国で原子力発電所3基分のエネルギーが使われています。省エネ国家ニッポンには似つかわしく有りませんね。

カテゴリー : Factor Five | Posted By : dantesforest |
15 Aug 2011   05:13:48 pm
ファクター5
最近「Factor Five」と言う本を読み始めました。この本は1998年に出版され和訳も出ている「Factor 4」の続編とも言うべきもので、著者はエルンスト・U・フォン・ワイツゼッカー博士他で、環境問題の解決法が多岐にわたって論ぜられています。いずれも実現可能で実証済みのケースばかりです。これらの全てを現実のものにする事ができるならば私たちは今後もこの地球上に生存が可能になるそのレシピーが書かれています。現在英語版とドイツ語版が出版されています。Amazon等で入手できますので興味のある方は是非読んで下さい。このブログはこの本の内容を紹介して皆さんと一緒に考える事が出来たらなと思っています。

英語版:FACTOR FIVE "Transforming the Global Economy through 80% Improvements in Resource Productivity - A Report to Club of Rome" Ernst von Weizsaecker ISBN 978-1-84407-591-1
ドイツ語版:FAKTOR FUENF "Die Formel Fuer nachhaltiges Wachstum" Ernst Ulrich von Weizsaecker ISBN 978-3-426-27486-6
カテゴリー : Factor Five | Posted By : dantesforest |
15 Aug 2011   09:20:21 am
ダンテの森の管理人です
ダンテの森の管理人の吉村皓一です。
1947年生まれの団塊世代です。バブル時代を謳歌し、何度かの経済ショックも乗り越えてきました。その間に自分に刷り込まれた、経済は発展を続けると言う右肩上がり思考はなかなかぬぐい去ることはできませんでした。しかし、そのうち経済成長ありきの考え方に違和感を感じるようになったのは、1999年にウルリッヒ・フォン・ワイツゼッカー博士の「ファクター4」を読んだ事がきっかけだったのかも知れません。ファクターは倍率のことです。エネルギー効率を上げること=消費を下げることで同じ仕事やサービスをより少ないエネルギー消費で行える方法が多岐にわたって書かれています。当時、この本には何十もの地球温暖化の解決策が書かれており、それらは全て今すぐにでも実行可能なものに見えました。それを実行することで地球温暖化を止める事が可能だな、と半ば勝手に安心した気になりました。しかしその反面、それを実現すると数多くの既得権益が消え去る事になり、産業、金融、教育、ひいては国民の価値観まで変えてゆかねばならず、政治体制の根幹から変化しなければならないので、実現は難しいなと私なりの結論に達し、この本の事も忘れていました。その後911があり、リーマンショックがあり、私の中に巣くっていた成長経済万能の考え方は間違っていると考えるに到りました。その後、民主党政権となり何か政治に変化が現れるのかとの淡い期待も破れ、焦燥感は増すばかりでした。
2010年5月に東京で開かれたワイツゼッカー博士の講演会を聴く機会が有り、続編の「ファクター5」が上梓されている事も知りました。その後「ファクター4」を再読して驚かされたのは、提案されている数十の実現可能と思われる項目の内、実現されたのはハイブリッドカーくらいしか無かった事です。増え続けるエネルギー消費にブレーキを掛けるような政策は無く、それどころか増大するエネルギーを供給し続ける為に日本では「原子力立国構想」がぶちあげられていました。そして3月11日を迎えました。その直後ワイツゼッカー博士は「100年後200年後に、人類が原発から別離するきっかけとなったのはフクシマだったと言われるだろう。」とのコメントを出していました。
私は今「ファクター5」を英語、ドイツ語版で読んでいますが、和訳が出るとの情報は得ておりません。どなたかご存知なら教えて戴きたいと思います。この本は出来るだけ大勢の方に読んで戴きたいのですが、400ページ以上もあるハードカバーでどちらかと言うと学術書に近い本ですから、どうしても取っつき難いのでは無いかと思います。
そこで、私が一念発起してブログを立ち上げ「ファクター4」と「ファクター5」の内容を私なりに消化して毎日少しずつ紹介して行こうとしているものです。どこまで続けられるか分かりませんが、頑張りたいと思っています。
最後にブログの題名について一言。ダンテは「神曲」の中で森の中に迷い込みます。この森とはいわゆる娑婆世間の事であり、悩めるダンテ本人の心の中であり、現代社会そのものと言って良いと思います。それで「ダンテの森」としました。何故ダンテなのか?私の同居人で今年10歳になるアメショーの男の子の名前だからです。
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